ブガッティが1990年代に計画し、会社の倒産によってわずか3台しか製造されなかった幻の4ドアサルーン「EB112」。巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手がけた独特すぎるデザインと、6.0リッター自然吸気V12エンジンにマニュアルトランスミッションを組み合わせたこの希少な1台が、世界的オークションに登場した。3.7億円という驚愕の落札予想額がつけられたこの奇妙で魅力的なスーパーサルーンの数奇な歴史と、海外の車好きたちからの辛口な反応をお届けする。
ジョルジェット ジウジアーロ(※1)によるスタイリングは少々…物議を醸すかもしれない。しかし、4ドアで4シーターのブガッティ EB112のこの純粋な奇妙さを、どうして愛さずにいられようか? まさに1990年代の頂点(ピーク)である。
当然ながら、ブガッティ自身は、1993年のジュネーブ・モーターショーに展示されたたった1台のEB112プロトタイプしか完成させていない。その1台は、タン(淡い茶色)のインテリアを備えたゴージャスなディープレッドに仕上げられていたが、さらに2台の車を開発している途中で会社は倒産してしまったのだ。
我々にとって幸運だったのは、モナコの実業家であるギルド パランカ パストールがレースでEB110 SCを走らせており、そのスペアパーツを探す中で、倒産したブガッティから大量の資産を買い取ったことだ。その中には、未完成だった2台のEB112と、466ps(460bhp)を発揮する6.0リッターV12エンジン、そして6速マニュアルギアボックスが含まれていた。その結果がこれだ。
パストールは自身のモナコ レーシングチームに、この残り2台の4ドアモデルを組み立てさせた。そしてこの特定の個体(シャシーナンバー #39003)は、1999年に最後に完成した1台となった。この車は2015年まで彼のコレクションに保管され、モナコで公道登録されていたが、走行距離計(オドメーター)はわずか388km(241マイル)を指しているのみだ。
現在のオーナーは、ここ数年間の整備に32,000ポンド(680万円)以上を費やしたと聞いている。しかし、この車は現在RMサザビーズ(※2)のモナコオークションに出品されており、落札予想価格は130万ポンド(2.8億円)から175万ポンド(3.7億円)となっているため、彼らのコストは十分に回収できるはずだ。ひえー。
【補足・注釈】
※1 ジョルジェット ジウジアーロ:イタリアの伝説的カーデザイナー。初代VWゴルフやデロリアンなど数々の名車をデザインした巨匠。
※2 RMサザビーズ:世界的なクラシックカー・コレクターズカーのオークションハウス。
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ブガッティが気になった方へ
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=海外の反応=
「ポルシェのデザイナーたちは、ヴァイスビア(白ビール)を数ジョッキ飲んで、ビールゴーグル(※酔っ払って判断力が鈍った状態のこと)をしっかり装着した後でこれをチラッと見て、パナメーラというほぼ同じような怪物を作ることに決めたに違いない」
↑「まさにそれを言いに来たんだ。あとは、ヒョンデ アイオニック6がヴェイロンにオカマを掘った(追突した)ってジョークも言おうと思ってね」
「これを見ると、フォード グラナダ スコーピオ(※独特すぎるデザインで不評を買った欧州フォードの大型車)が上品で控えめに見えるな。おぞましいよ」
「うわ、EB112がさらに2台作られていたなんて知らなかった。ずっとプロトタイプが唯一の1台だと思ってたよ。確かに興味深いけど、それでも罪深いほど醜いね」
「ブガッティはヴェイロンの後にガリビエール(※2009年に発表されたがお蔵入りになった4ドアコンセプトカー)を作るべきだったな」





