日本をはじめ輸出に注力
新型のロンドンタクシーTXが東京でお披露目された。LEVCのヨーグ ホフマン代表取締役CEOも来日し、このロンドンタクシーを日本でも走らせたいという思いを伝えていた。というのも、ホフマン氏は、以前、GMにおり、日本市場でオペルを担当していたという。今回は20年ぶりの来日とのことで、日本に深い思い入れがあるようだ。
TX VISTA Comfort Plusの価格は、1,120万円。参考までに、緑ナンバーで東京都で登録した場合、国交省や東京都の補助金が適用となり、756万円(税込)となる。このTX、ドライブトレインは「e-city」と呼ばれる新しいレンジエクステンダーシステムを搭載し、バッテリーのみの走行距離は130km、走行可能距離は600kmだ。2段階式回生ブレーキと、さまざまなドライビングモードが用意されている。アルミニウム接着構造によって、スチールボディより30%の軽量化を図り、車重は2,330kgとなった。タクシー独特の過酷な使用状況に合わせたエンジニアリングで、耐久性に特化した独自のテストサイクルをクリアしている。
このLEVCは、起源を1908年にさかのぼる。2013年に中国のジーリーが買収し、2014年には、5億ポンド(700億円)の資本が投入された。2017年に車名をLEVCと変更した。そして、2018年にTXを発表し、ロンドンのクリーンエアゾーンでも走行が可能ということで、すでに3,800台以上が生産されている。欧州ではさらに、新型の電動商用バンも発表されている。
LEVCでは、昨年90%がUKで、輸出は10%程度であったが、2022年には輸出の割合を60%までに伸ばしたいと考えている。その輸出対象国の一つとして、日本にも力を入れている予定だ。日本国内のタクシー市場は24万台。そのうち5万台が東京だが、LEVCとしては、当初目標1,000台に定めている。東京でもTXが走るのを見るのは、普通になる日がくるかもしれない。日本国内の補助金を適用しても、日本では倍くらいの価格とはなってしまっているが、環境に配慮するという意向が強ければ、日本でも成功するのではないだろうか。