サーフェスを問わないパフォーマンス
ベントレーのコンチネンタル GT が、サーキットでも、氷上でも、驚くほど幅広い能力を見せ付けた。まず、バサースト12時間レースにおいてコンチネンタルGT3が総合優勝を果たし、続いてオーストリア、ツェル・アム・ゼーで開催されたアイスレースにおいてアイスレース仕様のコンチネンタル GTが見事なデビューを飾った。
オーストラリアのバサーストで開催された2020インターコンチネンタル GTチャレンジの開幕戦において、マキシム・スーレ(ベルギー)/ジョーダン・ペッパー(南アフリカ)/ジュール・グーノン(フランス)が駆る#7 コンチネンタルGT3が、予選11番手から追い上げて勝利を収めた。#7コンチネンタルGT3は、スタート後ほどなくして表彰台争いに加わる。スーレ、ペッパー、グーノンという世界に名だたるドライバー、チームによる優れたレース戦略およびピットストップ戦略により、7時間を経たときにはトップに立っていた。終了時間まであと1時間少しというとき、予期せぬパンクに対処することとなり、このピットストップがチームの勝利に向けた最後のマシン・セットアップとなった。40℃を超える気温の中、雨も降り始めたが、半日に及ぶスプリントに耐えた#7コンチネンタル GTはバサースト時間耐久レースの優勝者としてゴールラインを駆け抜けた。彼らはチェッカーフラッグを受け、共に戦ったクルーたちもまた周という新しいレース走行距離記録を手にした。天候がさらに悪化する前に、チームは雨の中で喜びの声を上げる。
ベントレー・モータースポーツの監督を務めるポール・ウィリアムズは次のようにコメントした。「大変な週末になりました。我がチームのクルーは限界まで追い込まれましたが、たとえどんなレースになろうとも決してあきらめませんでした。コンチネンタルGT3にとっては、長く待ち望んでいたインターナショナルチャレンジでの勝利です。私たちは、特にここバサーストで何度も競い合ってきましたので、ついに結果を手にできたことを嬉しく思います。これはシーズンのスタートとしては最高の出来であり、これまでで最大のモータースポーツ・プログラムに参戦するにあたり、世界中のカスタマーチームにとっても良き前兆となることを願っています」
コンチネンタルGT3が2020年キャンペーンのデビューレースで勝利を収めているとき、地球の反対側、オーストリアのツェル・アム・ゼーでは、ベントレーのウィークエンドレースが開催されており、特別に用意されたコンチネンタル GTが有名なGPアイスレース(氷上レース)に参戦していた。
2019年パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムで記録を樹立したマシンに敬意を表したカラーリングを纏い、ジュニア世界ラリー選手権(JWRC)ドライバーのケイティ・マニングス(英国)がドライブする氷上レース仕様のベントレーコンチネンタル GTは、GPアイスレースのデビューを飾った。何度かのタイムランとデモンストレーションラップを通じて、マニングスはピレリ製スタッドタイヤを履き、ツイン・ターボチャージドエンジンが生み出す、635ps、900Nmのパワーを披露した。タイムトライアルに続いてマニングスは、ボマーのプロスキーヤー、スヴェン・ラウバーと共に、スキーヤーをけん引して高速で走る「スキー・ジョーリング」のデモンストレーションを行った。スキー・ジョーリングの伝統は1928年のサンモリッツ冬期オリンピックに遡ることができ、当時、スキーヤーは騎手のいない馬にひかれて走ったという。
アイスレース仕様のコンチネンタル GTには、安全規定に準じてリアロールケージ、車載消火システム、レーシングシート、ハーネスなどの最小限の変更を施しているが、可能な限り生産車に近い状態で仕上げられた。また地上高を確保するためエアサスペンションの車高を上げ、アーチエクステンションを装着してトレッドを15ミリ増加させた。さらにレーザー製高性能ライト用ブラケット、アクラポヴィッチ製カスタムエグゾーストシステム、ボマーベントレーのスキー・セットを固定する特注ルーフラックを備えていた。
インターナショナルチャレンジの次のラウンドは、7月のスパ24時間レースとなる。ベントレーおよびM-Sportは、拡張テストおよび開発プログラムのために、カスタマーレーシングチームおよび新しいベントレーレーシングアカデミーの元へ戻る。一方、アイスレース仕様のコンチネンタル GTは英国に戻り、3月のジュネーブモーターショーに向け遠征する。
レースでのコンチネンタルGTの雄姿に魅せられた人々がたくさんいただろう。市販車の販売に好影響を与えそうだ。