東京オートサロン 2022:新型車発表ラッシュ、最も期待できそうなベスト3はどれ?

1/13-15日、東京オートサロン 2022が開催された。今回は、コロナの影響により、リアルとオンラインの双方向で実施され、リアルは上限が収容定員の50%に定められた。3日間のリアル来場者数は129,869人。オンラインオートサロンは、3日間のライブ配信再生回数が合計426,960回(日本語・英語・中国語)となった。初日のビジネスデイに会場に足を運んだが、例年に比べてかなり落ち着いて取材することができた。2年前に取材したときと比べ、コロナなので仕方がないが、海外メディアがほとんどおらず、ブースの様子を動画で撮影し、YouTubeなどで配信するスタイルが増えたのを感じた。コロナによって、メディアのあり方の変化が感じられたオートサロンになった。

さて、そのコロナ禍でモーターショーやその他イベントが軒並み中止となった影響もあってか、参加した自動車メーカーやインポーターでは、新型車の発表のまたとないチャンスとなっていた。ここでは、新型車が発表された自動車メーカーとインポーターのブースをご紹介し、最後には、最も期待できそうなクルマベスト3をご紹介しよう。

ルノー・ジャポン

今年春から日本にも導入予定のクーペSUV、アルカナが参考出品されていた。ルノーがF1で培ってきたノウハウを凝縮したE-TECH HYBRIDルが搭載されている。Eモーターと2基のHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)、1.6リッター4気筒自然吸気エンジンを、ドッグクラッチマルチモードATが繋ぎ、爽快なドライブフィールを生み出しているのだという。
ルノー・ジャポンの代表取締役社長、大極司氏はアルカナについてこう語ってくれた。
「加速感がとても気持ちいいんです。アルカナは、ハイブリッドのクーペSUVですから、実用性に振っていると思われがちですが、実はルノーらしい走りの感覚を大切にしたクルマなのです。リアがクーペスタイルなところも、気に入っていただけるのではないでしょうか」大極社長も自信にあふれていた。

トヨタ Gazoo Racing

トヨタ Gazoo Racingでは、カスタマーモータースポーツの最高峰であるGT3に向けたコンセプトカー「GR GT3 Concept」、サーキット パッケージとラリー パッケージの「GRMN ヤリス」が展示された。GRMN ヤリスは、Web予約抽選を経て、夏から販売が予定されている。500台限定のGRMN ヤリスが731.7万円、サーキット パッケージが846.7万円、ラリー パッケージは8,378,764円。即完売になりそうだ。

また、レクサスから、「NX PHEV OFFROAD Concept」と「ROV Concept」というブロンズの2台のコンセプトカーが出品された。

アルピーヌ・ジャポン

アルピーヌのブースでは、マイナーチェンジしたA110 S アセンションを展示。新型アルピーヌ A110の実車の展示はこれが世界初の展示となった。また、2021シーズンからアルピーヌとして参戦を開始したF1マシンも併せて見ることができた。アルピーヌでは、A110(811万円)、A110 GT(893万円)、A110 S(897万円)のラインナップとし、さらに限定30台のA110 S アセンション(1,059万円)が加わる。300ps/340Nmとパワーが向上し、アセンションではベースであるA110 Sの最高速度260km/hと比べ、275km/hと、究極のパフォーマンスを発揮している。
ルノー・ジャポン副社長兼アルピーヌCOOの小川隼平氏が語ってくれた。
「アルピーヌは、レースの魂を持った、純粋に走りを楽しむクルマです。一人でも多くの人に乗って、アルピーヌの走りを体感していただきたいのですが、これまではディーラーが15店舗と少なかったのです。今後は、アルピーヌ ポイントという新形態のディーラーを札幌、水戸、平塚、枚方と4店舗増やします。さらに、みなさんに触れていただける機会をたくさん作って行きたいと思っています」

日産自動車

8月にワールドプレミアしたフェアレディZの日本仕様と、「カスタマイズドプロト」が参考出品された。走行シーンは、下の動画でご確認を。「フェアレディZ」は、これまでに世界で180万台以上の販売されてきた。新型「フェアレディZ」は、最高出力405PS、最大トルク475Nmの新開発3リッターV6ツインターボエンジンを搭載した。そして、6月下旬頃に発売する240台限定の「Proto Spec」は、一昨年に公開した「フェアレディZ」プロトタイプから着想を得た特別仕様車だ。6MTと9速ATがあり、価格は6,966,300円。
そのほか、受注が終了した「NISSAN GT-R NISMO Special edition」2022年モデルや、「Nissan Z GT500」も展示。

三菱自動車

2022年度初頭に発売を予定している「K-EV コンセプト X スタイル」と「ヴィジョン ラリーアート コンセプト」の2台のコンセプトカーに注目が集まっていた。軽自動車EVは、とても楽しみ。

ダイハツ

ほんっと自由に、のびのびとカスタマイズの世界を楽しんでいたのが、ダイハツ。先日マイナーチェンジでHVが投入されたばかりのロッキーから、ロッキー プレミアムVer.、ロッキー クロスフィールドVer.。もう一つは、フルモデルチェンジしたばかりのアトレーのカスタマイズ、アトレー プレミアムVer.、アトレーデッキバン キャンパーVer.を出展。通常モデルではなかなかできない、東京オートサロンらしい世界が広がっていた。

ホンダ/ホンダ アクセス/無限

年内に発表が予定されているシビック タイプ Rのコンセプトカーの展示が最も人気があったようだ。カモフラージュがかかっていたが、先代よりアグレッシブさは前面に出ていないようだ。大人のスポーツカーになりそうだ。とても良かったのが、開発アドバイザーに土屋圭市氏を迎えて作ったVEZEL e:HEV Modulo X Concept。実効空力の設計思想を取り入れたエアロパーツの採用と、足廻りには専用のセッティングを施すなど、見た目だけではなく走りにもこだわった純正コンプリートカーだ。ただ、照明がかなり落とされた演出で展示されていたため、せっかくの足回り部分がよく見えなかったのは、ちょっと残念。自分が行ったときの時間帯だけの話かもしれないが。そして、新型ステップ ワゴンをベースにカスタムした「STEP WGN e:HEV SPADA Concept」は、ワルな雰囲気で、真似したくなるスタイルだった。

ロータス

注目のエミーラが展示され、多くのメディアが集まっていたロータスブース。まだ世界に1台しか展示車がない状況で、もちろん日本初公開となる。初期ロット200台はまたたく間に完売となるほどの人気で、今年後半に時期ロットが確定するという。日本で最初に発売されるモデルは、エミーラ V6 ファーストエディションは、価格13,530,000 円となり、V6 ファーストエディションの⽣産開始は今年の春以降を予定している。

V6 ファーストエディションのパワーユニットは、エキシージとエヴォーラに供給されている3.5 リッタースーパーチャージャーV6 エンジンとなり、2 シーターの後ろにミッドマウントされている。オープンマニュアルギアチェンジメカニズム + メッシュグリルのスポーツレシオ 6 速マニュアルトランスミッション(オプションでパドルシフトATにも変更可能)と油圧式パワーアシストステアリングの組み合わせにより、最高出⼒405psを発⽣する。V6 ファーストエディションは、ロータスデザインパックの一部である 20インチ超軽量 V スポーク鍛造ダイヤモンドカットアロイホイールが標準装備となる。ダイヤモンドカットはプレミアムな 2 トーン仕様となり、シルバーとグロスブラックも選択可能。2 ピースハイパフォーマンスブレーキディスクと、ロータスネーム⼊りブレーキキャリパーは標準のブラックの他に、レッド、イエロー、シルバーから選択可能となり、TPMS(タイヤプレッシャーモニタリングシステム)も標準装備だ。エクステリアカラーが標準装備となりセネカブルー、マグマレッド、へセルイエロー、ダークバーダント、シャドーグレー、ニンバスグレーの 6 色から選択できる。
LCIの高橋一穂代表取締役にお話を伺った。
「これまで日本のロータスオーナーは、40-50代を中心とした、正統なエンスーというプロフィールの方が多かったように思います。エミーラは、そういった筋金入りのエンスーに加えて、20代だったり、他車に乗っていたりという、さらに幅広い層の方から問い合わせをいただいています。エミーラは、最後の純粋な内燃機関のロータスですから、歴史あるロータスと電動化していく新しいロータスをうまくつなぐ存在になってほしいですね」

スバル/STI

「STI E-RA CONCEPT」と「SOLTERRA STI CONCEPT」の2つのコンセプトカーを展示し、未来の方向性を示したスバル。ソルテラは、100%EVである。

フォルクスワーゲン

新型「Golf GTI」の他に、今後発売予定のフォルクスワーゲン本社のアクセサリー部門がドイツの老舗チューナー「Oettinger(エッティンガー)」と共同開発したボディパーツを装着した新型「Golf GTI」が展示された。エッティンガーは、1946 年、ゲルハルト・エッティンガー氏によってドイツ・フランクフルト近郊に設立された整備会社。エッティンガー氏の類稀なる技術力で改造されたビートルが話題を呼ぶ。その後、卓越した開発力により各ドイツ車メーカーからエンジンチューニングを任せられ、今でもそのスポーツ性や実用性を兼ね備えた製品ラインアップは高く評価されている。

最後に、今回の東京オートサロンで見た、2022年に最も期待できそうなクルマベスト3を発表。
3位→ロータス エミーラ
2位→トヨタ GRMN ヤリス
1位→ルノー アルカナ
3位と2位は、昔ながらのクルマ好きに刺さりそうだけど、悲しいかな、こういったオールドスタイルのクルマは数少なくなり、希少性が高いので、手に入れることが難しそうだ。その点、1位は新技術てんこ盛りで、ルノーの日本市場を見据えた方向性を打ち出している一台だ。自動車メーカーやインポーターの新型車や、柔軟なアイデアがたくさん見られた東京オートサロン 2022だった。

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2022/01/43737/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ