メルセデス・ベンツの伝説的名車「190EエボII」を現代技術で蘇らせたレストモッドで話題のHWAが、今週末のニュルブルクリンク24時間レース参戦に合わせ、サーキット専用の限定カスタムカー「EVO R」を世界限定15台で販売すると発表した。フルカーボンボディに552馬力のV6ツインターボとシーケンシャルGTを搭載した、大富豪のための至高のサーキットウェポンに迫る。

記憶にあるかもしれないが、HWA(※1)は今週末のニュルブルクリンク24時間レース(※2)に、あのとてつもなくクールな「190E エボII(※3)」へのオマージュモデルをレース仕様に仕立てて3台投入する。一体どうして忘れられようか? 昨年6月に発表されて以来、我々はずっとこの日を心待ちにしてきたのだ。どうやら今週末はオランダ人の若者(※4)もレースをするらしく、メディアの報道はそちらにすっかり占拠されているようだが。
ともかく、3台のHWAマシンはプロ・アマのドライバー編成でSP-Xクラスに参戦する。その目的は「競技の成績だけでなく、極限状態での開発」にもあるという。
これは当然、あの素晴らしい公道仕様のレストモッド(※5)「EVO」にも恩恵をもたらすが、HWAはさらに、レーシングカー「EVO.R」をベースにしたサーキット専用のカスタマーカーを15台限定で販売すると発表した。少々紛らわしいことに、こちらの車名は「HWA EVO R」と呼ばれる。ドット(小数点)ではなく、半角スペースが入る点に注目してほしい。
EVO Rの価格についての言及はないが、強化されたモノコックシャシー、FIA(※6)公認のロールケージ、そしてレーシングカー特有の安全燃料セルが備わることは分かっている。また、とてつもなくワイドなフェンダーと無数のベントを備えたフルカーボン製ボディワークに加え、ポリカーボネート製ウィンドウ、取り外し可能なリアドア、特注のRONAL(※7)製レーシングホイールも装備される。レトロなカラーリング(※8)もオプションとして選べることを願うばかりだ。
3.0リッターV6ツインターボエンジンは、公道仕様よりも強力にチューンされており、最高出力は約500bhpから552bhpへと引き上げられている。さらに670Nmという強力なトルクと6速シーケンシャルギアボックスに加え、AP Racing(※9)製ブレーキ、そしてKW(※10)およびH&R(※11)と共同開発された6ウェイ調整式サスペンションが組み合わされる。購入者にはレーシングエキゾーストと、内蔵式エアジャッキシステム(※12)も提供される。
インテリアはどこからどう見てもレーシングカーそのものであり、フルカーボン製のレーシングシート、可動式のペダルボックス、そして上質なスイッチ類が多数並ぶ。しかし、15人の顧客はオプションで助手席、ドリンクシステム、エアコンを選択することも可能だ。なんという贅沢だろう。
【補足説明】
* (※1)HWA:メルセデス ベンツのレース活動や高性能モデルの開発を行ってきたAMGの創設者の一人、ハンス ヴェルナー アウフレヒト(Hans Werner Aufrecht)が設立したドイツのレーシングチームおよびエンジニアリング企業。
* (※2)ニュルブルクリンク24時間レース:ドイツの過酷なサーキット、ニュルブルクリンク(北コース+グランプリコース)で毎年開催される世界的に有名な耐久レース。
* (※3)190E エボII:1990年にメルセデス ベンツが当時のドイツツーリングカー選手権(DTM)に勝つためにホモロゲーションモデルとして限定生産した伝説的な名車「190E 2.5-16 エボリューションII」。
* (※4)オランダ人の若者:F1世界チャンピオンであるマックス フェルスタッペンのこと。彼が注目を集めることで他のレース報道が影に隠れがちになるという、イギリス特有の皮肉を交えたユーモア。
* (※5)レストモッド:クラシックカーの意匠をベースにレストア(復元)しつつ、現代の最新技術やパーツでモディファイ(改造)して性能を高める手法。
* (※6)FIA:国際自動車連盟(Fédération Internationale de l'Automobile)の略称。モータースポーツの国際統括団体。
* (※7)RONAL(ロナル):ドイツに本拠を置く、世界的な老舗自動車用アルミホイールメーカー。当時のDTMマシンにもホイールを供給していた。
* (※8)レトロなカラーリング(リバリー):往年のレース参戦車に施されていた伝統的なスポンサーカラーやグラフィック(例:マルボロカラーやソナックスカラーなど)。
* (※9)AP Racing(エーピー レーシング):イギリスに本拠を置く、世界最高峰の高性能ブレーキおよびクラッチシステムの製造メーカー。モータースポーツ界で圧倒的なシェアを持つ。
* (※10)KW(カーヴェー):ドイツの高級サスペンションメーカー。モータースポーツで培った高い技術力で、ストリートからレース用まで幅広く手掛ける。
* (※11)H&R(エッチアンドアール):ドイツの老舗サスペンションパーツメーカー。高品質なスプリングやスタビライザーで知られ、DTMなどのレースでも実績が豊富。
* (※12)エアジャッキシステム:ピット作業時に外部から圧縮空気を注入することで、車体下部からピストンを突き出し、ジャッキを使わずに自車を瞬時に持ち上げるレーシングカー特有のシステム。
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=海外の反応=
「これ、当時のDTM好きおっさんホイホイだろ。190EのエボIIをカーボンボディとV6ツインターボで現代に蘇らせるとか、HWAは本当にファンの心理を分かってる。限定15台なんて一瞬で大富豪のガレージに消えるんだろうな。日本にも1台くらい入ってきて大黒パーキングあたりで見られたら最高なんだけど」
↑「いやいや、これサーキット専用モデルだからナンバー付かないよ。大黒で見られるとしたら、公道仕様の『EVO』のほうだろうね。どっちにしろ宝くじが当たっても買えないレベルの超ハイパーレストモッドだけどさ」
「最高出力552馬力に670Nmのトルクをシーケンシャルで振り回すとか、絶対に運転楽しいやつじゃん。助手席やエアコンがオプションで選べるあたりに、最近のサーキット専用車のトレンドを感じる。エアコン無しでニュルを走るのは、富豪のジェントルマンドライバーには過酷すぎるからな」
「本日のレート(1ポンド=211.21円)で換算しようにも、そもそも価格が書いてないのが恐ろしい。公道仕様のEVOが1億円超えって言われてるから、このレース仕様ベースの『EVO R』は1億5000万円コースか?まさに一部の『不謹慎なほど大金持ちな人々』のための玩具だよな」





