自動車の未来を提示する存在でありながら、市販化の壁を越えられず幻に終わってしまった「コンセプトカー」たち。ランボルギーニが作ったV12搭載のミニバンから、次期スープラを示唆したトヨタ FT-1、マツダのロータリースポーツ、さらには日産のオフロードクーペまで。パフォーマンスと実用性の狭間で生み出された12台の歴史的傑作を、英国トップギアのユーモアあふれる解説とともにお届けする。

ルノー セニック コンセプト
アン アセンシオがデザインし、1991年にカッジョーラ(※イタリアのコーチビルダー)がルノーのために製造した、ルノーによるミニ・エスパス(※同社の大型ミニバン「エスパス」の小型版)への最初の挑戦である。基本的には大きくて便利なガラス張りの箱であり、スライドドアと、子供たちが車酔いして吐くための便利なスペースがたっぷり用意されていた。

GM ハイワイヤー(GM Hy-Wire)
HYdrogen drive-by-Wire(水素によるドライブ・バイ・ワイヤ)は、2002年のGMのコンセプトカーである。完全自動運転、電気モーターを駆動する水素燃料電池、そしてすべてのハードウェアを搭載した「スケートボード」シャシーをベースにした、プラグ アンド プレイ(ボディを差し替えるだけで使える)の様々なボディスタイルを特徴としていた。

ポルシェ スポーツツーリスモ
このスポーツツーリスモは、基本的にはパナメーラ シューティングブレーク(※クーペのような流麗なステーションワゴン)であり、550リットルのラゲッジスペースを備えたポルシェ初のエステートだった。カイエンよりもはるかに見た目が良く、もしこれにミッションE(※タイカンのコンセプトモデル)の電動ドライブトレインを組み合わせたら、非常に魅力的だろう。

トヨタ RV-2
時は1972年、トヨタはRV-2を発表した。これはシューティングブレークのリアエンドを展開すると、なんとも不格好な……テントになるという代物だった。まるで突然変異した蝶のようだ。とはいえ、剛性は犠牲になるかもしれないが、このアイデア自体は実際かなり巧妙である。

シトロエン トゥビック(Citroen Tubik)
昔のシトロエン タイプH(※特徴的な波板ボディのクラシックな商用バン)にインスパイアされた引き出し式のラゲッジトレイを備えた9人乗りの車で、2011年のトゥビックはハイブリッド ドライブトレイン、回転式シート、そして非常に複雑なコンセプト思考を備えていた。我々には、宇宙時代のキャンピングカーのように見える。

ランボルギーニ ジェネシス
4座のエストーケ(※2008年に発表されたセダンのコンセプト)が、ランボルギーニにおける実用性の限界だと思っていた? 間違いだ。ジェネシスは、はるか昔の1988年に登場したランボルギーニのMPV(ミニバン)だったのだ。ベルトーネ(※イタリアの名門デザイン工房)によってスタイリングされ、カウンタックのV12エンジンを搭載した後輪駆動(RWD)であり、LM002(※ランボルギーニの本格オフローダー)ほど軍用車っぽくはなかった。

いすゞ 4200R
ミッドシップエンジンのいすゞ製スポーツカーだって? その通り。いすゞがまだ商用車以外の世界にも片目を向けていた1989年、4.2リッターV8エンジンとロータスがチューニングしたアクティブサスペンションを誇る、2+2シーターの4200Rが登場したのだ。さらに、ビデオプレーヤーとFAX機まで搭載されていた。

トヨタ FT-1
トヨタは、FT-1はスープラの後継ではないと語っていたが、この2015年(※正しくは2014年)のコンセプトカーは間違いなく、BMW Z4の基礎の上に構築されて最終的に市販版スープラとして登場したものに、多くのデザインのヒントを提供した。その結果はいくらか期待外れなものだった。結局のところ、コンセプトカーのままにしておくべきだったのではないか?

マツダ RX-VISION
ゴージャスで流麗なRX-VISIONは、ケビン ライスによってデザインされ、2016年のヴィラ デステ コンクール・デレガンス(※イタリアで開催される世界的なクラシックカーの祭典)で公開された際に大絶賛を浴びた。名前の「RX」の部分も、露骨にロータリーパワーを指している。我々はただ、希望を抱いて生きるしかない。

キャデラック シエン(Cadillac Cien)
2ドア、リアミッドシップエンジン、2シーター。シエンは2002年に発表され、760馬力(750bhp)を発揮する7.5リッターV12エンジンを動力源としていた。奇妙なことに、このいかにもアメリカンな作品は、イギリスにあるGMのアドバンスド デザイン スタジオでサイモン コックスによってデザインされたものだった。

ランボルギーニ ミウラ コンセプト
当時40周年を迎えたミウラのオリジナルコンセプトを2006年に再構築したこの車は、古い車と新しい表面処理(サーフェシング)の間に強固な繋がりを築き上げた。しかし、ワルター デ シルヴァ(※当時のデザイン部門トップ)のデザインが素晴らしい評価を受けたにもかかわらず、それが市販化されることは最初から意図されていなかった。

日産 トレイルランナー(Nissan TrailRunner)
基本的にはオフロード版スカイラインと言えるクーペ コンセプトのトレイルランナーは、2.0リッター直列4気筒ターボエンジン、ATTESA(アテーサ ※日産の高度な四輪駆動システム)四輪駆動システム、そしてCVTを搭載していた。市販化には至らなかったが、ランボルギーニ ウラカン ステラートやポルシェ 911 ダカールがスポーツカーをオフロードに持ち込むずっと前に、これが市販化されていればよかったのにと思わずにはいられない。
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新車にリースで乗る 【KINTO】
=海外の反応=
「マツダ RX-VISIONの写真は間違ってるぞ。それは2023年のマツダ アイコニックSPだ。RX-VISIONはずっと長くて、はるかに美しい。あれとVISION COUPEは素晴らしいコンセプトカーだった」
「ただのコンセプトカーだってことは分かってるけど、トレイルランナーにCVTが搭載されてるってのは今日に至るまでイライラさせられる。あのトランスミッションのせいで、あんなに素晴らしいポテンシャルが台無しになってるんだ。まあ、どのみちオフロードを走ったわけじゃないけど、それでもさ」
「なんて脈絡のないリストなんだ。でも載ってる車の中にはかなり面白いものがあることは嘘じゃないな」
「ポルシェ スポーツツーリスモって実在しないのか?」
↑「ああ、2024年までパナメーラのスポーツツーリスモを作ってたし、タイカンにはクロスツーリスモって呼ばれるバージョンがあるよ」





