米国の魔改造集団「リングブラザーズ」が、70年代の英国製スーパーカーを蘇らせた。ただし、その心臓部には、アメリカンなフォードV8を詰め込んで。「MI6のエージェントが、休暇で乗るクルマは何か?」。その問いへの、アメリカからの答えがこれだ。ただし、ボンド卿がこれを見て微笑むかどうかは、別の話である。
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「我々は、アメリカンマッスルの獰猛さと、英国の洗練された“硬い上唇”と自動車文化を、組み合わせました」と、リングブラザーズの共同オーナー、マイク リングは語った。硬い上唇(stiff upper lip)とは、英国人気質を象徴する慣用句。困難や逆境に直面しても、感情を表に出さず、冷静沈着で、毅然としている様を指す。「オクタヴィアは、我々がこれまでに創り上げてきた、あらゆるものを超えています」リングブラザーズ(Ringbrothers)は、アメリカ・ウィスコンシン州を拠点とする、世界的に有名なカスタムカービルダー。主にアメリカのクラシックマッスルカーを、最新技術で過激にレストモッドすることで知られる。その驚異的な作り込みとデザインセンスで、数々の賞を受賞している。
皆の衆、ようこそ。70年代のアストンマーティンのスーパーヒーローの、最もワイルドな化身へ。そして、断じて、ミドルサイズのシュコダ(※オクタヴィア(Škoda Octavia)は、チェコの自動車メーカー、シュコダが製造する、非常に実用的で人気のあるファミリーカー。記事では、この魔改造アストンと同じ「オクタヴィア」という名前を持つ、全く対極の存在)ではない。これは、テセウスのパラドックスにさらされた、古き良きDBSだ。テセウスのパラドックス(Theseus's Paradox)は古代ギリシャからの思考実験。「ある船の部品を少しずつ交換していき、最終的にすべての部品が元のものと入れ替わった時、その船はまだ同じ船と言えるのか?」という問い。ここでは、オリジナルのDBSの部品がほとんど残っていないことを指している。1971年のクラシックが、剥ぎ取られ、引き伸ばされ、強化され、そして5リッターの純粋なアメリカンファイアパワーで満たされたのだ。
その内部には、さらなるアメリカーナが潜んでいる。それは、後輪を駆動する6速マニュアルギアボックスに接続され、そのドライブトレイン全体が、ロードスター ショップ製のカスタムシャシーの中にパッケージングされている。ホイールベースは、オリジナルのDBSより3インチ(7.6cm)延長され、この兄弟は、ボディに一体型の構造的なロールケージを組み込んだ。
独立懸架式のリアサスペンション、C7コルベットのスウェイバー、フォックス レーシング製のダンパー、ブレンボ製ブレーキ、そして、その上にはビスポークのフルカーボンファイバー製ボディがまとわされている。デザインは、ゲイリー レイグルという男によるもので、ウィリアム タウンゼントによるオリジナルの「面影」が、どこかそこに埋め込まれている。リングブラザーズによれば、狙いは、よりワイドなフロントとリアのエンドを介した、「コークボトルの曲線美」だという。
当然ながら、リング兄弟はインテリアにも、同じくらいの注意を払った。カーボンファイバー、ステンレススチール、そしてレザーを惜しみなく使い、さらには、アストンが好きな“あの有名なスパイ”への、いくつかの生意気な目配せさえした。「Qブランチの最高の開発品にさえ匹敵する」多数のカメラ、マティーニグラスの形をしたオイルディップスティックのハンドル、そして「アストン マティーニ」と読めるカスタムバルブカバーだ。Qブランチ(Q-branch)とは、映画『007』シリーズに登場する、主人公ジェームズ ボンドのために様々な秘密兵器を開発する、MI6(英国秘密情報部)の研究開発部門である。
「我々は自問しました。『MI6のエージェントが、休暇で何を運転するだろうか?』と」共同オーナーのジム リングは尋ねた。「これが、その結果です」
アルファ ロメオ 33 ストラダーレ/ランド ノリス✕R32 東京ナイトドライブ/R35日本取材:トップギア・ジャパン 068
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=海外の反応=
「このおぞましいシステムを使ってアカウントを作るのには、ものすごく長い間抵抗してきた。だが、この怪物は、「見てみろ、俺の愛する息子が、なんて無残な姿に」という、あまりに強い感情を呼び起こしたので、黙っているわけにはいかなかった」
↑「彼らはDBSを、完全に台無しにした。オリジナルの1970年代DBSは、エレガントで、控えめで、紳士的なタイプのクルマだった。
これは? けばけばしく、下品な模造品で、無味乾燥なアメリカのがらくたで満たされ、アストンマーティンであるはずのものには全く場違いに見えるアメリカンマッスルのメーター、ゴミ箱から切り出して貼り付けたようなボディキット、そして、なんてこった、ユニオンジャックと星条旗で飾られたあのアストンマーティンのバッジは…この中で、最も悪趣味なものかもしれない。
唯一認めるとすれば、製造品質は…良さそうだ、ということくらいだ。それ以外は…これが存在することが、憎い」
↑「同意する。
そして、さらに言わせてもらう。バッジを外そうが、シュコダのバッジを貼ろうが、関係ない。これは、モンスターエナジーがスポンサーについたマスタングにしか見えない。アメリカ人のセンスのなさを侮辱し、アストンマーティンの伝統を侮辱し、そして、いにしえの実用的な小さなシュコダを侮辱している。
アストンマーティンにやらせておけ。ヴァルカンやヴィクターでやったように。少なくとも彼らは、そのバッジを身につけるに値するモーターを使うだろう。フォードからのお下がりの、クレートエンジンではなく」
↑「ほとんどの部分で同意だが、オリジナルもクロームだらけだったぞ。オリジナルは、バンパー、グリル、ヘッドライトインサート/フレーム、フロントガラスフレーム、リアウィンドウフレーム、サイドウィンドウフレーム、サイドスカート、そしてスイッチ類が、すべてクロームだった」
↑「君に異議はない、確かに君の言う通り、DBSにはかなりのクロームがあった。特に外装はな。だが、少なくとも俺の目には、古いDBSの方が、この「オクタヴィア」よりも、そのクロームをエレガントにまとっていたように感じる。メーター、スピードメーター、タコメーターの周りのあの太いクロームの縁取り、ステアリングホイール、ハンドブレーキとシフトレバー、すべてのスイッチ類…。
俺が表現できる最善の方法は、オリジナルのDBSはそのクロームを絵筆で塗った。この「オクタヴィア」は、それをこてで塗りたくった、ということだ」
「クラシックなグランドツアラーを、過剰に改造されたマスタングや、ホットウィールのブリスターパックに入っていそうな何か(おそらくディー・ビー・イエスススと呼ばれる)のように見せるために、多大な労力をかけたものだ。ピート(神様)のために言わせてもらうが、オリジナルの名前さえ思いつけなかったのか」
「ああ、なんてことだ、なんてことだ、なんてことだ! 史上最も美しいクルマの一つに、彼らは一体何をしたんだ。彼らはそれに“ヤンキー”的な手を加え、まるでドブネズミのようなものに変えてしまった。明らかに、彼らのデザインチームは、アストンマーティンとは何たるかの基本を欠いており、また別の一台のマスタングもどきを生み出した。リングのこういう作品は、忌まわしきものであり、抹消されるべきだ」
「混乱している。なぜ彼らは、アストンマーティンを取って、それをマスタングに変えたんだ? それを…マスタングで、できなかったのか?
もし、彼らがこれをやるためにクラシックなアストンを切り刻んだことを知らなければ、少し漫画っぽい、よくできたアメリカーナだと、確かに見ることができるだろう。だが、私は、彼らがこれをやるためにクラシックなアストンを切り刻んだことを知っている。それが、これを少しばかりの悲劇にしている」
「なんてグロテスクな創造物だ。一体なぜ、これをマスタングと呼ばないんだ? アストンに訴えられる可能性が低いからか?」
「これは、全くもってゴージャスだ」