キャデラック、ル・マン24時間レースに復帰 「キャデラックVシリーズ.R」3台が参戦



キャデラックは、6月に開催されるル マン24時間レースに、新たに「キャデラックVシリーズ.R」と名付けられた3台の新型レーシングカーで復帰し、ハイパーカークラスの総合優勝を目指す。

キャデラックのグローバル バイスプレジデントであるローリー ハーヴェイは、「キャデラック レーシングがチーム一丸となって、ル マン24時間レースに復帰できることをとても喜んでいます。キャデラック レーシングは、過去20年にわたり、サーキットでの勝利という伝説を築き上げてきました。そして、レーシングの電動化というこのエキサイティングな新時代にル マンに復帰することができ、非常に光栄に思っています」と述べている。

3台の「キャデラックVシリーズ.R」は、1月28-29日の「第61回ロレックス デイトナ24時間」でデビューし、「Vシリーズ.R/01号車」は、見事表彰台を獲得した。「Vシリーズ.R/02号車」は4位、ウェーレン エンジニアリングの「Vシリーズ.R/31号車」は5位に入賞している。この3台は、ル マン24時間レースではカーナンバーを変更して、ハイパーカークラスに参戦、競合たちと総合優勝を目指して戦う。

●「Vシリーズ.R/2号車」は、FIA世界耐久選手権にフルシーズン参戦していることから、自動エントリーとなった。ドライバーは、アール バンバー、アレックス リン、リチャード ウエストブルック。

●「Vシリーズ.R/3号車」は、01号車としてIMSAウェザーテック スポーツカー選手権にフル参戦する。ドライバーは、セバスチャン ブルデー、レンジャー ファン デル ザンデ、スコット ディクソンが務める。

●ウェーレン エンジニアリングの「Vシリーズ.R/311号車」は、31号車としてIMSAウェザーテック スポーツカー選手権にシーズンを通して参戦する予定だ。ドライバーはピポ デラーニ、アレクサンダー シムズ、ジャック エイトケンの3名だ。

GMスポーツカー プログラム マネージャーのローラ ウォントロップ クラウザーは、「キャデラックが世界で最も過酷なレースのひとつであるこのレースで、国際的に最も優れた選手たちと競い合い、そのレーシング レガシーを築くことに、大きな喜びを感じています。私たちは米国を代表していること、そして『キャデラックVシリーズ.R』が私たちのレースの伝統を受け継ぐ素晴らしいマシンであることを誇りに思います」と述べている。

2020年、IMSAとWECの耐久レースのトップカテゴリーを収束させるための指針が発表された。これを受けて新型レーシングカーの設計 開発はすぐに開始された。

キャデラック デザインとキャデラック レーシング、シャシー コンストラクターのダラーラ社が共同開発した「Vシリーズ.R」のデザインは、2022年6月に発表した「プロジェクトGTPハイパーカー」からヒントを得ている。このレースカーには、縦型ライトやフローティングブレードなど、キャデラックの特徴的なデザイン要素が盛り込まれている。

「Vシリーズ.R」は、ミシガン州ポンティアックを拠点とするGMのパフォーマンス&レーシング推進チームが開発した新型キャデラック5.5L DOHC V型8気筒エンジンを搭載しているのが特徴だ。また、ボッシュ、ウィリアムズ アドバンスド エンジニアリング(現WAE)、エクストラックが開発したエネルギーリカバリーシステムを採用している。

ル マン24時間レースで2度の総合優勝経験を持つドライバー、アール バンバーは、「キャデラックがル マンに復帰し、総合優勝に挑戦することを私たちは楽しみにしている。米国の自動車メーカーが偉業を達成するのは数十年ぶりのことであり、目標達成に向けて強力に後押ししていきます」と語っている。

「Vシリーズ.R」は、2022年7月にサーキット走行での開発を開始し、2023年のロレックス デイトナ24時間に向け、米国内のレーストラックで12,400マイル(20,000km)以上を走破している。

バンバーは、「このプロジェクトに最初から参加できたことは、特別な経験だった。2年ほど前のシミュレーターを使ったテストから、この旅が始まった。素晴らしい旅で、冒険はまだ始まったばかりだ。ル マンまでの道のりは、きっと最高なものになるでしょう」と述べた。

ル マンにおけるキャデラックの活躍とは、どのようなものだったのだろうか。1950年、キャデラックは、ブリッグス カニンガムとマイルズ&サム コリアーがプライベーターとしてル マンに初めて参戦した。このときの「シリーズ61クーペ」は、いずれもキャデラックの5.4リッターOHV V型8気筒エンジンを搭載していた。

マイルズとサム コリアーは、「プチ パタオ/3号車」を駆り、総合10位でフィニッシュした。ブリッグス カニンガムは「ル モンストル/2号車」をフィル ウォルターズと組み、序盤にコースアウトするアクシデントがあったものの、総合11位となった。

同年、シドニー アラード、トム コールJr.は、キャデラックエンジン搭載の「アラードJ2」で総合3位を獲得している。

最近では、2000年、2001年、2002年のル マン24時間レースに、キャデラックの4.0L V8ターボエンジン搭載の「ノーススターLMP」で参戦している。

2000年は、フランク ラゴルス、ブッチ ライツィンガー、アンディ ウォレスのチーム キャデラックの「キャデラック ノーススターLMP/1号車」が総合21位、ウェイン テイラー、マックス アンジェレッリ、エリック ヴァン デ ポールが姉妹車の2号車を駆り、22位でフィニッシュしている。

2001年には、テイラー、アンジェレッリ、クリストフ タンソーの「キャデラック ノーススターLMP01」が、LMP900で15位に入った。エリック ベルナール、エマニュエル コラール、マルク ホーセンスのチームによる2台目の「LMP01」は、メカニカルトラブルでリタイアしている。

2002年は、「キャデラックLMP02」が2台参戦。アンジェレッリ、ティンソー、テイラーのチームは総合9位入賞となった。ベルナール、コラール、J.J.レートによるもう1台のキャデラック「LMP02」は共同ドライブで、12位でフィニッシュした。






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