2018年よりリシャール·ミル ファミリーとして活躍を続けてきた、ゴルフの青木瀬令奈プロが、リシャールミルジャパンと所属契約をすることとなり、発表会が行われた。
冒頭、リシャールミルジャパンの川﨑圭太代表取締役社長が、グループの総評と今後の展望について述べた。「我々と各プラットフォームが考えるべきことは、中古相場の観光客が増えたことにより、新しいモデルの重要性が高まったことです。今後は、数を作りすぎて価値を下げないように注意しなければなりません。リシャール・ミルは、10年間にわたって徐々に成長する方針を打ち出しております。ただし、中古相場を煽りすぎず、価値を守るために努力しなければなりません。競合他社も進化しており、時計の価値が下がらないようにするためには、私たちはスペシャルな物、スペシャルな販売方法、そしてスペシャルな価格で提供する必要があります。スペシャルは今年のテーマとして、そしてこれから先もずっとテーマとして、私たちが注力するキーワードです。私たちは常に、お客様の満足を最優先に考え、ホスピタリティにも力を入れています」
リシャール・ミルは、顧客の需要に応えるために、今後10年間にわたり生産を徐々に増やす戦略を維持する予定だと、川﨑社長は述べた。彼は、製品の価値が下がる可能性がある過剰な生産を避けることによって、ブランドの価値を維持することの重要性を強調した。「市場を飽和させるような過剰な時計の生産をするつもりはありません。それは結果的にブランドの価値を損なうことにつながる可能性があるからです。私たちは、お客様が満足し、私たちの時計を購入する際に何か特別なものを感じてもらいたいですね」
青木瀬玲奈プロは次のように語った。「この度、女子プロゴルファーの青木瀬玲奈として、リシャールミルジャパン様と所属契約をさせていただきました。昨年度まではファミリーとして契約させていただいたんですけれども、今年はさらに気持ちを新たにしています。こうして応援していただけることが本当に嬉しく、そしてまたさらに頑張らなければという気持ちでオフを過ごさせていただいております。今年、開幕戦でリシャール・ミル所属と読み上げられる瞬間を今か今かと待ち望んでいるんですけれども、それを迎えるにあたって準備万端で開幕戦を迎えられるように、強い気持ちで過ごしております。そして、昨年度もジュニア大会でなどの活動を通してチャリティーなど、ジュニア育成にも力を入れ始めておりまして、そういった活動を通して、また今年も社会貢献活動がいろいろとできるように、また頑張っていきたいなと思っております」
青木瀬令奈選手は、RM 07-01オートマティック レディス(13,970,000円/税別)の赤い時計を腕に会場に現れた。こちらは、前につけていたものの色違いのモデルとなり、装着感が変わらないのも良いポイントだったという。「私は偶然のことに今年のラッキーカラーが赤だったので、本当に心強くすごく楽しみです」また、周囲からの反響も大きかったという。「周囲がすごいと言ってくれたことは本当にありがたく、企業に所属する責任感も感じました。同時に、競技者としての責任も感じ、活躍しなければならないという気持ちにもなりました。周りの方々にそう思っていただけたことに、本当に感謝しています」
青木瀬令奈選手の他にも日本のソーシャルファミリーは宮里優作選手、レーシングドライバーの中野信治選手、プロスノーボーダーの竹内智香選手、プロゴルファーの成田美寿々選手、レーシングドライバーの松下信治選手と合計6名が名を連ねる。競技者たちの中で競い合い、切磋琢磨することがあるという。
川﨑氏は、次のようなエピソードを披露してくれた。「確かに競技者たちは切磋琢磨することがあります。でも、一番の大きな出来事は、竹内智香選手のことでした。竹内智香選手が引退を考えたことがあり、その時に彼らと一緒にハワイで合宿している時に、他のファミリーのメンバーから煽られて再度オリンピック出場を目指すことになったんですよ。そして、38歳でオリンピックに再出場して、出場最多の記録を作ったんです。うちのファミリー6人が、切磋琢磨して、どんどん次なる高みを目指していってほしいと思っています」
青木瀬令奈選手は、時計をつけてゴルフをすることについて問われると、次のように答えた。「私自身、もともと時計をつけてゴルフをしていました。私の場合は、風を時間で判断するために、朝起きたらYahoo天気を見て、何時から風向きが北西から南西に変わるかなど、それをコースメモに全てメモしています。自分のスタート時間の前2時間くらいから、自分がホールアウトするちょっと過ぎるくらいまで、天気が悪くなってサスペンディットになることも考えて、6時くらいまで全部書き出して、それを見ながらプレーしていました。したがって、時計をつけてプレーすることについては、ずっとやってきたことで、日常的にゴルフに必要不可欠なものだと思います。また、ゴルフは時間に厳しいスポーツであり、1分でも遅れたら失格になってしまうため、時計をつける習慣は私にとって重要です。リシャール・ミルの時計をつけたときの感想は、「軽い」ということでした。高級な時計は一般的に重いというイメージがあるため、ゴルフではあまり見かけないと思いますが、リシャール・ミルの時計はパフォーマンス含めて全く影響がありません。また、壊れないということも、多くの方から聞いていたので、私は安心してインパクトを与えることができました」
川崎氏は「なぜ、リシャール・ミルの時計はゴルフでもテニスでも壊れないのか?答えは非常にシンプルですよね。しっかり時計を作っているからだけなんです」と答えている。新素材や特殊加工などは、他社もやっています。しっかりと作れば時計は強いってことを、今さらのように証明してくれました。ネジの締め方、作業時間のかけ方一つとってもリシャール・ミルならではの技術があるんです」
続いてリシャールミルジャパン基金2022年の収支結果につい報告された。リシャールミルジャパン基金は昨年、国内11団体、国外6団体に寄付を実施し、合計寄付金額は2,907,896,369円となった。チャリティーオークションやイベント等によるチャリティーボックスへの収益金額が寄付金額を上回ったため、57,852,887円は2023年のチャリティー活動となる。
また、2022年度は新たに4つの団体に寄付を行った。1つ目は日本ジュニアゴルフ協会で、小学生から高校生までのジュニアゴルファーのためのトーナメントを全国の80会場で開催している。このたび、ファミリーの青木瀬玲奈プロ、成田美寿々プロの協力を得て、中学生と高校生のジュニアゴルファーのトーナメントを開催した。2つ目は大阪中之島美術館、大阪ディレクトリー。大阪ディレクトリーは、将来活躍が期待される関西ゆかりの若手アーティストの発掘と活躍の場の創造を目的とする古典形式の展覧会で、関西のアートシーンを盛り上げることを目標としている。3つ目はチャンスフォーチルドレンで、経済的な困難を抱える子どもたちに、学習塾や習い事、体験活動等で利用できるクーポンを提供し、教育格差のない社会を目指す団体だ。そして4つ目がJLPGAプレイヤーズ委員会で、ゴルフを通じた社会貢献活動を行っている。選手が提供したグッズのチャリティーオークションやチャリティーレッスン会などを開催し、収益を寄付している。
2022年に実施されたチャリティーオークションは2本の時計となった。1本目は、2021年12月に発表されたRM 35-03オートマティック ラファエル・ナダルプロトタイプ。このモデルには、テニス選手のラファエル ナダル選手のサインプリントが入っていた。オークションは6月20日から7月31日にかけて行われ、最終的な落札金額は100,899,999円となった。2本目は、リシャール・ミルファミリーに加わったジャマイカ人スプリンターのヨハン ブレイク選手が、2016年から2022年に出場した様々な世界大会で実際に着用したRM 59-02トゥールビヨン ヨハン・ブレイク プロトタイプ。このモデルは非売品で、オークションは10月1日から11月16日にかけて行われた。最終的な落札金額は210,000,000円となった。
「リシャールミルジャパン基金チャレンジプロジェクト2022」の結果が発表された。これは、リシャールミルジャパン基金が2020年から行っているチャリティー企画で、リシャールミルファミリーの宮里優作選手、青木瀬玲奈選手、成田美寿々選手、中野信治選手、竹内智香選手、松下信治選手の6名の活動成績に応じて寄付金額を増額するものである。昨年のファミリーの活躍により、合計金額1,607万円がNPO法人、むすびえへ寄付された。今年も同様のプロジェクトが継続され、各選手の活躍に応じて寄付金額が増加する。宮里選手、青木選手、成田選手の3名は国内外レギュラーツアー1バーディーごとに1万円が寄付される。竹内選手は公式戦1位から8位入賞ごとに30万円が、中野選手は公式戦1位から3位入賞ごとに50万円が、松下選手は公式戦1位から3位入賞ごとに30万円が寄付される。今年もファミリーの活躍に期待が高まる。
2023年のチャリティー活動の予定は、昨年から継続してサポートする団体がほとんどで、国内外合わせて約15団体だ。寄付金額は1億5,324万5,000円を予定している。繰越金額57,852,887円もこちらに含まれる。また、リシャール・ミルファミリーが新たに実施するチャリティーイベントも計画しており、こちらもサポートしていく予定だ。今年もチャリティーオークションやチャリティーボックスの収益により、より多くの団体に寄付していく。
川﨑社長、青木瀬令奈選手に加え、プロゴルファーの成田美寿々選手、レーシングドライバーの松下信治選手も参加して、トークショーが行われた。イベントやチャリティ活動を通じて、ファミリーで顔を合わせる機会も多く、そのたびに互いに刺激を受け、切磋琢磨し合っていると語られた。
松下選手は、次のように語った。「チャレンジプロジェクトの寄付金額を話題にすることがあります。この話題は競い合いというわけではありませんが、今年自分が貢献した基金額が何万円だったかを話し合うことで、モチベーションも高まるのです。アスリートの素晴らしいところは、1人ではなく全員を感動させることができることだと考えています。アスリートとしての成功は自分自身にとっても、災害や苦しんでいる子供たちにとっても還元されると信じています。自身も海外でのレースが多く、海外では日本よりも意識が高いと感じることがありますが、日本でも意識を高めていきたいです」
現在休養中の成田選手は、ツアーを転々としていて、さまざまな県に行っていたが、どうしても行く場所が偏りがちだった、と語った。SNSなどで、自分の県にも来てほしい、という要望が寄せられ、今年はジュニアを対象としたレッスン会を構想中だと言う。
松下選手は、今年の目標を、連続優勝だと述べた。究極は、シリーズチャンピオンになることだが、同時に、連続優勝を目指すということだ。青木選手は、優勝を目指し、まずは一戦一戦を大切に戦っていきたい語った。また、去年実現できなかった複数回の優勝を達成することも、今年の大きな目標だ。
リシャール・ミルの時計というと、どうしてもその高額な価格に目が行きがちになるが、常に寄付や社会に還元する気持ちを忘れないブランドであることにも注目して行きたい。川﨑氏はスイスにミュージアムを作るという構想についても語ってくれた。リシャール・ミルは、これからも社会貢献活動をしながら、私たちに夢を見せてくれそうだ。