現在のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのヒルクライム記録保持者は、2019年に1.16マイルのレーンをわずか39.9秒でロケット上昇したオール電動車、VW ID.Rだ。
その栄冠を、ウイングもない2トンのダウンフォースを持つ、イギリスとアイルランドの新進気鋭のミニチュアバットモービルがつかもうとするのだろうか。電動レーサースピアリング(Speirling)を開発したマクマートリー オートモーティブ(McMurtry Automotive)は、その可能性を考えている。
スピアリングは、2021年のトップギア スピードウィークで発表された。日本ではトップギア・ジャパン 046号で紹介されている。当時、この車は初期のプロトタイプだった。マクマートリーはそれ以来、ツイングラウンドエフェクトファンの出力を上げ、ダウンフォースを500kgから驚異の2,000kgに引き上げるなど、大忙しだ。しかも、ダウンフォースを発生させるために高速の気流を必要としないため、歩きながらでもダウンフォースを得ることができる。
最高速度241km/hまでなら、この小さな一人乗りはF1カーよりも大きなネガティブリフトを発生させるとチームは言う。さらに長いサーキットを走るためにギアを入れたとしても、0-300km/hを9秒で走破することができる。
このキュートなハイパーシューは、2つの電気モーターを搭載し、0-97km/h加速はわずか1.5秒。元F1ドライバーでインディカーパイロットのマックス チルトンや、現在英国ヒルクライム選手権で首位のアレックス サマーズが、「おええええーー!」と言うよりも速く胃袋を空にする感覚を味わうことになる。幸運を祈るわ…。
マクマートリーの主な目標は、週末のヒルクライムで最速タイムを出すことだが、会社の公式声明では、もっと大きな名誉を予告している。「これらの数字と、F1、ル・マン、インディカーの元ドライバー、マックス チルトンとの広範なテスト走行から得た自信によって、チームはグッドウッドヒルクライムでの記録達成は手の届くところにあると確信しています」
だが、もしたとえ記録が更新されなくても、リッチモンド公爵の舞踏会の天井に張り付くほど空気を吸い込むツインファンのサウンドは、耳を傾ける価値があるはずだ。ご期待を。