中嶋悟と土屋圭市も登場!もてぎがModuloでいっぱいになったModulo THANKS DAY 2025

モビリティリゾートもてぎで開催された、Modulo THANKS DAY 2025。中嶋悟氏、土屋圭市氏も参加し、2,000人のファンがModuloの魅力にふれるイベントとなった。

らく診
&RESORT HOUSE(アンドリゾートハウス)

2月24日にモビリティリゾートもてぎで開催された、Modulo THANKS DAY 2025に行ってきた。当日は快晴だったこともあり、来場者数は2,000人、Modulo/Modulo X オーナーズミーティング参加者は212台、514名が参加するという大盛況ぶりであった。関東、東北だけでなく中部、関西、遠くは山口県から303台の申し込みがあったが、イベント当日は全国的に積雪が多い地域があり、参加できなかった人もいたという。オーナーズミーティングで最も台数が多かったのはS660 Modulo Xで、50台。ついでフリード Modulo Xの15台、STEP WGN Modulo XとN-ONE Modulo Xの13台だ。S660に関しては、ノーマルのS660が26台、Neoclassicが2台と、S660の人気ぶりを伺わせた。

7:30からオーナーズミーティング参加者が、そして8:30からは一般来場者が続々と入ってくる。オープニングセレモニーでは、中嶋 悟監督、土屋圭市氏をはじめ、Modulo THNAKS DAY 2025を盛り上げる出演者が勢ぞろいした。

第1パドック内の特設ステージでは、ピエール北川氏とまるも亜希子氏がファシリテーターを務め、いくつものトークショーが開催された。Moduloトークショーではモデューロ開発アドバイザーの土屋圭市氏、レーシングドライバー/ホンダ純正アクセサリーアンバサダーの大津弘樹選手、福田正剛氏が登壇し、ホンダアクセスとモデューロ、そしてそれらを通じて進化してきた様々な話を披露した。特に、実効空力や、剛性最適化されたアルミホイールに焦点が当てられていた。

実効空力とは、モデューロが独自に開発した技術で、日常生活で体感できる空力性能のことだ。従来のレーシングカーのような高速域だけでなく、30-50km/h程度の速度域でも効果を発揮し、乗り心地を変化させることが可能だという。開発の背景としては、レーシングドライバーの間では、空力は高速走行時のダウンフォースを得るためのものという認識が一般的だった。しかし、モデューロは一般ユーザーの街乗りでの快適性向上を目的に、実行空力の開発に取り組んだ。効果としては、路面の凹凸による車体の揺れを抑制し、乗り心地を向上させ、とくに、家族がいるユーザーにとって、車酔いを軽減する効果が期待できる。大津弘樹選手が、実効空力について「最初は疑ってました」と発言。レーシングドライバーでさえ疑うほどの技術が、一般道でも効果を発揮することへの驚きが、ファンの関心を集めた。

シビックのテールゲートスポイラーについては、シビック タイプ Rとノーマルのシビックでは空力特性が異なるため、それぞれ専用のテールゲートスポイラーが開発された。タイプRのスポイラーを流用するのではなく、5ドアのシビックに合わせて新たに設計されている。シビック用テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)には、シェブロン形状の実効空力デバイスが搭載されている。また、N-BOXにシビックTYPE R用のテールゲートスポイラーやシビック用テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)を装着し、デバイスの有無による乗り味の変化を体感できる試乗会が開催された。

もともと、1994年にホンダ純正部品のアルミホイールブランドとして誕生したのがModuloだった。VIGORのマイチェンからModuloのアルミホイールが装着された。そして、2015年にはS660用のMR-R01が生まれた。モデューロのアルミホイールは、単に硬いだけでなく、「しなり」を重視した独特な設計思想を持っている。リム部とスポーク部の剛性バランスを最適化することで、タイヤの性能を最大限に引き出すことを目指している。従来のホイールは、ボディ剛性を高めるために硬く作られることが一般的であった。しかし、モデューロはホイールが適度にしなることで、コーナーでの車の挙動がスムーズになり、ドライビングパフォーマンスが向上するという考えに基づき開発を進めた。コーナー進入時の車体のねじれを緩和し、スムーズな回頭性を実現している。タイヤの性能を最大限に引き出し、様々な路面状況に対応できる安定感をもたらしてくれる。ホイールの縦剛性と横剛性のバランスを最適化することで、操舵フィーリングを向上させる。2024年に発売されたヴェゼル用のMS-050は3年の開発期間を経てリリースされた最新作のアルミホイールだ。標準仕様のアルミホイールとの乗り比べ試乗会も開催され、その効果を体感することができた。SUPER GTなどのレースでも、各チームがそれぞれの車両に最適なホイールを選択しており、ホイールの剛性や特性が、車のパフォーマンスに大きく影響するため、シーズン中でも調整が行われる。Moduloが提供するホイールが理想的なバランスであると評価されたこともあった。

モデューロの開発者は、「まず、徹底的に乗り倒す」ことを重視している。社長や役員、デザイナーなど、様々な立場の人が試乗することで、顧客が求める「似合う」部分を理解し、それを製品に反映させることを目指している。開発チーム全体で目指すイメージを共有し、顧客と同じ目線で製品を評価することが重要視されている。顧客からのフィードバックを大切にし、開発に活かす姿勢を持っている。モデューロは、単なるパーツサプライヤーではなく、ユーザーの感性に響く、革新的な製品を提供することを目指していることがわかった。

土屋氏は、FD2の開発時に、サーキット専用ではなく普段乗りしやすい車を目指した結果、研究所から怒られたというエピソードや、NSX タイプ Rを購入したものの、乗り心地が硬すぎて普段使いには不向きだったため、自分で乗り心地の良い足回りを開発したという話を披露。この経験がFD2の開発に活かされたという流れも、Moduloファンの共感を呼んだ。また、他社では数十万円もするものが、モデューロでは破格の値段で提供されていることへの驚きも語られた。

午後からは、ホンダ コレクションホールで、ピエール北川氏がファシリテーターを務め、中嶋 悟監督スペシャルトークショーが開催された。現役時代、共に戦ったマーチ ホンダ 86J(1986)やティレル ホンダ 020(1991)も展示されている前で貴重な話しに、ファンも熱心に聞き入っていた。
―中嶋監督がレースを始めたきっかけは?
高校1年の終わり頃にカートレースを始めましたが、本格的にフォーミュラカーのレースを始めたのは20歳からです。意外にもレースキャリアは短いと言ってもいいかもしれません。最初はツーリングカーレースで、マツダのサバンナRX-3で参戦していました。プライベーターとして参戦し、マツダのワークスチームを破ったことが、注目を集めるきっかけとなりました。
―当時の練習環境はどのようなものでしたか?
現在のようにシミュレーターはなく、実際にサーキットで練習する必要がありました。しかし、月に1回行けるかどうかで、ガソリンやタイヤの消耗を考慮して、1回の練習時間は1時間程度だったんです。短い時間で効率よく練習する必要がありました。
―F1に参戦した時の状況は?
日本人初のF1フルシーズン参戦を果たしました。エプソンとは40年以上の付き合いがあり、86年のF2のカラーリングもエプソンでした。
―1986年のF2最終戦での思い出は?
優勝して終わりたかったのですが、ギアの組み間違いなどがあり、問題を抱えながらのレースでした。当時はテリーブーゼンやステファインハンソンなど、海外からの強力なライバルもいました。
―さきほど、イベントでNSXを運転した感想は?
久しぶりにNSXを運転し、コースが短く感じたものの、運転は問題なくできました。運転したのは最初の頃のNSXで、アイルトン セナも鈴鹿で走ったマニュアルのNSXでした。―中嶋監督はどのような練習方法でしたか?
トレーニングや練習は効率よく行うタイプで、無駄なことはしない主義でした。東海大学の田中先生というトレーナーから、サボり方がうまいと褒められましたよ。その日の自分の調子に合わせて練習内容を調整し、無理に100%やろうとしない。例えば、ゴルフの練習では100球以上は打たないなど、自分でアレンジしてサボることを意識していました。
―なぜ効率的な練習を重視するのですか?
レースを始めた頃は練習時間が限られていたため、短い時間で成果を出す必要があったからです。また、元々サボり癖があるため、できるだけやりたくないという気持ちもありました。
―F1を辞める決断をした時の状況は?
シーズン前から辞めることをほぼ決めていました。エンジンに自分の名前が入った特別なエンジン(SAナンバー)が用意されていたものの、チームの状況などから、7月には辞めることを発表しました。やめると発表してから、逆にファンからの応援が増えたことに戸惑いを感じていました。最後のレースでは、それまでのシーズンで一番調子が良かったマシンを選んだのですが、サスペンションが壊れてしまいました。
―若手ドライバーに期待することは?
若手には良いところを見せてほしい。特に角田裕毅選手には期待しており、もっと良いマシンに乗れば活躍できるはずです。
―中嶋レーシングのスーパーフォーミュラのチーム状況は?
佐藤蓮選手や新加入のイゴール フラガ選手に期待を寄せています。イゴール選手はルーキーテストで好タイムを出し、Eスポーツの世界チャンピオンでもあります。彼、国籍はブラジルですが、出身は石川県って必ず書いてあるんですよ。「Eスポーツはぶつかっても壊れないだろ」なんて、冗談を言っていますけれど。

他にも、下記のようなプログラムが行われた。
*Modulo Nakajima Racingのファンとチームメンバーが交流できるカート大会
*Modulo開発アドバイザー土屋圭市同乗試乗
土屋圭市氏によるSports Modulo CIVIC TYPE R(FD2)のデモンストレーション走行に同乗が可能。
*CIVIC テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)比較試乗
実効空力性能を追求したテールゲートスポイラー(ウイングタイプ)とマイナーモデルチェンジ前のテールゲートスポイラーを装着したCIVIC e:HEVで比較試乗。
*N-BOX実効空力実験車試乗
CIVIC TYPE R用のテールゲートスポイラー、CIVIC用テールゲートスポイラー(ウイングタイプ)に搭載されているシェブロン形状の実効空力デバイス。デバイスの有無で変化する乗り味をN-BOXで体感試乗。試乗を終えた人からは「全然違うんですよ」という感想が聞こえた。
*VEZEL用 MS-050アルミホイール比較試乗
リム部とスポーク部の剛性バランスを最適化し、“しならせる”ことで、タイヤの性能を使い切るという独特な開発思想があります。標準装着のアルミホイールとの比較試乗。
*Modulo Nakajima Racingピット訪問(子ども向けコンテンツ)
SUPER GTのピットを再現。チームメカニックがピット内でのお仕事やマシンについて解説する。
*Modulo THANKS DAY 2025出演者ドライブの同乗試乗
土屋圭市氏、大津弘樹選手、伊沢拓也選手、大草りき選手がドライブするHondaスポーツモデルの同乗で西コースを2周するスペシャルな同乗体験試乗。サプライズで、中嶋監督が運転するNSX(NA1)に同乗できることになり、当選者は喜んでいた。
*ワイルドレーサー(子ども向けコンテンツ)
モビリティリゾートもてぎのアトラクション「ワイルドレーサー」を活用するコンテンツ。
Honda純正アクセサリーアンバサダーの大津弘樹選手とゴーカートでバトルを繰り広げた。
*Honda Sports同乗試乗会
Hondaの新旧スポーツモデルに同乗試乗。NSX(NA2)、S2000(AP1)、CIVIC TYPE R(FL5)のいずれかでもてぎのストレートを体感できる同乗試乗会。
Honda往年のVTECエンジンを体感。NSX(NA2)、S2000(AP1)、Sports Modulo CIVIC TYPE R(FD2)のエンジンサウンドをもてぎのコースで体験できる同乗試乗会。

Modulo/Modulo Xシリーズ実車展示・技術展示、SUPER GTマシンデモラン、Moduloクイズラリー、NSX-GTコックピット乗車体験もあり、内容は充実していた。Modulo/Modulo Xシリーズオーナーズミーティングでは、オーナー同士やホンダアクセス関係者と交流を楽しんでいた。

閉会式では、ホンダアクセス社長の酒井富志也氏による挨拶が行われた。「寒い中、山口県など遠方からも来場者が集まり、感謝申し上げます。30周年という記念のイベントであり、来場者がモデューロ製品と車両を愛していることを実感できました。これまでの商品開発に協力してくれた開発アンバサダーの土屋圭市氏、そして応援に駆け付けた中嶋悟監督と中嶋レーシングのメンバーにも感謝しております。ホンダ アクセスの開発者を愛情込めて「開発バカ」と呼びたいと思います。彼らの情熱によって優れた製品が生まれてきました。開発陣が情熱を注いで作った実効空力といった開発品を、会社の中では「発明品」と呼んでいます。今後も「開発バカ」がいる限り、新しい「発明品」を生み出し続けたいので、今後のホンダアクセスへの期待してください」

閉会式では、2月23日に72歳の誕生日を迎えた中嶋監督に、バースデーケーキが贈られ、嬉しそうに微笑んでいた。イベントのフィナーレは、オーナーズミーティング参加者が愛車でもてぎのフルコースのパレードランで締めくくられた。中嶋悟氏、土屋圭市氏をはじめ、ホンダ アクセスのスタッフに見送られながら家路についたみなさんの表情からは、名残惜しそうな感情が見て取れた。このイベントを通して、ますますModuloへの愛着が強くなったという人が多いのではないだろうか。
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