メルセデス・ベンツの新型GLCはディーゼルの1モデル 透けるボンネットをはじめ、オフロードで使えそうな一台

オフロードモードを駆使すれば、その洗練されたルックスに反して冒険心あふれるGLCに

メルセデス・ベンツは、プレミアムミドルサイズSUVの新型GLCを発表した。初めてのフルモデルチェンジで、2016年に初代GLCを発表した場所であるメルセデス・ミー東京で、メルセデス・ベンツ日本の代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏による発表が行われた。新型GLCに乗って現れた上野氏。マスク解禁となり、外は桜が咲きはじめて気持ちの良い季節を迎えたこともあり、晴れやかな笑顔が印象的だった。

同社は現在、12種類のSUVをラインナップしており、日本におけるメルセデス・ベンツ全体の販売の約4割を占めている。2016年2月に発表されたGLCは、発売からずっと日本自動車輸入組合のモデル別販売台数のトップ20に入り続けており、大変人気のあるモデル。新型GLCは、Cクラスと共通の最新プラットフォームによる安全性と快適な乗り心地、乗り降りしやすい車高、取り回しのしやすいボディサイズなどが特徴のベストセラーSUVモデルである。新型GLCは、先代モデルの良いところを残しつつ、進化したモデルであり、全長を50mm伸ばしたことによる伸びやかなプロポーションやスポーティなエクセリア、高品質なインテリアを備えたSUVとして、生まれ変わることになった。さらに、最新の安全運転システムやMBUXが搭載されているほか、オフロード性能も向上しているという。

ラインナップは、GLC 220d 4MATICの1モデルのみで、価格は8,200,000円。2.0L、直4のディーゼルターボエンジンで、ステアリングは右のみの設定だ。このディーゼルターボエンジンと48V電気システムのマイルドハイブリッドであるISG(Integrated Starter Generator)が初めて採用され、先代モデルのエンジンを改良し、出力とトルクを向上させている。最大噴射圧を2,500barから2,700barに高められ、最大トルクが10%アップ。ISGを組み合わせたことで、電動モーターが低速域のドライバビリティを向上させ、23psおよびトルク205Nmのアシストが可能になった。このような様々な改良により、燃費は約19%向上し、18.1km/Lを達成している。

ボディサイズは全体モデルとほぼ同じでありながら、小回りが効く扱いやすさに優れており、日常の使用でもストレスを感じないサイズ感となっている。具体的には、先代モデルと比較して、全長を50mm拡大し室内スペースを確保しつつ、全幅は1,890mmと使い勝手の良いサイズになっている。

オプションのリアステアリングを選択することで、最小回転半径が5.1mとなり、四輪駆動のミドルサイズSUVと思えない小回り性能を発揮する。また、ラゲッジルームも先代モデルと比較して70リットル増え、620リットルとなった。リアシートを倒さずにゴルフバッグを最大3セット積載することができる。リアシートは40:20:40の分割加工式で、リアシートを倒すことで最大1,680リットルの広大なラゲージスペースを確保できる。

エクステリアデザインのハイライトのひとつは、優れたエアロダイナミクスを実現し、燃費に貢献するCd値0.29だ。また、フロントグリルは洗練され、ヘッドライトはスリムになり、最新デザインのフロントバンパーは、より個性的でスタイリッシュになり、より洗練されたプレミアムな雰囲気を持っている。さらに、オプションのAMGラインでは、アグレッシブなバンパーデザインと型押しされたダイヤモンドグリルが、よりスポーティで力強い印象を与えている。

リアデザインは、リアバンパーとフェンダーを水平に強調することで、力強くワイドなスタンスを表現。また、2ピースタイプのリアコンビネーションランプが奥行きと幅を演出し、スポーティでスタイリッシュなデザインを際立たせている。

また、高機能なインテリアデザインを備えていることも、新型GLCを手に入れたい動機付となりそうだ。12.3インチのコックピットディスプレイと11.9インチの縦型メディアディスプレイは、先進的で機能的な印象。また、64色のアンビエントライトが標準装備され、雰囲気を様々に演出することができる。

インテリアトリムは、大型のウッドを採用し、3種類の素材を用意。標準装備でもウッドインテリアトリム、レザーエクスクルーシブパッケージを選ぶと、ブラックのウッドにアルミラインを取り入れ、クールな雰囲気に仕上がる。ブラックの光沢仕上げのハイグロスアッシュウッドインテリアトリムや、暗いグレーでシックな印象のアンスラサイトライムウッドインテリアトリムなど、好みに合わせたインテリアトリムを選ぶことができる。

もちろん、今回の新型GLCにも、会話形式で車両設定ができるMBUXが採用。こちらは第二世代となり、複数のメニューを大型ディスプレイにまとめて表示でき、直感的な操作が可能になり、利便性と機能性が大幅に向上している。MBUXは常にドライバーの行動を学習し、目的エリアの天気予報を表示するほか、家族に定期的に電話する人には、その時間になるとMBUXが提案するなど、ドライバーに必要な情報を提供してくれるという。また、ヘッドアップディスプレイや実際の目の前の景色をナビゲーション画面に表示することで、直感的にどの道に進むべきか判断が可能になる。さらに、オプションで提供されるMBUX ARナビゲーションでは、本格オフロード走行時にドライバーに必要な情報を提供し、勾配、傾斜、高度、高位など走行に役立つ情報を画面で表示することで、車両の状況を早く、軽く、判断しやすくなる。

まあ、これまで見てきたように、インテリジェントな新型GLCなのだが、実車を見てみて改めて感じさせられたのは、オフロードでの使い勝手の良さだ。例えば、オフロードでの安定性を高めるオフロードモードを搭載している。このモードは、エンジン回転数とブレーキを自動的に制御し、急勾配や荷台の高さにも対応し、険しい地形でのドライビングをサポートする。また、フロントカメラとサイドカメラの映像を合成し、トランスペアレントボンネット機能によってボンネットの下の路面イメージを透かして可視化することができるため、大きな石や障害物、深いくぼみなどを見逃すことがなく、オフロードの走行の安定性が高まる。

GLCは45対55のトルク配分による4MATICシステムを採用し、様々な変更や路面状況下で最適なトラクションを発揮する。オプションでAIRMATICサスペンションを選択することで、高速走行時およびダイナミックセレクトでスポーツモードを選ぶことができ、車高が約15ミリメートル下がり、ハンドリングや空力特性が向上する。オフロードモードを選択すると、車高が約15ミリメートル上がり、悪路での走行策が高まる。新型GLCは、冒険心のある人にもおすすめの一台となるだろう。




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