ルノー新CEOが語る未来戦略 「トヨタ品質」を目標に、10年間の“規制凍結”という大胆な要求 その真意とは?

カリスマ経営者ルカ デ メオが去ったルノーの舵取りを任された新CEO、フランソワ プロヴォ。彼は「第2の新型車サイクル」と「トヨタレベルの品質」を掲げる一方、欧州の自動車産業を守るため「10年間の新規制凍結」という大胆な提案を打ち出した。その計画の全貌に迫る。


6月にカリスマCEOであったルカ デ メオが突然退任した後、ルノーに新しいボスが就任した。トップギアはフランソワ プロヴォに彼の計画について尋ねた。

デ メオは、サンク(5)、キャトル(4)、トゥインゴ、新型クリオといった、大成功を収めた新型車のラインナップを整備した。彼は自動車ビジネスを離れ、グッチ、YSL、バレンシアガ、アレキサンダー マックイーンなどを傘下に持つ高級ブランド帝国、ケリング(フランスに本拠を置く、世界有数のラグジュアリー・グループ。グッチ、サンローラン、バレンシアガ、ボッテガ・ヴェネタなど、多数の有名ブランドを傘下に持つ)のトップに就任した。トップギアは、デ メオがルノーの隆盛がこれ以上続かないと予測し、慎重に退任の時期を見計らったのではないかと、密かに疑っている。

そこで我々はプロヴォに、今後どうするのかを尋ねた。さらなる新型車か、それとも単なるコスト削減と社内整理か? 「製品こそが、私の中期計画の最優先事項です。第2サイクルの新型車で、我々のリードをさらに広げます。我々には、古くからのライバルや中国勢に対するアドバンテージがあります」。彼は、過去のルノーは周期的で、新型車ラッシュのたびに、その後にダメージの大きい停滞期が続いていたと語る。

彼はさらに、品質をトヨタレベルまで引き上げたいと付け加えた。(彼は実際にトヨタの名前を口にしたわけではなく、ただ「T」という文字を口にしただけだが)。実際のところ、ルノーは現在、その道を着実に歩んでいる。

特筆すべきは、プロヴォがルノーの購買担当役員であり、過去5年間のV字回復を遂行する上で極めて重要な役割を果たした人物であるという点だ。

新型トゥインゴは、他のルノー車の半分の期間で開発された。これは極めて重要だと彼は言う。その段階の費用を節約するだけでなく、結果的によりモダンで最新技術を搭載した車を市場に投入できるからだ。

ルノーはこれを、フランス本社のチームと、迅速な行動で知られる中国のチームの努力を組み合わせることで実現した。プロヴォは、今後フランスで開発される全ての車両が、同じ手法を用いて同じくらい速く市場に投入されることになると述べた。

新型トゥインゴは非常に魅力的で、多用途かつ広々とした小型EVであり、英国では実用的な2万ポンド(400万円)を大幅に下回る価格で販売されるだろう。ルノー5と比較して、より安価で小型のLFPバッテリー、既製の永久磁石モーター、そしてシンプルなトーションビーム式リアサスペンションを採用している。

プロヴォはさらに、中国の低価格攻勢や、2万ポンド以下の欧州車を絶滅危惧種に追いやっている規制強化に対し、欧州の自動車ビジネスが生き残るための他の方法についても概説した。

彼は、新車を買える人が減れば、市場に出回っている全車両(the parc:フランス語由来の自動車業界用語で、特定の地域で登録・使用されている車両全体(フリート、保有車両群)を指す)が古くなると指摘する。その結果は、政治家たちが望むものとは真逆だ。「保有車両が老朽化すれば、脱炭素化も安全性の向上も進みません。そしてそれは、欧州にとっての社会的な基盤である産業を破壊することになります」。工場が一つ閉鎖されるたびに、5,000人から10,000人もの人々が職を失うのだ。

他のメーカーは、今日の安全規制の多くを回避できる小型車、彼らが言うところの「E-Cars」の製造を許可するようロビー活動を行ってきた。欧州委員会は2025年12月に何らかの発表をすると約束している。

しかし、プロヴォの考えは異なる。彼はEVを信じている。「EVは顧客にとって良いものです。人々はもう後戻りしないでしょう」。

彼は既存の規制を撤廃してほしいわけではない。彼が望むのは、少なくともルノー4やキャプチャーのサイズまでの車に関して、新たな規制を設けないことだ。彼によると、現在、107もの今後の規制案が存在するという。「私はただ、10年間、新しい規制がない状態が欲しいのです。我々のエンジニアの4分の1が規制への対応に追われており、既存の車にも遡って適用しなければなりません。もしそれを止められれば、コストを削減できるのです」

400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069

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=海外の反応=
「あのクソみたいなトゥインゴが400万円以上とか」
「正直、理にかなってると思う。安全対策はすでに素晴らしいレベルにあるし、交通事故死傷者が増えてるのなんて、バカでかいSUVが道路を支配することを許してる国だけだろ。アンタの1500kgのコンパクトカーはこれ以上安全になる必要はないが、あの3トンのピックアップトラックは間違いなくもっと安全対策が必要だ」

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