腕に纏うカーボンモノコック リシャール・ミルが若きモーグルスキーヤーと共鳴する、極限性能の哲学

モーグルの強烈な衝撃はWRCのそれに等しい。リシャール・ミルはわずか32gのカーボンウォッチで極限の性能を証明するのだ。

諸君は、WRCマシンが荒れたグラベルを猛スピードで駆け抜ける様を思い浮かべてほしい。サスペンションが悲鳴を上げ、ボディ全体がねじれるほどの衝撃を受けながら、ドライバーはミリ秒単位でマシンを制御し続ける。そのコクピットに設置された計器類は、そのすべてに耐え、正確な情報を表示し続けなければならない。それこそが、極限状況下における「ツール」の真価だ。

さて、その舞台を雪上の、それも凹凸の激しい急斜面に移してみよう。モーグルという競技だ。スキーヤーの身体は、マシンのサスペンションの如く絶え間ない衝撃を吸収し、ねじ伏せなければならない。彼らの腕に巻かれた時計が、どれほど過酷な環境に晒されるかは想像に難くないだろう。

リシャール・ミルが、フランスの若きモーグルスキーヤー、アルテュール・ドゥ・ヴィヤクールと手を組んだというニュースは、単なるスポンサーシップの話ではない。これは、彼らが作るタイムピースが、いかにして「究極のツール」たり得るのかを証明するための、新たな挑戦状なのだ。

新たなパートナーシップの核心

リシャール・ミルは、モーグルを専門とするフランス人フリースタイルスキー選手、アルテュール・ドゥ・ヴィヤクールとの新たなパートナーシップを発表した。ブランドはこれまでも、アレクシ・パンチュローをはじめとするトップスキーヤーと関係を築いてきたが、今回の提携によりスキー界での存在感をさらに高めることになる。

雪上の新星、アルテュール・ドゥ・ヴィヤクール

アルテュール・ドゥ・ヴィヤクールは、モーグル界で頭角を現している22歳の若き才能だ。大胆さと精密さを兼ね備えた滑りで、現在は2026年冬季オリンピックへの出場権獲得を目指している。リシャール・ミルは、彼の「妥協せず技術を磨く姿勢」がブランドの哲学と完全に一致すると評価。ブランド&パートナーシップディレクターのアマンダ・ミルは、「彼は、才能以上に、自らの態度で他者を鼓舞する貴重な能力を持っています」と、その人間性をも高く評価している。

極限状況を戦い抜く「RM 67-02 オートマティック エクストラフラット」

アルテュールが過酷なシーズンを通して着用するのは、多くのトップアスリートから絶大な信頼を得ている「RM 67-02 オートマティック エクストラフラット」だ。

その最大の特徴は、レーシングカーのモノコックにも用いられるカーボンTPT®と、軽量かつ強靭なホワイトクオーツTPT®で構成されたケースにある。これにより、モーグルのコブが生成する強烈な衝撃に耐えうる高い剛性を確保しながら、自動巻きモデルとしてはブランド最軽量となる、わずか32グラムという驚異的な軽さを実現している。アルテュール自身も「とても美しい時計で、本当に気に入っています」「この時計を腕に着けることは大きな後押しになります」と語っており、パフォーマンスを支える重要なパートナーであることがうかがえる。

この32グラムは、誰の腕で真価を発揮するのか

さて、我々の視点に戻ろう。このRM 67-02は、どんなライフスタイルを送る男の腕に相応しいのか。

それは、アリエル・アトムやKTM X-Bowのような、快適装備をすべて削ぎ落としたライトウェイト・スポーツカーのステアリングを握る男だろう。彼は、パワーウェイトレシオの重要性を頭ではなく、身体で理解している。グラム単位の軽量化が、いかにハンドリングと運動性能を劇的に向上させるかを知っているからだ。

ガレージで、剥き出しのカーボンシャシーを持つ愛車を眺めながら、腕元のRM 67-02に目を落とす。そのわずか32グラムという数値は、彼にとって単なるスペックではない。不要なものをすべて削ぎ落とし、機能だけを突き詰めた結果たどり着いた、パフォーマンスの象徴なのだ。

リシャール・ミルがアルテュールと共にあるのは、彼らが作る時計が宝飾品ではなく、究極のパフォーマンスを追求するための「計器」であり「ツール」であることを証明し続けるためだ。この哲学を理解できる者にとって、RM 67-02は時を告げる以上の、自らの生き様を雄弁に物語るパートナーとなるに違いない。
腕に纏うカーボンモノコック リシャール・ミルが若きモーグルスキーヤーと共鳴する、極限性能の哲学

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