アストンマーティン、メルセデスによる20%のシェア獲得で100%EV技術を取得

アストンマーティンは、メルセデスが20%まで会社の持ち株比率を上げるのと引き換えに、メルセデス・ベンツからより多くの技術を使用できるようになる。

計画では、アストンは2027年まで、現在と同様にメルセデスのエンジンとハイブリッド技術、電気システムを使用することになっている。しかし、完全な電気自動車技術も利用できるようになる。現金で株の対価が支払われるのではなく(アストンは最近はあまり現金を持っていない)、メルセデス・ベンツはアストンマーティン・ラゴンダの所有権を徐々に増やしていき、最大で20%の所有権を得ることになる。

アストンのトビアス ムアースCEOは次のように述べている。「メルセデス・ベンツAGの技術力は、将来の製品が競争力を維持するための基本となり、製品を真に差別化する分野への効率的な投資を可能にしてくれるものです」

これは言い換えれば、顧客はある電気駆動システムを別のものと見分けることはできないし、あるサイバーセキュリティ防御システムを別のものと見分けることもできない。だからアストンは、アストンをアストンにするための方法にそのお金を使う方が良いということである。

ムアースによると、2024年までに同社の車の20-30%がハイブリッド車になるという。その中にはプラグインハイブリッドのDBXや、もちろんハイブリッド化されたミッドエンジンスーパーカーのヴァンキッシュ、ヴァルハラ、それからヴァルキリーも含まれる。

2022年以降、アストンはメルセデスのフルエレクトリック技術を利用できるようになる。ムアースは、2025年頃にフルEVを発売することを意味するという。「しかし、メルセデスのプラットフォームを使う予定ではありません」

2019年3月のラゴンダ オールテレイン エレクトリックコンセプトは、これから作るであろうクルマの種類を指し示す、最初の兆候であった。しかし、これは最近の会社を救う間に遅れてしまっていたので、最終的なクルマはかなり異なっていると仮定することができる。そしてまた、今はラゴンダではなく、アストンマーティンのバッジが付けられる。

この新しい取引は、崩壊的な損失を出し、株価が暴落し、実際にV8スポーツカーを十分に販売することができなかったので信じられないほど荒れていたここ2、3年という状況の会社にとって、一息つくことができるということだ。

今年の春には倒産寸前ということまで言われ、DBXの開発費と工場建設費が無駄になるかと思われていた。しかし、DBXは現在、ラインから出てきており、受注は順調に推移している。

表面上は、新しい計画は、これまでと違った、かなり必死な動きのように見える。アストンは、技術を購入する現金の余裕がなく、株式であれば与えることができる。しかし、小さな文字で書かれた注釈では、アストンの業績がひどく悪くなると発生する可能性が最も高いのだが、株式価値が2022年までに下落した場合、アストンはメルセデスに対して補償しなければならないという条項がある。それも、現金で。

しかし、ローレンス ストロール会長は、今回の買収によってメルセデスの技術が自社に深く組み込まれることになるので、株式を保有するのは当然のことだと答えている。そして、株価が下落する可能性は極めて低いという。

自身と友人の資金がアストンマーティンという会社を救ったストロール氏だが、さらに、「我々は業界最高のCEOを任命し、需要への供給バランスを整え、[コストを削減]し、DBXの発売に成功しました。メルセデスとの長年のパートナーシップにより、彼らは私に次ぐ第2位の株主になるでしょう」と語った。

ムアースが、メルセデスのAMG部門のボスとしての前職から、転職して来たことは覚えているだろう。しかし、彼は新しい契約に先見の明を持ってこの仕事に就いたわけではないと『トップギア』に語っている。

アストンは数年前からメルセデスのエレクトロニクスを使用しており、V8 ヴァンテージ、DB11 V8、DBXはすべてAMGのV8エンジンを使用している。「我々は特注のV12を維持するつもりです」とムアースは断言した。「ハイブリッドV6の開発を続けていますが、今は代替案があるんです。ミッドエンジン車はいずれにしてもハイブリッドになるでしょう」

現在、アストンマーティンは、転換の兆しを見せており、直近四半期の赤字はカットされていて、売上高は増加している。DBXが発売されたからというだけではなく、コロナウイルスがまだ他の地域を襲っている場合でも、中国での一般的な需要が上昇しているためという側面もあった。一方、ディーラーのロットに居座っていた、たくさんあった売れ残りのV8 ヴァンテージが少なくなっているので、会社は事実上、値引きのためにディーラーを補償する必要もないのである。

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