320km/hの夢よ、もう一度 アストンマーティン ブルドッグ

確かに、最近のスーパーカーなら、おそらく320km/hなんて、なんてことないだろう。これが進歩というものである。しかし、英国のある会社では、特別な一台で過去の目標数値を達成したいと思っている。それが、アストンマーティン ブルドッグだ。

その英国の会社とは、クラシックモーターカーといい、アストンマーティンの1台限りのコンセプトカーを、18か月かけて完全な修復を完了させる予定だ。すべてのナットとボルトと部品を元の位置に戻すことができれば、最終的には320km/hに達する予定だという。

「現時点では、このクルマのままでは何も機能しないと想定されていますので、分解すれば、あらゆる種類の課題が見つかると確信しています」と、CMCのボスであるナイジェル ウッドワード氏は説明している。「このクルマには膨大な履歴ファイルがあり、元々この車両を製造したエンジニアと協力していますが、もっと調べなければならないことがたくさんあるという状況です」

歴史を紐解くと、1980年に打ち立てられた’プロジェクト K.901’を用いて、このクルマは、地球上で最速の自動車になるということで有名になった。ウィリアム タウンズがデザインしたウェッジシェイプのスーパーカーで、巨大なアストン製5.3リッターV8を詰め込んだミッドシップだ。アストンマーティンでは、当時、320km/hを突破するという1つの目的を念頭に置いて構築されていた。

実際、1981年に行われたMIRAの試験場では309km/hを記録し、アストンマーティンでは理論的には381km/hに達する可能性があると考えていた。だが結局、この数値は達成されず、25台と僅かな台数の生産を行う計画も、お蔵入りとなってしまったのである。したがって、この一台だけが存在している。

CMCは、オリジナルの構成に復元することを計画していると言うのだが「クルマの信頼性を向上させるためには、最新のコンポーネントと技術を入れ込む可能性がある」ということを認めた。ある程度は仕方がないことだろうが、このレトロフューチャー感がカッコいいので、成功を祈っている。

 

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