新型マセラティ グランカブリオに試乗。550馬力を発揮するV6ターボの豪快な走りと、美しいデザイン、オープンエアの快感を満喫。価格は3120万円。
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マセラティを代表するスポーツクーペが、グラントゥーリズモ。そのオープンモデルである「グランカブリオ」に試乗する機会を得た。
グラントゥーリズモの現行型は2022年に発表された2代目であり、グランカブリオも少し遅れて2024年に2代目が登場した。登場こそはグラントゥーリズモと時間差があったものの、グラントゥーリズモとグランカブリオは同時進行で開発されたという。それゆえ、クーペの屋根をカットしてオープンにしました的なデザインの破綻はない。
グラントゥーリズモは長いボンネットと4つのフェンダーが交差するボディスタイルに美しい曲線を描くルーフラインが特徴的な流麗なプロポーションを誇る。だがグランカブリオはリアピラーやウインドーがないことで、リアのグラマラスなフェンダーラインはむしろグラントゥーリズモよりも際立って見える。クローズド時のスタイリングも、グラントゥーリズモに近いシルエットで美しい。
ファブリック製の電動開閉ソフトトップは、車速が50km/h以下なら走行中でも約14秒で開閉でき、オープン時でもおとな4人が快適に乗車できると謳われている。
インテリアはグラントゥーリズモと同様、イタリアの職人技と厳選された素材を使用した、エレガントかつ高級感にあふれたもの。マルチメディアシステムなどの機能をコントロールできるタッチスクリーンやADASなど、最新の装備も抜かりない。
グランカブリオならではのアイテムとして、冬場のオープンエアモータリングを快適に過ごすために、フロントシートには乗員の首まわりを温めるネックウオーマーを標準装備している。また、リアシートに乗員がいない場合は、標準装備のウインドストッパーをセットすれば車内の乱気流発生を低減してくれる。
日本仕様のパワートレーンは、グラントゥーリズモと同じマセラティが新開発した3LのガソリンV6ツインターボ「ネットゥーノ(イタリア語でネプチューンの意味)」と8速ATの組み合わせのみ。550psの最高出力と650Nmの最大トルクで4輪を駆動する。
前置きが長くなってしまったが、上質なレザーのシートに座り、シートベルトを締めて、ステアリングホイールの左スポークにある青いボタンを押してエンジンをスタート。夏場の試乗なので、まずはクローズドから。シートはベンチレーションも備わって快適だ。
最近のクルマとしては、豪快なサウンドを発するターボエンジンだがラグはなく、低速からレスポンスはいい。街中では軽くアクセルペダルを踏んでいてもクルマの流れをリードできるし、オープンロードで右足に少し力を入れれば、豪快なサウンドを上げてハンパでない加速をみせる。
ここのところ試乗というと電動車ばかりだったから、電気デバイスのないエンジン車に乗るのは久しぶりだったが、やはり「エンジンで走っている」という感覚は楽しい。そのサウンドもエンジンフィールも、V6ツインターボながらV8的で、低速からトルクフルで豪快だ。とはいえ、高速ではジェントルな走りも見せる。100km/h巡航時のエンジン回転数は7速で1900rpmくらい。1500rpmくらい回っていないと上のギアには入らないようで、この速度域では8速にアップしない。
ステアリングホイールの右スポークのボタンを押せば、ドライブモードはコンフォート/GT/スポーツ/コルサと切り換えられる。コルサはサーキット専用、普通に走るならGT、ワインディングロードを楽しむならスポーツを選ぶと良さそうだ。スポーツ以上では、それなりに足まわりが締まった感じになるが、総じて30偏平のタイヤを履いている割りには乗り心地は良い。
郊外路に出たところでソフトトップを開け、2人乗車なのでウインドストッパーをセットして走り出す。その効果は大きく、100km/h近くまで髪の毛が乱れることもなくオープンエアモータリングが楽しめた。
全長が5m近い、スポーツカーとしては大柄なボディに、4WD+オープンによるボディ強化で1.9トン近い車両重量ながら、走りっぷりは意外と軽快だ。エンジンをフロントミッドシップ搭載したり、重心の位置を考慮しているからだろう。550psというハイパワーも4WDとの組み合わせで上手に御されており、加速も、コーナリングも、そしてブレーキングも高いレベルで安定している。
ダッシュボード中央の時計は本物の針式ではなくなったがタッチパネルでデザインを変えられたり、ソナス・ファベール製のプレミアムオーディオも備わったコクピットからは、左右のフェンダーの美しいラインが見えてロングノーズながら車両感覚はつかみやすい。
流麗なスタイリングに見惚れ、コクピットでは上質なインテリアに感激し、そして走らせれば豪快ながら軽快な印象も与える。さらに、オープンエアモータリングも楽しめる。しかも、リアシートやトランクなどの使い勝手を考えると、意外と実用性も高い。
まだまだ日本では、このようなクルマは作れないのかな…と、あらためて思わせてくれた、マセラティ グランカブリオだったが、グラントゥーリズモとグランカブリオには、次の手が待っている。560kWと1350Nmを発生するモーターで4輪を駆動する、100%電気自動車版の「フォルゴレ」も近く日本導入される予定だ。こちらの走りっぷりも楽しみでならない。(文と写真:篠原 政明)
■ マセラティ グランカブリオ トロフェオ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4966×1957×1365mm
(ドアミラーを含む全幅は2113mm)
●ホイールベース:2929mm
●車両重量(EU認証):1895kg
●エンジン:90度V6 DOHCツインターボ
●総排気量:2992cc
●最高出力:404kW(550ps)/6500rpm
●最大トルク:650Nm(66.3kgm)/3000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●EUコンバインドサイクル燃費:9.4km/L
●タイヤサイズ:前265/30ZR20、後295/30ZR21
●車両価格(税込):3120万円
400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069
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