50年前に日本で販売されたポルシェ 930 ターボの第1号車、フルレストア完了

クルマの共同所有サービス、ランデブー(RENDEZ-VOUS)が所有し、1975年製のポルシェ930ターボの日本第1号車のレストアが完成した。

らく診
&RESORT HOUSE(アンドリゾートハウス)

クルマの共同所有サービス、ランデブー(RENDEZ-VOUS)が所有し、2年前のオートモビルカウンシルでの展示で大きな話題となった1975年製のポルシェ930ターボの日本第1号車のレストアが完成した。ちょうど50年前に日本で販売された930ターボの第1号車であるという歴史的な価値のある個体、そして株式会社ポルテックによる当時の空気感までが再現されたレストア技術に感嘆の声が上がった。

まずは、ランデブーの近況報告から。代表の浅岡亮太氏は実家がクラシックカーの販売店であったこと、学生時代からのクルマ好きで、DNAのAnycaやメルカリでの自動車関連プロジェクトへの関与ののち、ランデブーを立ち上げた。ランデブーは、レンタカーでも所有でもない、共同所有という新しい選択肢である。浅岡氏自身が多数のクルマを所有しており、ランデブーを通じて共同所有にすることで、金銭的な負担や場所の制約、メンテナンスの手間から解放され、クルマとの暮らしをより満喫できていると述べられた。

共同所有の仕組みとして、希望の車種を申し込んだ後、マッチングを経て、複数人で車両を共有する。利用期間は1年間で、車両は横浜・羽沢の拠点に保管され、オーナーはいつでも利用できるシステムだ。2拠点目が今年5月に二子新地にオープン予定であることが発表された。昨年6月末のサービス開始以降、現状425台と非常に多くの申し込みがあり、マッチング済みの車両も26台に達していることが報告された。課題として、場所の不足が挙げられ、今後は軽井沢などのリゾート地や、福岡、大阪などへの展開を計画しているという。ランデブーの目的は、単にクルマを提供するだけでなく、好きなことに夢中になれる時間を提供することである。共同所有によって、その喜びを分かち合うことができる点も重要な要素として挙げられた。

1975年式ポルシェ 930 ターボのレストアプロジェクトは、旧オーナーの息子からの声かけがきっかけであり、車両が日本国内で顧客に納車された最初の930 ターボであることが判明した。文化的価値のあるこの車両を残したいという強い思いから、ランデブーが譲り受けてレストアを行うことになった。このクルマを日本に残したい、整備やレストアの重要性を伝えたい、そして本来の姿に蘇らせて次世代に継承したいという3点を強調していた。発見時の車両の状態はタイヤの劣化、埃まみれで相当ひどいものだった。2年前のオートモビルカウンシルで、あえて発見された状態のまま展示し、共同オーナーを募った。この時、4名の共同オーナーが見つかった。レストアを担当したのは、ポルテック。代表の上野氏は、レストアの過程で、エンジンが予想以上に深刻な状態であったことや、75年式特有の部品調達の困難さなど、多くの苦労があったことを語った。一番下に、レストアの模様を動画で張っておくので、興味のある人はぜひ。この車両の車体番号が51番であり、75年式のファーストロットとして非常に希少な個体である。約1年半のレストア期間を経て、今年の2月に共同オーナーに納車されたことが報告された。このクルマには多くのストーリーと人々の思いが詰まっており、今後の新たなストーリーを共同オーナーと共に紡いでいきたいというメッセージで締めくくられた。

質疑応答が行われた。
―マッチングが成立した車種について
フェラーリとポルシェのオーダーが多く、新しい車種と古い車種が半々程度であること、ボディタイプベースでの申し込みも多いです。
―レストアのコンセプト
オリジナルに忠実であること、外装はオリジナルの塗装を残すことにこだわった点が強調されました。部品の99%が純正部品で構成されています。
―ポルテックスとミツワ自動車の関係
ポルテックスは、かつてのポルシェの正規輸入代理店であったミツワ自動車のスタッフが事業承継して設立した会社です。
―レストア後の市場価格とオーナーの負担
市場価格は不明ですが、価格よりもストーリーを継承していくことに重きを置いています。この車両のオーナーの負担額はレストア費用込みで一人当たり約600万円であり、月額制ではなく一括払いであるという旧モデルの契約形態です。1年後には売却され、売却金額がオーナーに分配される予定です。
―オーナーによる個人所有希望
共同オーナーが優先的に購入できる権利を持っていることが説明され、実際にそのような事例もあります。
―オーナーのマッチング
金融機関の紹介や反社チェックに加え、必ず対面での面談を行い、クルマに対する理解などを確認しています。基本的には、全く知らない人同士ではなく、共通の知人やコミュニティの繋がりがあるケースが多いです。
―オーナーへのサポート
市場情報やレクチャー、複数台での試乗などを通じて、安心して利用できるようサポートしています。
ー事故や消耗品の扱い
車両保険に加入しており、過失による事故や故障の場合は、発生させたオーナーが負担するという考え方です。
―レストアの完全なオリジナルへのこだわり
サンバイザーなど、一部再現が困難な部品もあったものの、可能な限りオリジナルに近い状態に修復しました。内装は、基本的に再生不可能な部品以外はオリジナルのものを残し、シートはクリーニング、カーペットはそのまま使用しています。
―今後の拠点展開
現在は要望ベースで展開を検討しており、要望が多い地域に拠点を設けていく方針です。地域によって異なる状況(保険や人員体制など)には、拠点開設のタイミングで対応していくつもりです。
―今後のレストアプロジェクト
ランドローバー シリーズ1のレストアを現在進行中です。

浅岡代表にインタビューした。
―ランデブー利用者の層
30代・40代で子育てが落ち着き、自分の趣味に時間を費やしたい層と、60歳前後で仕事が落ち着き、運転できるうちに好きなクルマに乗りたいという層が多いです。多くは普段使いのクルマを既に所有しており、ランデブーを通じてより趣味性の高いクルマを体験したいというニーズがあるようです。クルマが決まってなくても申し込めるところが良いのではないでしょうか。初めてMT、オープンカー、左ハンドルのクルマに乗った、と、新しい体験をされているようです。若者のクルマ離れなんて、なかったと感じさせることも多いです。
―EVの取り扱い
現状ではEVのマッチング事例はないです。
―オーナー間の繋がり
コミュニティ形成を重視しており、イベントなどを積極的に開催しています。年齢や職業は様々ですが、共通の趣味を持つオーナー同士の交流が生まれています。
―930 ターボのレストア費用
レストア費用は800万円以上かかっており、当初の見込みを大幅に超えました。オーナーからは一人当たり100万円のレストア費用を徴収しました。エンジンの状態が予想以上に悪かったことが、費用超過の主な要因です。発見時でも、走行距離は37,000kmと比較的少なかったですけれど。

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