世界限定33台のアルファ ロメオ 33 ストラダーレにおいて、最も美しく、最も賛否を呼ぶワンオフモデルが誕生した。「ペルラ ネラ(ブラックパール)」と名付けられたこの1台は、象徴的なアルファレッドを拒絶し、ボディ全体をむき出しのマットカーボンで覆い尽くしている。自動車アートの領域に踏み込んだ、ある富豪による冷徹で情熱的なカスタマイズの全貌を紐解く。
もしVWの数字を重視したネーミング戦略に混乱したことがあるなら、事態は軽度の計算障害のような状況から少しはマシになりそうだ。なぜなら、ID.2がフォルクスワーゲン ID. ポロになったのと同じように、今度はID.4の後継モデルが「フォルクスワーゲン ID. ティグアン」としてストリートに登場することになったからだ(※内燃機関を搭載した従来のティグアンと併売される)。
つまり、これはVWのMEB+アーキテクチャをベースにした中型SUVであり、完全な電気自動車で、あらゆる人を満足させるための様々なバッテリーとグレードが用意されている。テスラ モデルYのライバル、あるいはそれに似たSUV風のEVを想像してもらえれば、当たらずとも遠からずだ。
そして我々はそれに試乗した。正確には「開発後期のプロトタイプ」に乗ったのだ。どうやらこれは、ド派手な模様のラッピングが施され、インテリアはカーペットの切れ端で覆われているためダッシュボードがよく見えないが、環境音の遮断には間違いなく大いに役立っている、完全に完成した車を意味するらしい。
まずは純粋なダイナミクスについての感想からいこう。フォルクスワーゲン ID. ティグアンは、先代のID.4よりも快適で、静かで、上質だ。テストカーの21インチ合金ホイールを履いていても乗り心地は洗練されていて優秀であり、意図的に穴ぼこや不安定な路面に突っ込んでもステアリングは乱れなかった。ハンドリングには自信が感じられるが、明らかにパッセンジャーの静粛性を重視したセッティングだ。ファミリー向けSUVとしては良いことである。また、適切に静かで、スムーズで、全体的にストレスがない。
我々が試乗したバージョンは十分なパワーがあり、急な飛び出しや過剰な首の負担がない、扱いやすいスロットルマップで加速し、ブレーキの効きも良く、非常に役立つ回生ブレーキも備えていた。実際に道を走るという点において、ID.4からの抜本的なアップグレードである。
バッテリーは2種類用意される。小さい方は航続距離450km(280マイル)の58kWhのLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリー、大きい方は「プロ(Pro)」とデュアルモーターの「プロ 4Motion」に搭載される77kWhのNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)バッテリーパックで、プロのWLTP航続距離はモデル最長の600km(373マイル)に達する。ライバルと比較して、これは悪くはないが、驚くほどでもない。
パワー出力は現行のID.4と同じだ。後輪駆動の58kWhモデルが191ps(188bhp)、後輪駆動の77kWh「プロ」が286ps(282bhp)、全輪駆動の「4Motion」が299ps(295bhp)となる。つまり、速いというよりは軽快だ。テスト車両は後輪駆動のプロだったようだが、0-100km/h加速(0-62mph)は7秒台といったところだった。とはいえ、これは人間の感覚という名のダイナモメーター(※シャシーダイナモ=出力計測器)に頼った推測に過ぎない。
おそらく、4Motionは滑りやすい路面に頻繁に対処する必要がある人や、牽引をする人のためのものだろう。そしてフォルクスワーゲン ID. ティグアンは今回、2,000kgの牽引が可能になるはずだ。
インテリアについてはあまり見えなかったが、ID. ポロに少し似た物理的なボタン/スイッチバー(驚くことではない)に加え、ステアリングホイールのボタンや、接着されたカーペットタイルの間から覗く大きなスクリーンは確認できた。全体的な静寂感がプレミアム感を醸し出しており、ここでもID. ポロのアップスケール戦略と歩調を合わせている。最もダイナミックなSUVではないかもしれないが、VWはスポーティさよりも快適さに重点を置いたようで、それについては全く文句はない。
VWのダイナミック・シャシー・コントロール(DCC=アダプティブサスペンション)はオプションになるだろうが、子供や犬、その他もろもろの荷物を運ぶなら、そこにお金をかける価値はおそらくない。家族を乗せてエイペックスからエイペックス(※コーナーの頂点から頂点へ)を攻める必要などないからだ。
しかし、荷物を運ぶという点では、後部座席は間違いなくID.4よりも広く見える。フォルクスワーゲン ID. ティグアンの44mmのサイズアップがその事実をほのめかしている。さらに、大きなトランクとフランク(フロントトランク)もある。もっとも、正確なリッター数を測るための測定や、水で満たすこと(※Top Gearの定番ジョーク。トランク容量を測る際に水を満たすこと)は許されなかったが。
この車がコンフィギュレーター(※ウェブ上の見積もりシステム)でどのように設定されるかを想像するのも難しくない。英国には「トレンド」と呼ばれる欧州の最下位グレードは導入されないため、英国の価格リストの底辺であっても、適切なサイズの合金ホイール、シート&ステアリングヒーター、ワイヤレス充電、まともなスクリーン、デュアルゾーンエアコンなど、十分なレベルの基本的な快適装備が期待できる。
つまり、これはポロとほぼ同じ道を辿っている。最もトレンディなものではないだろうが、仕事は非常にうまくこなすはずだ。全体的にIDシリーズらしいデザインになり、室内空間と実用性が向上し、極めて快適で、装備も充実しているはずだ。(※フォルクスワーゲンによれば、プレミアムなデザイン、広々とした室内空間、直感的な操作性、革新的なテクノロジーを提供するという)
しかし、唯一「安っぽい」とは感じなかった。VWのことだから、それはおそらく現在のID.4のベース価格である37,000ポンド(705万円)にプレミアムが上乗せされることを意味するだろう。もちろん、我々の予想が外れるなら喜んで受け入れる。全貌は10月に明らかになる…(※ワールドプレミアは10月上旬に行われる予定だ)。
=海外の反応=
「(※偽装ラッピングを見て)思い出した。ポストイットを買い足さなきゃ」
「I.D.か…。Intrinsically Dull(本質的に退屈)の略か?」
「あくびが出るね!次いってみよう」
「ID.3 Neoは、かなり大幅なアップグレードをしたのに旧モデルより安くなった。シュコダ エンヤックもフェイスリフトで平均価格が下がったのを見ると、フォルクスワーゲン ID. ティグアンもID.4より安くなるんじゃないかと期待してる」
「またしてもVWの慢心と革新への意欲のなさを象徴する例を見た気がする」
「もしこの車のリスト価格が50,000ポンド(950万円)を超えたら、オーナーは2年目から5年目に年間440ポンド(8万5000円)の追加自動車税を払わなきゃいけなくなるぞ」
「またVWグループからゴミが飛び出してきたか」
「77kWhのバッテリーで航続距離がたったの600km? ベースのID.4が現在40,000ポンド(760万円)だとすると、この大容量バッテリー版はおそらく50,000ポンド(950万円)を超えるだろうし、オプションをつければ55,000〜60,000ポンド(1045万〜1140万円)になるのは容易に想像がつく。そうなるとBMW iX3やボルボ EX60と同じセグメントと価格帯になるわけで、VWにとってはかなり厳しい戦いになるな」
「44mmのサイズアップなんて、あってもなくても同じだろ…。前後のバンパーに1インチ未満ずつ追加されただけだ。下の基本プラットフォームは同じだし、かわいそうにID.4と同じずんぐりしたプロポーションの呪縛に苦しんでいる。つまり、キャビンが物理的に大きくなったわけじゃなく、空間の使い方が最適化されただけだろう。性能も航続距離も向上してないし(なぜだ、VW?)、これはただのつなぎのモデルだと感じるね」
↑「2028年に全く新しいプラットフォームが導入されるまでの『つなぎ』なのは間違いない。そっちが本命だ。ID.ゴルフも登場するし、シュコダ オクタヴィアもついに電動化の時代を迎える。彼らへのプレッシャーは計り知れないだろうな」
↑「今は早くて2029年になってるぞ。なぜか遅れ続けてるんだ。まあ、この車をまともに動かすのに6年もかかったことと無関係じゃないだろうけど」
↑「彼らはまず、緩んだネジを締め直す必要があるな。もしそれを見つけることができればの話だが…(笑)」
↑「彼らがオプションと価格設定のポリシーを変えない限り、何も意味がない。適度な航続距離と快適性などを備えた堅実な車に見える。でも、オプションを追加し始めると、VWは中国、韓国、フランス、テスラの競合他社よりもあっという間に高額になるんだ。キーレスエントリー、電動トランク、バックカメラ…これらすべてがオプションリストの奥深くに埋もれている。メルセデス(価格帯が違うのは分かっているが)なんて、遅い充電器を使えるようにするためや、後席のセンターアームレストにまで金を請求してくるからな! 世界はもう先に進んでいる。もし40,000ポンド以上を支払うなら、フル装備の製品が欲しいんだ。正直なところ、労働者には同情するが、ドイツの自動車メーカーは市場シェアを失って当然だと思うよ」




