ヤマハの心臓を持つ英国ライトウェイトEV:ケータハム「プロジェクトV」が量産へ前進。TAS2026でその全貌が明らかに

英国の雄ケータハムが、東京オートサロン2026でEV「プロジェクトV」の量産プロトタイプを世界初公開する。ヤマハの技術を得て、ライトウェイトの魂は継承されるのだ。

コーリン チャップマンの魂は、バッテリーの重さを許すのか

「軽さを加えよ(Add Lightness)」――。ロータスの創始者コーリン チャップマンが遺したこの言葉は、ケータハムにとって聖書の一節のようなものだ。彼らが作り続ける「セブン」は、自動車というよりは、4つの車輪がついた純粋な物理法則の実験室である。内燃機関の鼓動、風、匂い、そして羽のような軽さ。これこそがケータハムのアイデンティティだったはずだ。

しかし今、彼らは電動化という、ある意味で「重量増」が宿命づけられた領域へ足を踏み入れている。多くのトップギア読者は眉をひそめるかもしれない。「バッテリーを積んだケータハム? それはもうケータハムではない」と。だが、早合点は禁物だ。今回、東京オートサロン2026で世界初公開される「プロジェクトV」の最新プロトタイプには、日本のエンジニアリングの魂が宿っているからだ。

開発パートナーとして名を連ねるのは、あのヤマハ発動機である。かつてトヨタ2000GTやレクサスLFAのエンジンを手掛けた「エンジンのヤマハ」が、今度はe-Axle(電動駆動ユニット)で英国のライトウェイトスポーツを支える。さらに、Xing Mobilityの液浸冷却バッテリー技術が、熱管理というEVの課題に挑む。これは単なる電動化ではない。伝統的な英国のバックヤードビルダー精神と、日本の高度な技術力が融合した、新たな「純粋さ」への挑戦なのだ。

東京オートサロン2026 出展概要

ケータハムカーズ・ジャパンは、2026年1月9日(金)から11日(日)まで幕張メッセで開催される「東京オートサロン 2026」における出展概要を発表した。

主なトピックは以下の2点である。

1. EVスポーツカー「プロジェクトV」最新プロトタイプの世界初公開
2023年7月の英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで衝撃的なデビューを飾ったEVスポーツカー「プロジェクトV」。日本国内では過去2回の東京オートサロンでコンセプトモデルやカラーバリエーションが披露されてきたが、今回は量産化を見据えて開発・製作された「最新プロトタイプ」が世界初公開される。

この最新プロトタイプは、継続的な走行テストを経て、市販車に求められる走行性能や安全性能の実現に向けた仕上がりが進んでいるという。ケータハムが掲げる哲学 "Pure. Simple. Fun." を電動化時代においても確かなものにするため、細部の熟成が進められている。

また、本展示では車両だけでなく、技術的な核心部分も披露される。

ヤマハ製 e-Axle: 開発パートナーであるヤマハ発動機による電動駆動ユニット。

Xing Mobility製 液浸冷却バッテリーパック: 高度な熱管理技術のパネル展示および実物紹介。

2. 新ワンメイクレース「CATERHAM CUP JAPAN」専用車「Seven 170R CUP」の展示
2026年より新たに開始されるワンメイクレースシリーズ「CATERHAM CUP JAPAN」。その参戦車両として、軽自動車規格の「Seven 170」をベースにレース参戦に必要な装備を備えた「Seven 170R CUP」が展示される。

開催概要

イベント名: 東京オートサロン 2026

会期: 2026年1月9日(金)〜11日(日)

会場: 幕張メッセ(ケータハムカーズ・ジャパンブース:東ホール 小間番号715)

未来のガレージに「2台のケータハム」という選択

内燃機関の終焉が叫ばれる昨今だが、ケータハムの回答は非常に理にかなっているように思える。

想像してみてほしい。週末の早朝、あなたは「Seven 170R」でサーキットへ向かう。スズキ製エンジンの唸りを聞きながら、身体の一部のように反応するマシンと格闘し、汗を流す。これは変わらぬ「動」の楽しみだ。そして、サーキットからの帰り道、あるいは平日の夜、あなたは「プロジェクトV」のステアリングを握る。滑らかで静寂、しかし意のままに操れるトルクベクタリングの妙味。ヤマハのe-Axleが奏でるヒューンという微かなモーター音は、新しい時代の高揚感を演出してくれるだろう。

「プロジェクトV」は、単なる環境対応車ではない。既存のセブンオーナーのガレージに収まる、もう一つの「理性に訴えかける遊び道具」になり得る存在だ。

今回の東京オートサロンは、ケータハムが守ろうとしている「Fun」の正体を確かめる絶好の機会となる。幕張メッセの東ホールで、英国の伝統と日本の技術が握手したその結晶を、ぜひその目で目撃してほしい。
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