ピュアスポーツからEVまで。ロータスの走りを中四国9県で体感できる新体制「EXPANDING THE LOTUS EXPERIENCE」とは

英国のピュアスポーツカーブランドであるロータスが、2026年7月23日より中四国エリアの販売・マーケティングを新体制へと移行した。なんと仙台と神戸で実績を積んだ「ジースクエア仙台」が、中国・四国地方の9県を管轄するという。ヘセル工場開設60周年の節目に、試乗会などを通じて「ロータスの世界観」を拡大していく。その独自の走りの魅力と、今回の異例とも言えるエリア展開の全貌に迫る。


自動車業界の勢力図やディーラー網の拡大というのは、時として我々の常識的な地理感覚を完全に狂わせることがある。今回、英国の誇る偏執狂的なまでにピュアなスポーツカーブランド「ロータス」から届いたニュースレターが、まさにそれだ。驚くべきことに、2026年7月23日より、中四国エリアにおけるロータスブランドの販売およびマーケティングの全権を、「ジースクエア仙台」が担当することになったというのだ。

ちょっと待ってほしい。「仙台」といえば、牛タンと伊達政宗が支配する遥か東北地方の都市である。その名前を冠した会社が、なぜ瀬戸内海を飛び越えて西日本の広大なエリアを牛耳ることになるのか? 地理のテストなら確実に0点を食らう展開だが、実はこのジースクエア仙台、すでに仙台だけでなく神戸のロータス正規ディーラーも手広く運営しているやり手なのだ。東北から関西へ進出し、そこからさらに西へ陣地を広げるという、まるで野心的な戦国武将のようなアグレッシブさである。イギリスの小さな村で作られたクルマを売るために、日本列島を股に掛けるこのバイタリティには頭が下がる。

今回の新体制の対象となるのは、鳥取、島根、岡山、広島、山口という中国地方5県に加え、徳島、香川、愛媛、高知の四国地方4県を合わせた、計9県に及ぶ広大なエリアである。

これに伴い、ロータスが掲げたテーマは「EXPANDING THE LOTUS EXPERIENCE - 中四国のLOTUSが、新たなステージへ」という、なんとも壮大で強気なものだ。今後、このエリアにおいて、試乗会やイベントの開催、そして最新情報の発信を通じて、ブランド体験を積極的に提供していくという。これまで「ロータスのショールームが遠すぎて、実車を見る前に諦めていた」という中四国のエンスージアストたちにとって、ロータスをより身近に体感できる機会が拡充され、新しいカーライフが提案されるというわけだ。

さて、ロータスというブランドを語る上で、決して避けて通れないのが、偉大なる創業者であるコリン チャップマン(Colin Chapman)の存在だ。彼が1948年にブランドを創業して以来、ロータスは自動車界において極めて特異な、そして孤高の道を歩んできた。彼の根本的な哲学は『For The Drivers』であり、「軽量こそ速さ」という宗教に近い揺るぎない信念に基づいている。(これはつまり、「エアコン? 防音材? カップホルダー? そんな重たいだけの軟弱な装備はサーキットには一切不要だ。代わりに極限まで削り落としたシャシーと、神経質なまでにダイレクトなステアリングを与えよう」という、スパルタン極まりない思想である。おかげで昔のロータスオーナーたちは、雨漏りや強烈な腰痛と引き換えに、地球上のどんなスーパーカーよりも純粋なコーナリングの快感を手に入れていたのだ)。卓越したハンドリングとドライバーとの完全な一体感をひたすら追求し、モータースポーツの最高峰で血の滲むような思いで磨き上げた技術を、そのまま市販車へと惜しげもなく注ぎ込んできたのである。

そして、この2026年という年は、ロータスにとって単なるカレンダーの一枚ではない。極めて特別な意味を持つ、祝うべき節目となる年でもあるのだ。英国ノーフォーク州にある「ヘセル(Hethel)ファクトリー」が、開設から60周年を迎えるのである。(ヘセルといえば、第二次世界大戦中の古い爆撃機の飛行場跡地に作られた工場であり、一年中どんよりと曇り、冷たい雨と風が吹き荒れるイギリスの荒涼とした土地だ。晴れの日を前提としたクルマを作るには最悪の環境だが、悪天候下でのシャシーテストにはこれ以上ない舞台だった)。そこは間違いなくロータスのものづくりの中心地であり、1966年の開設以来、数々の伝説的な名車を生み出してきたロータスの故郷なのだ。

この記念すべき年に、中四国エリアで新体制をスタートさせることは、ロータスが大切にしてきた世界観と走りの歓びを、より多くのお客様へお届けするための新たな一歩となる。中国山地のタイトで荒れたワインディングロードや、四国カルストへと続くつづら折りの山道、あるいは瀬戸内海の青い海を見下ろす海沿いの快走路。そんな中四国エリアの美しくも起伏に富んだ道路環境は、ロータスが得意とする「クルマとの親密な対話」を楽しむには、まさにうってつけの遊び場と言えるだろう。

ジースクエア仙台は、これまで仙台と神戸のショールームにおいて、背後にガソリンエンジンを背負ったピュアスポーツカーから、最新のフル電動モデルに至るまで、ロータスならではのドライビング体験を提案してきた実績がある。(そう、現代のロータスは「重さは最大の敵」と言い放ったチャップマンの遺言を片隅に置きつつ、時代の波に乗って巨大なバッテリーを積んだフル電動モデルまで作っているのだ。しかし安心してほしい。どれだけ車重が増そうとも、彼らは魔法のようなサスペンション・チューニングとトルクベクタリングを駆使して、物理法則をねじ曲げ「ロータスの走り」を完全に再現してくる、変態的なエンジニア集団であることに変わりはない)。今回の中四国エリアへの展開により、同社がこれまでに培ってきた販売やサービスの知見を最大限に活かし、地域のお客様一人ひとりに寄り添ったカーライフを提案していくとのことだ。

中四国エリアのクルマ好きの皆さまに、ロータスの魅力をより身近に感じてもらえるよう、スタッフ一同が心より来場を待っているという。もしあなたが、ミニバンの後部座席でふんぞり返る退屈な人生に飽き飽きしていて、手のひらから路面の感触を直接読み取り、背中でマシンの鼓動を感じるスリリングな日常を求めているなら、今後の試乗会やイベント情報から目を離さないことだ。最新情報は、公式SNSやメディアを通じて順次案内される予定だという。

なお、この件に関する問い合わせ先は「ロータス神戸(兵庫県芦屋市)」(<ロータス神戸> 〒659-0071 兵庫県芦屋市前田町10-20 電話:0797-61-6661)となっている。(中四国のカスタマーからすれば、「仙台の名前がついた会社が中四国を担当するのに、連絡先は関西の芦屋なのか!」という鋭いツッコミが入りそうだが、そこはイギリス流のジョークだと思って笑い飛ばしてほしい)。極上のブリティッシュ・スポーツカーを手に入れるためのささやかな通過儀礼だと思って、まずは気軽に神戸へダイヤルを回してみてはいかがだろうか。

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