新型BMW M4とM3は「ユーザーの期待に応えたスタイル」

「これが新型BMW M4だ」このセンテンスは、TopGear.comのサーバーを壊す、最も簡単な方法の一つだ。それくらい、破壊力のあるパワーワードが含まれている。その力は「これが新型BMW M3である」に匹敵するかもしれない。トップギアだけじゃない、クルマ系のネットが壊れた状態になることを期待しよう。

まずは、短い統計情報を。3.0リッターターボエンジン、直列6気筒、3気筒の半分ずつに1対のターボを搭載。ここに掲載されているコンペティションのバージョンでは510hpで、8速オートギアボックスが組み合わされる。0-100km/hは4秒未満。

これは、後輪駆動タイプの加速力だ。数ヶ月後には四輪駆動システムがオプションで設定される。Mの四輪駆動システムは、ボタンを押すだけで後方にかなりのトルクを送り出すことができ、さらに、2回ボタンを押せば、トルクのすべてを送ることも可能だ。念のために言っておくのだが、最近出たクルマの中じゃ、最もイカれてると思う。

Mにしかないペイントカラーの下でも、デザインはそこに息づいている。スペックとキャラクター付け担当のハーゲン フランケは、「これこそ顧客が望むものです」と言った。「この世代では、M340i/M440iとM3/M4の間には、大きな隔たりがあるのです。よくやったと言えるでしょう」

私はフランケに、M2の存在がM3とM4をさらに上に押し上げることを可能にしたに違いないのでは?と言ってみた。4WDオプションは、よりビッグダディなM5に近づけているし。しかし、否定された。M3とM4の購入者は超忠誠心が強く、自分たちが何を求めているかを知っている、と彼は言う。彼らが求めているものこそ、大まかに言えばこれだ、ということである。
一部の人がステーションワゴンを欲しがっていることを除けば、この世代なら、欲しいものが手に入るということだろう。それはX3Mやマカンに移行する人をストップさせるためのものですか?いや、と、フランケはそれも否定している。きっと今回の新型M3とM4は、彼らの夢の中に存在しているのだろう。「ツーリングは、追加バージョンとして良い選択肢だと思います」4WDも同じこと。「顧客については、よく分かっていますから。降雪地帯では全輪駆動を望む人もいます」

4シリーズが、これまでとは対照的なおっぴろげられた鼻みたいなスタイリングを披露したとき、3シリーズが惜しまれた。少なくとも当時のBMWは選択肢を提供していたから。しかし今回は違う。Mカーの場合は、どちらもまったく同じように鼻の穴が開いている。クンクン。
私たち英国人が海外と呼ぶ土地では、実際には2つのエンジンが用意されている。標準車は480hpとマニュアルギアボックスがある。しかし、それはコンペティション バージョンの緊張下では、壊れてしまうであろうギアボックスだ。そこで、彼らは510hpと650Nmの8速オートにした。イギリスで入手できるのはM3 コンペティションとM4コンペティションだけなので、マニュアルを入手する方法はない。

他のMシリーズと同様に、他にも色々な改造をしてあるので、オトクになる。まずはカーボンルーフ化されたボディ。アーチが膨らんでいるので、通常のM3と比べて75mmも幅が広くなっている。

メイングリルの両側には冷却用のダクトが設けられており、ブレーキと大型ラッドに空気を吸い込んでいる。ダウンフォース用のフリックは、エアカーテンダクトと一体化して、タイヤを通過する空気をスムーズに通過させる。ボディ下部の空気をコントロールするための延長シルが、リアディフューザーの働きを後押ししている。ちなみに全体的には、垂直方向のリフト量はゼロだ。

視界に入らないところでは、ボディには複数の補強材と剛板が装着されていて、ごく普通の3や4シリーズ(それ自体は少しも締まりがないというわけではない)よりも優れている。全体的な特性を担当しているエンジニアのカーステン ウルフによると、長距離走行時の乗り心地を向上させるために、驚くほどしなやかなスプリングを指定したことが鍵だったというが、それでもMカーのドライビングで期待される精度は持っている。
「ステアリングとフロントアクスルのグリップ力の向上を感じます。加速すると、リアアクスルがすぐについてくる。つまり、よりパフォーマンスを追求したクルマなのです。サーキットではタイムを出すことができますが、通常のストリートで低速でも、それを感じることができます - ステアリングの伝達方法ですね」とウルフは言う。
デフは制御されたリミテッドスリップだ。四輪駆動車では、センターカップリングはデフではなくクラッチパックなので、すべてのトルクをフロントに送るか、リアに送るか、あるいはその間のどこかに送るように電気系統に指示を出すことができる。
これらの装置はすべて、多段式のトラクションとスタビリティシステムで作動する。トラクションシステムだけで10段階の選択が可能だ。えっ、10段階も?そんな、いる?いや、ウルフが言うには、本当に用途があるんだそう。雨天用に制限を多くしたもの、ドライ用の中間のもの、そしてサーキット用のワイルドなものなんかだ。
それだけではない。オプションの「M ドリフトアナライザー」は、直近のドリフトの長さ、時間、角度を記録し、iDrive画面上の「グラフィックで強化された全体表示機能」によって自己ベストと比較してくれる。これは作り話ではない。唯一欠けているのは、そのグラフィックをインスタに直接投稿するためのメニュー項目くらいか。

キャビンのその他の部分は期待通りだ。素敵なスポーツシートがトーンを設定し、通常の3シリーズのレイアウトには、カラーステッチ、カーボンガーニッシュ、計器類のM特有のグラフィックが追加されている。

エンジンレスポンス、サウンド、トランスミッション、ダンピング、DSC、トラクションコントロール、ステアリング重量、ブレーキ重量(ブレーキバイワイヤー)の多段設定まである。やれやれ、サブウェイのメニューと同じくらい複雑だ。ラッキーなことに、お気に入りのコンボのショートカットボタンがあるけどね。
ヘッドアップ・ディスプレイ、レーザー・ヘッドライトなど、他の最上級BMWのドライバーアシストのフル・スイートがご用意されている。ジャジーな室内カラーもいい感じだ。

しかし、話題になるのはオプションではない。カーボンセラミックブレーキ、軽量ホイール(必要に応じてセミスリックタイヤを装着)、カーボンファイバー製のバケットシートを装備したM レーストラック パッケージだ。これで25kgの節約になる。

しかし、このようなサーキット仕様のあれこれは、ちょっとした作為的なものではないだろうか?500hpのラグジュアリーサルーンでさえも、人々は本当にサーキットで叩きのめすために、その高級サルーンを手にするのだろうか?フランケは、特にアメリカではと前置きをつけて「速度制限のせいかもしれません。そのためには、クルマを持ち込んで、その能力を爆発させることが法律で許される場所が必要です」と言った。

彼は続ける。「新車購入者だけではありません。中古車市場でも、BMWのMシリーズには性能が求められています。それがレガシーであり、8年間サーキットの武器として使用されるのクルマとしての使命なのです」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2020/09/25250/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 064

アーカイブ