2015年上半期堂々の一位に輝いた、Honda N-BOX。販売台数は、106,985台で、2位のダイハツタントと20000台弱の差をつけている。2位、3位と同様の数字が並ぶなか、22%多くなっているN-BOXは立派だ。
2011年12月に発売が開始され、2012年7月に「N-BOX + (エヌボックス プラス)」、そして2014年12月には「N-BOX SLASH(エヌボックス スラッシュ)」とラインナップを増やし、累計820,000台を超えるヒットとなっている。
今や、新車販売台数の40%を軽自動車が占める日本の社会。それほどまでに人々の暮らしに密着している軽自動車だが、参入メーカーも多く、熾烈な闘いが続いている。この軽自動車の競争に打ち勝つには、何が最も大事なのだろうか。
長らく、ホンダでさまざまな車種の開発に携わってきた繁浩太郎氏に、軽自動車の戦略について聞いてみた。
――今後も軽自動車の比率は伸びていくのでしょうか。
2014年度の新車販売は4年ぶりに減少してしまいました。登録車の落ち込みが軽自動車より大きく、「軽」の新車販売比率は初の4割超えになりました。もう日本のマーケットは軽自動車抜きには語れなくなっています。
今年の5月1日に、日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した数値によりますと、新車販売台数は、昨年消費税がアップした4月1日以降14年は前年同月比で、ほぼマイナスが続き、15年の4月には前年同月比7.5%減、1月には前年同月比20%近くも減少しました。
今年に入って、軽も含めた新車販売台数自体はダウントレンドとなっています。しかし、保有台数で見ると軽自動車の保有は順調な伸びをしていまして2900万台以上にもなり、全体の約4割近くになります。軽自動車の保有台数は着実に伸びているのです。
軽自動車に関連したデータを少し見てみましょう。10万人未満の市町村では約半数が軽自動車を保有し、人口密度350人/km2未満の市町村で、半数以上が交通について不便だと感じています。軽乗用系ユーザーの87%が、軽自動車がなくなったらと困ると感じていて、切っても切れない交通手段となっています。
また、軽乗用系ユーザーのうち60歳以上の占める割合は、93→13年度で約4倍に増加し、全体の30%にもなってきました。つまり高齢化が進んでいるということです。