トヨタ自動車は、第90回ル・マン24時間レースで、サルテサーキットを380周し、5,000kmを超える距離を走りきり、5連覇を達成した。
勝利をもたらした#8のドライバー、ブレンダン ハートレーとセバスチャン ブエミはそれぞれル・マンで3勝目、4勝目を挙げ、チームメイトの平川亮はこの耐久レースで初勝利を挙げた。
予選でホセ マリア ロペス、マイク コンウェイ、小林可夢偉のトヨタ7号車を抑えてポールを獲得したGR010ハイブリッド2台は、ハイパーカー勢を引き離し、グリッケンハウス勢やアルピーヌ A480がペースだけで総合優勝を狙えるという期待はあっという間に消え去ってしまったのである。
トヨタのライバルたちはドラマを期待したが(2016年の最終ラップのハートブレイクをまだ覚えている人はいるだろうか)、トップ2台が比較的トラブルなく走ったため、何も起こらなかった。唯一の問題は、3分の2の距離に差し掛かったところで、#7がハイブリッドシステムの問題で一時的にコース上に停止し、何とかリードラップに戻ったものの、このアクシデントが実質的にレースを決定づけたことだった。
ライアン ブリスコー、リチャード ウェストブルック、フランク マイルー組の#709グリッケンハウスが最後の表彰台を獲得し、JOTAの#38アントニア フェリックス ダ コスタ、ロバート ゴンザレス、ウィル スティーブンスがLMP2クラスで圧勝した。
2位の#9プレマ・オーレン(ロバート クビサ/ルイス デレトラ/ロレンゾ コロンボ組)に2分以上の差をつけ、さらに#28(エド ジョーンズ/ジョナサン アバディーン/オリバー ラスムセン組)もLMP2で3位を獲得した。
GTE proカテゴリーでは、コルベットが予選でフロントロウを独占し、勝利への期待が高まっていたが、C8.Rsは2台とも信頼性の問題に見舞われ、フィニッシュまでたどり着けなかった…。
まず、63号車は暗闇の中でサスペンションに不具合が生じ、リタイアを余儀なくされた。さらに、レースの4分の1を残していた64号車は、ミュルザンヌ ストレートでAFコルセのLMP2マシン83号車にぶつかり、バリアに押し出されてしまった。
このため、ジャンマリア ブルーニ、リチャード リーツ、フレデリック マコヴィッキィのポルシェ911 RSR-19が、AFコルセのフェラーリ2台を抑えてポルシェGTチームの勝利を手にしたのだった。
一方、GTE Amは、ベン キーティング、マルコ ソレンセン、ヘンリケ シャベスが駆るTFスポーツの#33アストンマーティン ヴァンテージが優勝した。
さらに後方では、ル・マンデビューに向けてTGに語ったマイケル・ファスベンダーが、#93プロトン・コンペティションで波乱のレースを展開した。インディアナポリスコーナーで#61 AFコルセにグラベルに押し出され、自身のミスではないものの、タイヤウォールに埋め込まれたことがあるのだ。ファスベンダーはダメージを負いながらも、数分後に再びマシンを走らせることに成功し、チームも最終的に53人中51位という暫定的な順位に回復した。