馬力ゼロにして最強。グローブ トロッターが福岡で最新鋭ポリカーボネートを粉砕する日

現代のラゲッジはまるで最新のEVだ。便利だが魂がない。もしあなたが真のメカニズム愛好家なら、福岡 岩田屋本店へ向かうべきだ。そこには1897年からヴィクトリア朝時代の機械で手作りされ続ける、グローブ トロッターという名の「アナログマシンの極北」が鎮座しているのだから。


軽量化という名の病と、英国からの痛烈な一撃

最近の空港を見渡すと、どれもこれも風洞実験室から出てきたような、没個性的なポリカーボネート製の箱ばかりが転がっている。まるで、モーターとバッテリーを積んだだけの退屈なエコカーの渋滞だ。だが、エンスージアストの皆様には安心してほしい。英国ハートフォードシャー州のバックガレージには、採算や効率といった現代の病を完全に無視し、狂気的なまでのクラフトマンシップを貫く職人たちがまだ生息している 。

それが、英国デザインの代名詞とも言えるプレミアム トラベル ライフスタイルブランド「グローブ トロッター」だ 。彼らは1897年の創業以来、ヴィクトリア朝時代から続く伝統的な製法と当時の機械をそのまま継承し、129年もの長きにわたりこの美しいアナログマシンをハンドメイドで組み上げているのだ 。

ヒースロー空港の幻影を福岡に叩き込む

そんな時代錯誤を極めた至高のラゲッジメーカーが、なんと福岡 岩田屋本店にロンドンのヒースロー空港を丸ごと(比喩的な意味で、だが)持ち込んできた 。2026年8月31日までの期間限定で開催されているポップアップスペースでは、ロンドンの名門百貨店「ハロッズ」で話題をかっさらった手荷物受取ターンテーブルのディスプレイが鎮座している 。さらにエアポート ベンチや「GATE 2」を表示するサインまで設置され、そこは完全に英国のターミナルへと変貌を遂げている 。

ここに並ぶのは、大量生産のプラスチック成型品とは次元が違う、クラシックでアイコニックなトラベルケースの数々だ 。南極探検家のロバート スコットからエリザベス2世女王、そしてエディ レッドメインやケイト モスまで、時代を象徴する伝説的な「ドライバー」たちが愛用してきたその頑強なシャシーを、直接その手で確かめることができる 。他の誰の所有物ともかぶらない、自分だけのパーフェクトなスタイルを見つける絶好の機会である 。

デジタル時代に抗うための最強の「シャシー」

福岡市中央区天神の岩田屋本館2F(営業時間10:00-20:00)に突如として出現したこの空間は、ただの鞄の展示ではない 。それは、利便性ばかりを追求する現代のトラベルギアに対する、英国からの強烈なアンチテーゼだ。

もしあなたが、スマートフォンで施錠できる軽いだけの箱にウンザリしているなら、今すぐ次の旅をイメージさせるこのユニークな空間へ足を運ぶべきだ 。重くて、手入れが必要で、しかし圧倒的なオーラを放つグローブ トロッター。それはまさに、電子制御を一切持たない大排気量自然吸気エンジンのような、むき出しのロマンそのものなのだから。

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