デヴィッド ボウイやビートルズ時代の精神を復活? 新任のMiniデザイン責任者が語る未来

BMWグループの体制変更に伴い、新たにMiniのデザイン責任者に就任したホルガー ハンプ氏。彼が今後のMiniのデザインにおいて、過去のラリーの歴史や、デヴィッド ボウイ、ザ ビートルズらが愛した時代の精神をどのように現代のモデルへ反映させていくのか。トップギアが彼のビジョンに迫る。

2024年後半に行われたBMWの人事異動の一環として、オリバー ハイルマーがMiniのデザイン部門から異動し、BMWのM部門およびコンパクト・中型モデルのデザインを担当する役職に就いた。

それと同時に、ホルガー ハンプがBMW Group Designworks(注:BMWグループのデザイン・コンサルティング会社)からMiniのデザイン・トップの座へと移った。そこでTGは、これが英国ブランドであるMiniの未来に何を意味するのかを確認するのが最善だと考えた。そして、どうやらそれはかなり楽しいものになりそうである。

「私はMiniが文化的な関連性を持ち、人々の生活にポジティブなものをもたらすことを心から願っている。特に今の時代にはね」とハンプはTGに語った。

「私にとってMiniとは、突飛な形状やジオメトリー(幾何学性)を追求するものではない。さまざまな人々のライフスタイルに寄り添うべき製品なのだ。それはある種の個人的な表現の延長線上に位置している。そして、非常にポジティブで、一人の人間としてエネルギーを与えてくれるようなデザインを通じて、それを実現できると考えている」

「Miniはユニークかつポジティブであり続ける必要がある。単なる車以上の、関係性を築けるブランドであるべきだ。それがどれほど困難で野心的に聞こえたとしても、Miniのようなブランドであれば実現可能なのだ」

ハンプはもともとインダストリアル・デザイナーとしての訓練を受けていたが、1998年にカリフォルニアへ渡りDesignworksに入社したことをきっかけに、「むしろ偶然によって」自動車デザインの道へ進むことになったと語る。2014年から2017年にかけては、BMWグループ全体の「デザイン・ユーザー・エクスペリエンス責任者」を務め、実は現在のMiniが採用している円形のインフォテインメント・スクリーンの開発にも携わっていた。その後、彼は7年間にわたり大ボスとしてDesignworksに復帰していたのである。

「Designworksでの長い経験は、今でも私のMiniでの仕事に影響を与えている」と彼はTGに語る。「自動車デザインに対して、より包括的でグローバルな視点を持つことは、私にとって非常に容易なのだ。自動車デザインへの批判と受け取らないでほしいのだが、クリエイターたちは時に視野が狭くなり、対象物や形状、ジオメトリーばかりを気にしてしまうことがある。我々はDesignworksでサステナビリティに取り組み、Hewlett Packard(ヒューレット パッカード)の仕事をし、医療機器のプロジェクトにも関わってきた。エージェンシーとして様々な分野のプログラムに携わることで、視野が広がるのだと思う」

「一例を挙げよう。私は常に、より良い車のインテリアや、車内のより良いユーザーインターフェースをデザインするためには、人々が車に乗っていない時に自分の生活で何をしているかを知ることが重要だと主張している。だからこそ、私はデジタルなライフスタイルからの視点を持ち込み、それが我々の車のデザインに影響を与えるべきだと言ったのだ」

ハイルマーがMiniのラインナップ全体を一新し、「Aceman(注:エースマン、Miniの新型クロスオーバーEV)」を導入した直後に入社したハンプは、現在、フェイスリフト(マイナーチェンジ)や次世代Miniの開発に取り組んでいる。

「退屈しているとは言えないね」と彼は冗談交じりに語る。「Miniは非常に強い歴史と遺産を持つブランドだ。ユーザーインターフェースやその他の小規模なプロジェクトを通じて以前から接点はあったものの、まずその歴史を本当に熟知するまでには少し時間がかかった。これはブランドの歴史への真のディープダイブ(深掘り)だったよ」

「この歴史とともに仕事をするのは楽しい。それが自分を縛り付けると言う人もいるかもしれないが、私は違う。私は過去に築かれたものと向き合うのが本当に好きなのだ。Deus(デウス)の車を見ればわかるだろう。私はモンテカルロ・ラリーについて研究し、それをあのコラボレーションに応用するのを心から楽しんだのだ」

そう、ハンプは確かにMiniのラリーにおける過去の歴史を振り返ることに価値を見出している。「The Machine(ザ マシン)」は、アパレル&ライフスタイルブランドであるDeus Ex Machina(デウス エクス マキナ)とのコラボレーションで生み出された内燃機関のコンセプトカーであり、スポットライト、巨大なホイールアーチ、そして重厚なリアウィングが装着されていた。将来的にも、こうしたコラボレーションがさらに見られることになりそうだ。

「Miniというブランドに非常に合っていると思う」と、これらの共同プロジェクトについて尋ねた際、ハンプはそう答えた。現在ポール スミス エディションの「Cooper(クーパー)」が販売されていることや、最近オーストリアのデザインスタジオであるVagabund(ヴァガブンド)と共同制作された2台の「Countryman(カントリーマン)」のコンセプトカーが発表されたことも記憶に新しい。

「我々は過去にもいくつかのエディションモデルを手がけてきたが、それらはどちらかというと社内主導のものだった」とハンプは言う。「しかし我々は、デヴィッド ボウイに車を預け、何か作ってみてくれと頼んだことを半ば忘れかけている。ザ ビートルズにも車を提供したし、ケイト モスにも車を提供した。そしてそこから常に面白いものが生まれてきたのだ。私はそれを少しばかり復活させたいと思っている」

「協力し合い、コラボレーションすることは非常に豊かさをもたらしてくれる。それはウィンウィンの状況なのだ」

「秘密は教えられないが、私にとって今、様々な時代のMiniを研究することは非常に興味深い。70年代、80年代、90年代のイギリスの写真、白黒写真、ツィギー、デヴィッド ボウイ、ザ ビートルズ……これらすべてのスターたちがMiniとともに楽しい生活を送っていたのだ」

「私は現在まさにこれを研究しており、Miniに今もなお生き続けるこのキャラクターを作り上げた、こうしたすべての側面が気に入っている」

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新車にリースで乗る 【KINTO】
=海外の反応=
「BMWの車に『ありとあらゆる巨大グリル』をくっつけた後、今度は旧型Miniへの視覚的なオマージュと気取ったブレグジット訛りを交えながら、Ora Funky Cat(注:中国GWMのEVブランド『Ora』の車。現行MiniのEVモデルとプラットフォームを共有している)を飾り立てるという名誉ある仕事に就いたってわけだ。給料も相当いいんだろうな」

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