新型トヨタ ハイラックスの登場が目前に迫っている。世界一過酷な環境で活躍するこの車は、本当に「壊れない」のだろうか。北極点の走破から火山の登頂、さらにはビル爆破の巻き添えまで、トップギアがこの不死身のピックアップトラックと歩んできた、やりすぎで馬鹿馬鹿しくも偉大な12の冒険の歴史を振り返ってみよう。

22インチのリフトアップ仕様で日本をクルージングした時のこと

世界を代表するアイコニックなオフローダーをいくつも輩出してきた国にしては、人口密度の高い日本で実際にタイヤを泥だらけにする機会は極めて少ない。しかし、昨年我々が仙台で改造4x4のグループと一晩を過ごした際にわかったように、だからといって日本の四駆愛好家たちが愛車を楽しむことを諦めているわけではないのだ。そのグループの中には、バカげた22インチのリフトアップを施したハイラックスもいた。メートル法を愛する諸君、22インチとは50cm以上のことである。
フレディがタイを駆け抜けた時のこと

2022年、UKでピックアップトラックの人気が高まっていることを受け、トップギアTVは彼らの精神的な故郷であるタイへと向かい、いったい何が大騒ぎになっているのかを確かめに行った。フレディ(元番組司会者のフレディ フリントフ)が選んだ足は、同じようにとんでもないリフトアップが施されたハイラックスだった。不運なことに、当時ニュースを賑わせていた病気に彼が感染してしまったため、旅は途中で切り上げられてしまった。しかし、もし旅が続いていたなら、その後に他のトラックに課された干し草運びの試練も、このハイラックスなら余裕でクリアしていただろうと我々は確信している。
世界一過酷な仕事に向けて彼らを準備する場所を訪れた時のこと

ハイラックスと兄弟車であるランドクルーザーの伝説的な頑丈さは、地球上で最も過酷な環境で活動する人々に頼りにされていることを意味する。紛争地帯、鉱山、人里離れた野生動物保護区…名前を挙げればきりがないが、おそらくそこでは白いハイラックスがせっせと働いているはずだ。そして、これら無駄を削ぎ落とした働き者のトラックのほとんどが、驚くべきことにジブラルタル(イベリア半島南端のイギリス海外領土)にあるたったひとつの特別なディーラーから出荷されていることが判明したのだ。トップギアは2022年にそこを訪れ、裏側を取材した。
難破船を探すために使った時のこと

過酷な環境といえば、ナミビアのスケルトンコースト(骸骨海岸)ほど過酷な場所はそうそうないだろう。日中は気温が急上昇し、夜には急降下する。人類の影響を示す唯一の証拠は、海岸に点在する巨大な難破船の残骸だけだ。いや、それと2016年にこの広大で驚異的な荒野を突き進んだ、トップギアの忠実な足である1台の赤いハイラックスも例外ではない。
6x6(6輪駆動)仕様でロンドン中心部をドライブした時のこと

遡ること2013年、Arctic Trucks(アークティックトラックス:極限環境向け車両の架装メーカー)の友人たちが、当時19歳の気候研究家パーカー リアウタッド率いる南極探検のために準備した6x6ハイラックスの鍵を我々に手渡してくれた。言うまでもなく、これは車が挑むことのできる最も過酷な任務のひとつに特化して作られたものだ。では、我々はどうやってその性能をテストしたのか? ウェストミンスター(ロンドンの中心地)をのんびり走ることで、である。言い訳させてもらうと、ピックアップのロードテストをするためにちょっと南極まで行ってくる、なんてことはそう簡単にはできないのだ。
ハンガリーのカウボーイに会いに行った時のこと

2012年、すでに飼い慣らされ、記録され尽くしたかに見えるヨーロッパ大陸で、未だに冒険が可能かどうかを確かめるため、我々はハイラックスをイギリスから東へ向け、ハンガリー東部の広大な大草原「プスタ」までたっぷり1,300マイル(約2,100km)走らせた。そこで我々が見つけたのは、19世紀のアメリカ西部ではなく、2010年代のヨーロッパにいるカウボーイたちだった。真に手つかずだと感じられる大陸の最後の片隅で、ハイラックスはかけがえのない相棒のように感じられた。
長期テスト車を「標準未満」の姿でトヨタに返却した時のこと

ハンガリーに連れ出したハイラックスは、ただのハイラックスではなかった。トップギア マガジンが長期テスト車として走らせていたもので、トヨタが(おそらく愚かにも)我々がそれを本格的なオーバーランダー(長距離のオフロード旅仕様)に改造することに同意してしまった代物なのだ。その結果、ゴツゴツのブロックタイヤ、オフロード用ショックアブソーバー、ウインチ、ルーフテントなどが装備されることになった。もちろん、それから13年の間に、こうしたオーバーランド仕様のカスタム人気はうなぎのりだ。我々のことを先駆者(トレイルブレイザー)と呼んでくれたまえ。
UAEの砂漠を爆走した時のこと

アークティックトラックスのチームがハイラックスで極寒の地を制覇したあと、今度は灼熱の地でも優れた性能を発揮するように改造しているという噂を耳にしたのも、同じく2012年のことだった。その直後、我々はアークティックトラックスの砂漠仕様「エクストリーム」ハイラックスに乗り込み、ランドクルーザーやFJクルーザーと一緒に、UAE(アラブ首長国連邦)の特に人里離れた片隅を突っ走っていた。想像がつくと思うが、ハイラックスはすっかり水を得た魚のようだった。スタックさせない方法さえ一度理解してしまえば、の話だが。ゴホン。
ジェームズが文字通り噴火中の火山に車で登った時のこと

2010年初頭、発音できない名前のアイスランドの火山が、一時的にヨーロッパ上空を19世紀に引き戻してしまう前(エイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火のこと)、その噴火がまだ初期段階にあった頃、トップギアTVはジェームズ メイを、例のバルーンタイヤを履いたハイラックスと共に派遣し、どこまで火口に近づけるかを試すことにした。なぜかって? えーっと…科学のためだ。そう、そういうことにしておこう。それはともかく、ハイラックスに不可能なことは何もないということを、またしても証明してみせたのは間違いない。
北極点までドライブした時のこと

もちろん、火山に登ったハイラックスはアイスランドよりもずっと北の地をすでに走破していた。というのも、それはジェレミー(ジェレミー クラークソン)とジェームズが「普通の車」で北磁極に到達した史上初の人物として歴史に名を刻むのを手助けした車列の一部だったからだ。「普通の」というのは、「38インチ(約97cm)のスノータイヤ、ウインチ、補助燃料タンクを装備した」という意味であれば、の話だが。それにしても、車だぞ! 北極点で!
ジェレミーがハイラックスをボートに改造した時のこと

ハイラックスが灼熱の砂漠も、北極のツンドラも、噴火する火山も、肩をすくめるだけで難なく乗り越えられることはすでにご覧の通りだ。では、スタッフォードシャー(イギリス中部の州)の小さな貯水池ならどうだろうか? 驚くべきことに、ルードヤード湖の穏やかな水面は、ジェザ(ジェレミーの愛称)の水陸両用車「トイボータ(Toyboata)」にとってあわや破滅の地となりかけた。調子に乗ってセーリングしたせいでひっくり返ってしまったのだ。しかし、そんな水浸しの状態ですらハイラックスの息の根を止めることはできなかった。
ぶっ壊すために全力を尽くして…失敗した時のこと

我々がハイラックスをオモチャにして遊び始めるずっと前から、トヨタはその耐久性を主張し続けていた。そこで2003年、トップギアTVはその主張が本物かどうかをテストすることにしたのだ。用意されたのは1,000ポンド(20万円)で購入したハイラックス。我々はそれを水没させ、火を放ち、キャラバン(キャンピングトレーラー)を上から落とし、解体用の鉄球をぶつけ、そしてブリストルの街中でボロボロになるまでクラッシュさせた。ああそうだ、その後で取り壊し爆破寸前の高層タワーマンションの屋上に停めたりもしたな。その結末は皆の知っての通りだ。最後には間違いなく「中古品」の見た目になり果てていたものの、ハイラックスはすべての苦難を真正面から受け止め、見事トップギアのスタジオに永久展示される名誉を勝ち取ったのである。
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