ステランティスと台湾のフォックスコンが合弁会社を設立し、自動車のデジタル分野の革新を進める

ステランティスと台湾のフォックスコンは、その子会社であるFIH Mobile Ltd.ともに、Mobile Driveを設立するための非拘束の覚書に署名したことを発表した。

1974年に台湾で設立された鴻海精密工業株式会社(以下、フォックスコン)(TPE:2317)は、世界最大の電子機器メーカーだ。フォックスコンは、ソフトウェアとハードウェアの専門知識を活用して、独自の製造システムと新技術を統合することで、技術的ソリューションを提供するリーディングカンパニーでもある。

また、FIHは鴻海(ホンハイ)精密工業の子会社であり、世界のモバイル機器業界のリーダーである。ハンドセット、モバイルおよびワイヤレス通信機器、コンシューマーエレクトロニクス製品にまたがる、垂直統合されたエンドツーエンドの設計、開発、製造サービスを提供している。インターネット時代に入り、FIHはハードウェアとソフトウェアの中核的な強みを活かして、5G、AI、IoT、IoV(Internet of Vehicle)の分野に参入し、インターネットとモバイルの完全なエコシステムを構築している。

Mobile Driveは、高度な家電製品、HMIインターフェース、サービスによって実現される革新的な車内ユーザーエクスペリエンスを提供すべく、開発スケジュールを加速させることを目的とした、50/50の議決権を持つジョイントベンチャーだ。

Mobile Driveでは、ステランティスのグローバルな車両設計およびエンジニアリングの専門知識とフォックスコンの日進月歩で進化するスマートフォンや家電製品のソフトウェアおよびハードウェアの領域におけるグローバルな開発力を融合していく。この組み合わせにより、Mobile Driveは、車内外でシームレスに接続された車内情報およびエンターテイメント機能のあらたなフロンティアを提供するグローバルな取り組みの最先端に位置することになる。
ステランティスCEOのカルロス タバレスは次のように述べている。

「今日、美しいデザインや革新的な技術と同様に重要なことがあります。それは、車載機能がいかにお客さまの生活を向上させるかということです。ソフトウェアは、わたしたちの業界にとっての戦略的な動きであり、電動化技術がそうであったように、ステランティスは革新を促すコネクティビティとサービスの迅速な開発を可能にする会社であるMobile Driveで自動車業界をリードするつもりです」

「未来の自動車は、ますますソフトウェアドリブンであり、ソフトウェアで定義されるようになるでしょう。現在、そして将来のお客さまは、ドライバーや乗客とクルマの内外をつなぐ、ソフトウェアによる創造的なソリューションを求め、期待しているのです」とフォックスコンCEOの劉揚偉(リュー・ヤンウェイ/Young Liu)はコメントした。「Mobile Driveは、デザイナー、ソフトウェアおよびハードウェアエンジニアのチームと共に、これらの期待に応え、それを上回るものを提供いたします。これは、世界の人々のクオリティ・オブ・ライフを向上させるためのスマートテクノロジーの開発と応用におけるフォックスコンにとって当然ともいえるグローバルなリーダーシップの延長にあるのです」Mobile Driveによるすべての開発は、ステランティスとフォックスコンの共同所有となる。

オランダを拠点とするこの合弁会社は、自動車メーカーのサプライヤーとして、ステランティスをはじめとする他の自動車メーカーにソフトウェア・ソリューションと関連ハードウェアを供給する、競争力をもったサプライヤーとなる。また、FIHのCEOであるCalvin Chihは次のようにコメントした。「Mobile Driveは、フォックスコンのモバイルエコシステムにおけるユーザーエクスペリエンスやソフトウェア開発に関する豊富な知識を活用して、ドライバーのモバイル中心のライフスタイルに自動車をシームレスに統合する、革新的なスマートコックピットソリューションを提供します」

「このパートナーシップにより、われわれはコネクテッド・カーのテクノロジーの限界を押し広げ、まだ想像もつかないような没入感のある体験を顧客にもたらすでしょう。Mobile Driveは最終的に、お客さまの求める通りの未来のデジタル体験を提供するために必要な開発スピードを提供するでしょう」とステランティスの最高ソフトウェア責任者Yves Bonnefont(イヴ・ボヌフォン)は述べている。

Mobile Driveは、インフォテインメント、テレマティクス、クラウドサービスのプラットフォーム開発に注力し、人工知能ベースのアプリケーション、5G通信、OTA(Over The Air)によるサービス、eコマースの機会、スマートコックピットの統合環境などのソフトウェアイノベーションに注力する。

フォックスコンとステランティスは、世界でもっとも影響力のあるテクノロジーイベントであるCES®に出展したAirflow Visionのデザインコンセプトの開発で提携した。このコンセプトは、次世代のプレミアム・トランスポーテーションとユーザーエクスペリエンスに対する両社の考え方を示すものであった。

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