【試乗】マツダ「CX-6e」:900万円の中国製マツダEVはアウディの牙城を崩せるか


ドライビング
どんな走り?
普通ではないマツダのキャビンに乗り込むと、これまでとは違う体験への準備がすぐに整う。スターターボタンはない。ただ右側のコラムレバーを「D」に押し込んで発進するだけだ。ドライバーなしで車重2,130kgのクロスオーバーにとって、最高出力258psと最大トルク290Nmはかなり控えめであり、その加速性能は、首がむち打ちになるような一瞬の快感をあからさまに追い求めるライバルたちに遅れをとっている。マツダによれば、0-100km/h加速はエントリーモデルの19インチホイール仕様で7.9秒、多くの顧客がそうするであろうブルジョアな21インチを選んだ場合は8.1秒だという。どちらも最高速度は185km/hだ。

そして実際にその速度に達する。マツダは幸いなことに、何キロにも及ぶ速度無制限のアウトバーンがあるドイツでマツダ CX-6eの発表会を行ったのだ。発進時の加速にドラマはほとんどないものの、その直線的なペースアップは英国の法定速度上限まで続き、さらにその先へと快適に伸びていく。

そして信じられないことに、そのすべてが車内の素晴らしい静粛性にほとんど影響を与えない。これは、長距離の旅を過ごすための、静かで落ち着いた車なのだ。ただし、加速に伴ってスピーカーから微妙に流される人工的な合成音はあるが。エンジニアの一部はもっと音を大きくしたいと望んでおり、将来登場するであろうマツダ CX-6eのよりパワフルなバージョン(もちろん、今は純粋な仮説だが)では、この側面がさらに追求されるかもしれないと認めている。今のところ、その音は非常にうまく統合されており、スピードを測る便利なバロメーターとして機能している。

ハンドリングはどう?
マツダ CX-6eには、リアにマウントされたモーターとかなり均等な重量配分から来る、スムーズで自信に満ちた振る舞いがある。マツダモーターヨーロッパは中国市場向けのEZ-60の再調整に全力を注ぎ、その結果として、我々は喜ばしいほど直感的なステアリングのセッティングを手に入れた。街中をのんびり走るには力がいらない車であり、もっと魅力的な田舎道でペースを上げるのも簡単だ。

ただ、より本気で踏み込んだ時に、下にあるシャシーが興奮して目覚めるようなことは期待してはいけない。これは何よりも快適さと使いやすさを優先した車だからだ。マツダは常にその点を得意としてきた。ただ、以前はそこにもう少しの「一体感」も与えてくれていたのだが。

ドイツの道路での乗り心地は良好だが、最上級グレードの21インチホイールでは、凹凸の多い市街地の道路に対してやや硬い反応を示す。我々は、さらに荒れた英国の道路でエントリーモデルの19インチを試し、それがより甘美なセッティングであるかどうかを確認することに興味をそそられている。同様に、使いにくい(しかし間違いなく非常に空力に優れた)サイドカメラを装備していない車で、横に突き出した大きな耳(ドアミラー)によって静粛性が落ちるかどうかも確かめてみたい。

ドライブモードはある?
ノーマル、スポーツ、インディビジュアルの3つのモードから選択できる。インディビジュアルモードでは、より鋭いスロットルとより心地よいステアリングを組み合わせることができるが、だからといってそれをオンにした途端にプラス100psが解放されるわけではない。ほとんどのドライバーは、デフォルトの設定で満足するだろう。

ブレーキ回生には4つのレベルがあるが(奇妙なことに、完全なワンペダル設定はひとつもない)、悲しいことにそれを切り替えるためのパドルシフトはない。マツダ CX-6eの多くの機能と同様に、回生レベルの設定もあの巨大なタッチスクリーンのサブメニューの奥深くにある。各種ADASシステムの無効化も同じだ。

アクティブセーフティ装備はどう?
実に「アクティブ」である。我々は、システムが優れている場合は純粋にそのままにしておくことを好む。ABSやエアバッグのヒューズを探し回るような奴はいないだろう?

しかし、わき見・疲労センサーの過剰なほどの監視の目(我々が一度あくびを噛み殺しただけで車を停めるよう指示してきた)や、道路工事や急な対面通行の際にドライバーの入力に反してステアリングが身悶えする様は、全く楽しくない。マツダは中国市場向けのオリジナルADASの強度を下げたと言うが、さらなる調整が必要だ。ハイテク装備を黙らせてしまえば、落ち着きのある車なのだが…。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2026/09/96046/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア ジャパン 074

アーカイブ