ベントレーモーターズは本日、2022年第3四半期累計決算(1~9月期)を発表し、世界経済の不安材料や先行き不透明感が払拭されない状況にもかかわらず、過去最高の営業利益を記録したと発表した。営業利益の数値は前年同期比109%増の5億7,500万ユーロ(832億円)で、2倍超の成長を達成しただけでなく、前年の通年決算で記録した過去最高益の3億8,900万ユーロ(563億円)をも上回る好業績となった。売上高利益率も上昇し、ベントレー103年の歴史の中で最高となる23.1%を記録した。
第1~第3四半期の累計販売台数は前年同期比3%増の 11,316台、売上高は前年同期の19.49億ユーロ(2,819億円)から28%伸びて24.9億ユーロ(3,601億円)だった。
新たな派生モデルの人気が高いことに加え、世界最古のコーチビルダーであるベントレーマリナーが提供するパーソナライゼーション用のオプションも売上に大きく貢献した。
具体的には、コンチネンタルGT史上最高のパワー、スピード、運動性能、ラグジュアリーさを誇るモデルとして2022年初めに「GTマリナー」が発売されたのを皮切りに、ドライバーへの訴求をさらに強化するため、ドライビングパフォーマンスとビジュアルプレゼンスを重視した「S」モデルがコンチネンタルGTとフライングスパーに追加された。GTマリナー、Sモデルに加え、ウェルビーイングと快適性に重点を置いた「アズール」も各シリーズに導入された。
多彩なモデルの投入によってラインアップの拡充に成功する中で、SUVのベンテイガは売上全体の41%を占めるベストセラーモデルとなっている。ラグジュアリーセダンのフライングスパーは27%を占め、フライングスパー史上最高の環境性能を備えた最先端のハイブリッドモデルの導入が売上に寄与した。究極のグランドツアラーであるコンチネンタルGTとGTCは両シリーズ合わせて売上の32%を占めた。コンチネンタルGTにはベントレー史上最も動力性能に優れたパフォーマンス重視のロードカー「GTスピード」が導入された。
2022年1~9月期の販売台数は欧州で前年同期比18%増の2,133台だった。アジア太平洋地域も17%増の2桁成長だった。ベントレーが本社を置く英国では25%増の1,126台、ベントレーにとって最大の市場であり続ける南北アメリカは7%増の3,154台だった。
ベントレーはラグジュアリーSUVの新たなフラッグシップとして、ミュルザンヌ以来最高のリアキャビン体験を提供する「ベンテイガ エクステンデッド ホイールベース (EWB)」を発表するなど、第4四半期も好調を維持する見通しだ。これまでのところ、ベンテイガシリーズでは受注の約40%をEWBが占めている。
第3四半期累計決算は業界をリードする「ビヨンド100」戦略を後押しするものであり、ベントレーはこの戦略を通して全ラインアップを電動化し、2030年までにカーボンニュートラルを達成する計画だ。それに伴い、全モデルの製造拠点である英国クルーのピムズレーン工場と今後の新型車開発に対し、10年間で30億ユーロ(4,340億円)を投資するプログラムも進行中だ。
ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは次のようにコメントしている。
「ベントレーは世界市場で様々な課題に直面しながらも絶えず前進し、第3四半期決算ではほとんどの地域で売上増を達成いたしました」
「自社のコーチビルダーであるマリナーが製作する各種オプションと限定モデルが好評であること、そして派生モデルの拡充がお客様に好意的に受け止められていることにより、1台当たりの利益が順調な伸びを見せています。今後は、新発売のベンテイガ エクステンデッド ホイールベースがラグジュアリーSUVの売上をさらに押し上げることが期待されています」