【2000年代コンセプトカー】幻のスーパーカー9選! トップギアが焼失させたマツダ風籟から、ゲームから飛び出したシトロエンまで

自動車メーカーがまだ大排気量多気筒エンジンに夢を見ていた2000年代(ゼロ年代)。V16エンジンのアウディ、クワッドターボV12のクライスラー、そしてプレイステーションから現実に飛び出したシトロエン…。技術の過渡期に咲き誇った、美しくも儚い9台のドリームカーたちを振り返る。

クライスラー ME フォー トゥエルブ(Chrysler ME Four-Twelve)


クライスラーとダイムラーは1997年に合併した(その後2007年に解消した)。そのため2004年、クライスラーがミッドシップスーパーカーのコンセプトにエンジンを必要とした際、シュトゥットガルトのパートナー(メルセデス)から借りるという賢明な決断を下した。こうしてME フォー トゥエルブは、メルセデスの伝説的な6.0リッターV12「M120」エンジンを搭載することになったのだ。これは90年代を通じて数え切れないほどの「600」スペックのメルセデスに搭載され、そしてそう、パガーニ ゾンダにも搭載されていたあのエンジンである。

フォー トゥエルブのために、クライスラーは4基のターボチャージャーを追加し、驚異的な850bhp(862PS)と1,152Nmのトルクを実現した。後輪駆動のみ(ひえっ)であったにもかかわらず、クライスラーは0-96km/h加速2.9秒、0-160km/h加速6.2秒、そして最高速度248mph(399km/h)に達すると主張した。7速ツインクラッチギアボックス、カーボンファイバーとアルミニウムハニカムのシャシー、そして非常に巧妙なサスペンションを備えていた。

クライスラーは2台を製作した。1台はある程度走行可能だった。量産も検討されたらしいが、2005年に最終的に却下された。

キャデラック シエン(Cadillac Cien)


これについては聞いたことがあるだろう。ゼロ年代で最も有名なコンセプトカーの一つであるシエン(2002年のキャディ100周年を記念して製作された)は、少なくとも2本のハリウッド映画と数本のビデオゲームに登場している。

英国でデザインされ、プロドライブが唯一の(ある程度)機能するプロトタイプの製作を担当したシエンは、直噴と気筒休止システムを備えた実験的な7.5リッター、750bhp(約760PS)、450lb ft(約610Nm)のV12エンジンを搭載していた。ボディとシャシーはどちらもカーボンコンポジット製だった。

ここで、ゼロ年代のもう一つのGMコンセプト、「エコジェット(EcoJet)」にも特別賞を贈ろう。ゼネラルモーターズとジェイ レノのコラボレーションによるこの車は、改造されたコルベットのシャシーをベースにしていたが、通常のV8の代わりにバイオディーゼルで動くハネウェル製LT-101タービンエンジンを使用していた。キャデラック風のボディはカーボンとケブラーで作られている。

マセラティ バードケージ 75th(Maserati Birdcage 75th)


2005年のピニンファリーナ創業75周年を記念し、50年代後半のマセラティ ティーポ60/61レーサーへのオマージュとして製作された驚異的なバードケージ75thは、GT1競技仕様のマセラティ MC12のカーボンシャシー上に構築された。MC12のV12エンジンさえも搭載しており、約700bhp(約710PS)までパワーアップされていた。

フェラーリ エンツォも手掛けたケン オクヤマ(奥山清行氏)の監視下でデザインされたバードケージのパーティー芸は、巨大なパースペックス(アクリル)製のキャノピーだった。これが持ち上がると、モトローラ製の技術が組み込まれたミニマリストなキャビンが現れる。自力で動くことのできる唯一のプロトタイプには、エアコンの類は一切なかった。だから、中は少々暑かったようだ。

アウディ ローゼマイヤー(Audi Rosemeyer)


1938年に16気筒のアウトウニオンで268mph(431km/h)の速度記録に挑戦中に亡くなった伝説のレーシングドライバーにちなんで名付けられた、2000年のアウディ ローゼマイヤー コンセプトは、戦前のレーサーへのトリビュートだった。プロトタイプは実際には動かず、単なるモデルだったが、アウディは8.0リッターW16エンジンのおかげで最高速度217mph(349km/h)を予測していた。

聞き覚えがあるって? ローゼマイヤーは、ブガッティ ヴェイロンという驚異的なエンジニアリングの達成を早期に予見させるものだったと論じることもできるだろう。ローゼマイヤーは、VWグループが90年代後半から2000年代初頭にかけて次々と送り出した、W18/W16エンジン搭載ハイパーカーコンセプトの一つだった。おそらくピエヒ氏は、最終的にブガッティに落ち着く前に、さまざまなバッジでサイズ感を試していただけなのだろう。

フォード シェルビー GR-1(Ford Shelby GR-1)


フォードとシェルビーは、ゼロ年代半ばにいくつかの「それなりに本気の」コンセプトカーのために手を組んだ。2004年に最初に登場したのはコブラ コンセプトで、6.4リッターV10とマニュアルギアボックスを備えた、飾り気のないロードスターだった。しかし、我々は常にその後継車であるGR-1の方に、少しばかり心を惹かれていた。

コブラ コンセプトは、えーと、シェルビー コブラへのトリビュートだった。一方、GR-1はシェルビー デイトナ クーペからインスピレーションを得ていた。2台の車は同じプラットフォームで構築され、同じプロトタイプのオールアルミ製V10を使用していたが、ポリッシュ仕上げのアルミニウム製クーペの方が、ほんの少しだけ美しかったのだ。

当時のフォードGTの後継車として現実になる可能性もあったが、フォードは採算を合わせることができなかった。
画像:RM Auctions

マツダ 風籟(Mazda Furai)


ああ、もしデトロイト モーターショーでのデビューからわずか数ヶ月後の2008年、トップギアの写真撮影中に風籟(ふうらい)が黒焦げになっていなければ、どうなっていただろうか。LMP2スペックのクラージュ製シャシーをベースにした、450bhpのロータリーエンジン搭載車である風籟は、当時のマツダのデザインボス、ローレンス ヴァン デン アッカーが同社の新しい「NAGARE(流れ)」デザイン言語を確立するために使用した一連のコンセプトカーの5番目だった。

マツダは風籟をレースに出すつもりはないと主張していたが、あの運命の2008年8月の日が、あんなにも燃え盛る結末で終わらなければ何が起きていたか、誰にも分からない。風籟の残骸はマツダの米国デザインスタジオに送り返され、二度とその姿を見ることはなかった。少なくとも、公の場では。

アウディ e-tron コンセプト(Audi e-tron Concept)


アウディが2006年に初代R8を発売するやいなや、彼らは全電動バージョンの開発に着手した。R8ベースのe-tron コンセプト(写真)は2009年に公開され、4基の電気モーター、53kWhのバッテリー、制限された124mph(200km/h)の最高速度、そして約150マイル(241km)の航続距離を備えていた。

当初は2012年末に向けて発売される予定だったが、結局アウディは10台のプロトタイプを製造しただけだった。2013年初頭までに、航続距離、性能、充電時間の面でバッテリー技術がアウディの期待したほど進歩していなかったため、プロジェクトを中止したと考えられている。

とはいえ、アウディは2代目R8の電気バージョンを販売した。短期間、そして非常にひっそりと。2015年に発表され、ヨーロッパでのみ「顧客の要望に応じて(つまりディーラー経由ではなくアウディ本社から直接)」入手可能だったR8 e-tronは、0-100km/h加速3.9秒、航続距離280マイル(450km)を記録した。販売台数は100台未満で、1年後に打ち切られた。おそらく、100万ドル(当時のレートでも1億円以上、現在なら約1億5000万円)以上と言われた価格と関係があったのかもしれない。

ここで、ディーゼルが「未来の燃料」であり、アウディがル マンで勝利を収めていた頃に取り組んでいた、V12ディーゼル搭載の初代R8にも特別賞を贈ろう。これらも量産されることはなかった。ブーイングだ。

GT by シトロエン(GT by Citroen)


熱心なゲーマーならこれを覚えているだろう。グランツーリスモのクリエイターであるポリフォニー・デジタルとシトロエンのコラボレーションは、2008年のパリ モーターショーで発表された。プレイステーション3用ソフト『グランツーリスモ5』に登場させるために特別にデザインされた「GT by シトロエン」コンセプトは、今見ても驚くべき外観をしている。

ゲーム内では電気自動車だったが、完全に機能する実車のコンセプトカーは、600bhp以上を発揮するフォード製V8、レーススペックの7速シーケンシャルギアボックス、そしてナンバープレートのセットを備えていた。そう、本当だ。

シトロエンはどうやら少数生産――おそらく100万ポンド(約1億9500万円)を優に超える価格で6台ほど――の実現にかなり近づいたようだが、最終的には断念した。

BMW M1 オマージュ(BMW M1 Hommage)


M1の30周年を記念し、70年代のBMW E25 ターボ コンセプトに敬意を表して製作されたM1 オマージュは、2008年のコンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステで公開された。なんと愛らしいことか。「BMWのデザインがいかにブランドの伝統を大切にしているかを示し、この遺産をいかにして未来のアイデアに変えることができるかを実証する」ための純粋なデザイン演習として構想されたため、生産される可能性は最初からなかった。BMWはスペックさえ、予定も含めて一切公表しなかった。

もっとも、これは「328 オマージュ」や「コンセプト ミッレ ミリア」などを生み出した、素晴らしい「オマージュ」シリーズの先駆けとなったことは確かだ。
【2000年代コンセプトカー】幻のスーパーカー9選! トップギアが焼失させたマツダ風籟から、ゲームから飛び出したシトロエンまで

公道F1カー頂上決戦 AMG ONE vs ヴァルキリー/ディアブロ/日本のガレージ:トップギア・ジャパン 070

このクルマが気になった方へ
中古車相場をチェックする
ガリバーの中古車探しのエージェント

今の愛車の買取価格を調べる カーセンサーで最大30社から一括査定

大手を含む100社以上の車買取業者から、最大10社に無料一括査定依頼

新車にリースで乗る 【KINTO】
安心、おトクなマイカーリース「マイカー賃貸カルモ」
年間保険料を見積もる 自動車保険一括見積もり





=海外の反応=
「キャデラック シエンのデザインは今見ても古さを感じさせないな。あのエッジの効いたスタイルこそキャデラックだよ。映画『アイランド』でのカーチェイスシーンは最高だった」
「GT by シトロエン! 懐かしすぎる。あの頃のシトロエンはデザインが神がかってた。ゲームの中の車が実車になって、しかもV8積んで走るなんて夢がありすぎたよ」
「マツダ風籟…。あの火災事故のことはTop Gear誌の「やっちまった」エピソードとして有名だけど、本当に惜しいことをした。NAGAREデザインの最高傑作だったのに。音も最高だったんだぞ」
「クライスラー ME 4-12とか、名前を聞くだけで興奮する。アメ車なのにAMG製V12クワッドターボでミッドシップとか、まさに禁断の果実。当時のダイムラー・クライスラー時代のカオスっぷりがよく分かる一台だ」
「アウディが2009年にすでにe-tronコンセプトを出してたってのが感慨深い。あの頃は「EVなんてまだまだ先の話」って感じだったのに、今や街中e-tronだらけだもんな」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2026/01/83623/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 070

アーカイブ