2019年に100周年を迎えるベントレー
ベントレー・モーターズは1919年7月10日に設立され、来年で創立100周年を迎える。
これを記念してミュルザンヌのリミテッドエディションが100台限定生産されることになった。これは創業者W.O.ベントレーが1930年に最後にデザインしたモデルへのオマージュとなっており、W.O.自身の所有車両のクランクシャフトの薄片が飾られた希少なミュルザンヌだ。
デザインしたのは、英国製自動車の黄金時代にインスパイアされた、マリナー部門。2019年のベントレー創立100周年を記念する真のコレクターアイテムとなる。この特別なミュルザンヌは、8月28日、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスにて一般公開され、2019年から発売される。なお、日本仕様の「ミュルザンヌW.O.エディション」は一部装備内容が異なる予定となっている。
マリナー部門が製作する「ミュルザンヌ W.Oエディション」は、英国製自動車の「黄金時代」といわれる時期に製造された8リットル・モデルにデザインのヒントを得ている。
インテリアには1930年代の贅沢な生活スタイルにインスピレーションを受けている。注目したいのは、マリナー製照明付きカクテルキャビネットだ。その手製のユニットには8リットル・モデルの幾何学的なフロント・マトリックス・グリルとヘッドライトを象嵌模様で描いたディスプレイ用の窓があり、その内部には、W.O.ベントレー自身が所有した8リットル・モデルから切り出したクランクシャフトの薄片が飾られている。
機械加工の金属製ディスプレイケースのすぐ下には、ベントレーの工芸品の貴重さを記した銘が刻印される。
象嵌模様の作成には、何種類ものベニアや素材を使用している。4種類の木材がコントラストと深みを与え、ハイライト部分やシグネチャー、幾何学パターンにはアルミニウムを使用する。それぞれに平行に走るダイヤモンド風の縁取りが、アールデコの雰囲気を出しつつも現代的な外観を作り出しています。作品としての仕上げにW.O.の署名が記される。
ファイアーグロー・ヘリテッジとファイアーグロー・ハイドを使用した贅沢なインテリア・カラー・スプリットに、ベルーガ・ハイド・ディテーリングとブラインド・ステッチ仕上げが施されている。マイナーゲージ・パネル、ステアリングホイール・リムおよびその他の領域に、ダーク・ステイン・バール・ウォールナット・ベニアを使用している。
このミュルザンヌには、ファイアーグロー・ラムウール・ラグ、ガラス・タンブラー、リアドアのプライバシー・カーテン、リアシート・エンターテイメント・システムが装備されていて、最新鋭の快適性だ。
このクルマは当時、最も大きく最も豪華なベントレーであり、英国のほかのどのクルマよりも強力な排気量7,983ccの直列6気筒エンジンを搭載していた。
W.O.は8リットルについて次のように語っている:
「私はいつも、時速100マイル(160km/h)で極めて静かに走ることができるクルマを作りたいと思っていました。そしてついに、私たちは実現させたのです」
もともと「GK 706」で登録されていたW.O.の8リットルは、生産ラインを2番目に出たモデルで、彼個人が所有するクルマになった。彼はHJマリナーに、12フィートのショート・ホイールベースのシャシーにサルーン・ボディを組み付けるよう依頼した。しかしW.O.は、1931年に彼の最愛の車を売ることを余儀なくされてしまった。
そのクルマは2006年にベントレー・モーターズに買い戻され、オリジナルのクランクシャフトの交換をするなど、念入りにレストアされた。このときのクランクシャフトから切り出した薄片が、新型ミュルザンヌW.O.エディションに象徴として組み込まれたというわけだ。
W.O.の所有した8リットル・モデルは、それ以来、ベントレーの創業者の伝統に従って、代々続くベントレーCEOのための象徴的な「社用車」となっている。このクルマは現在、英国・クルーの本社に設けられたベントレー・モーターズ・リニエージ・エキシビジョンを代表する展示品だ。
「ミュルザンヌ W.O. エディション」は、オニキスのペイントワーク、クローム・ボンネット・ストリップ、オプションのクローム・ラジエータ・シェル&グリル、その上の優雅なフライングBマスコットによって、圧倒的な存在感を示している。ロア・バンパーにはW.O. Bentleyシグネチャー・バッジが控えめに記されており、セルフレベリング・ホイールセンターとドア・トレッドプレートには特製100周年記念バッジが飾られるという貴重なものだ。
「ミュルザンヌ W.O. エディション」は、ミュルザンヌの3つのモデル・バリエーションのいずれかを指定することができる。各モデルとも、ベントレーの革新的技術とクラフツマンシップによる真の上質さを備えている。
さらに100周年を記念し、短編ムービー「An Extraordinary Grand Tour: The Story of Bentley」が公開された。
創業者であるW.O.ベントレーその人から最新のコンチネンタルGTまで、このムービーは何十年にもわたる非凡な人物の数々や、スポーツの業績、さらに成功したモデルの数々を紹介し、ベントレーの100年がざっとわかる構成になっている。
この映画では、3Dスキャンでデジタル化して「金属」のようにモデリングした役者、様式化された過去の肖像、ハリウッドで使用されているモーション・グラフィックス技術を駆使している。
W.Oベントレーが、アルミ製のペーパーウエイト(彼が設計した革新的なアルミ製ピストンにインスピレーションを得たアイテム)に触れながら壁に向かうシーンで始まる。ぜひご覧あれ。
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