マクラーレン P1やマセラティ MC12を手掛けたカーデザインの巨匠、フランク スティーブンソンが、ルノー 5 ターボ 3Eのデザイン美学を徹底解剖。「電気自動車は退屈だ」という偏見を粉砕し、1980年代のラリーの狂気を現代のデザイン言語へと緻密に翻訳した、極端なワイドアーチと荒々しいエアロダイナミクスの真価に迫る。
フランク スティーブンソンは、ビートルズよりも多くのヒット作を生み出してきたカーデザイナーである。フォード エスコート RS コスワース(Cosworthの英国での愛称がCossie)、初代BMW ミニ、マセラティ MC12、数々のフェラーリ、そしてマクラーレン P1を手掛けてきた。現在は彼自身のコンサルティング会社「フランク スティーブンソン デザイン」を率いている。今回、彼がルノー 5 ターボ 3E(伝説のミッドシップ ハッチバック「5 ターボ」をオマージュした100%電動のドリフトマシン)についての見解を共有してくれた。
これこそがアイコンを現代に蘇らせる方法である。1980年代のオリジナルであるルノー 5 ターボは、単なる自動車ではなかった。ラリーの生々しいエネルギーと、ひとつの時代を定義づけた視覚的なドラマを身に纏う、とんでもないワイドボディのマシンだったのだ。新型のルノー 5 ターボ 3Eは、過去を安易にコピーするのではなく、現代のデザイン言語へと翻訳することで、当時のスピリットを見事に捉えている。
最も強力な側面のひとつは、オリジナルスケッチのアイデアにどれほど忠実であるかという点だ。新型ルノー 5 ターボ 3Eを眺めると、初期のコンセプト画の持つ大胆さが今でもはっきりと見て取れる。オリジナルモデルを我々の記憶に焼き付けた、間違いなくラリーにインスパイアされたスタンスを備えているが、真の成果は細部にある。どこを見渡しても、巧妙に再解釈され、現代的な手法で統合された要素が存在する。特にスマートなのは、ボディカラーと下部セクションとのコントラストである。この視覚的な処理の変更が、車両の見た目の高さを抑え、より魅力的なプロポーションを与えているのだ。
フロント周りでは、この車は即座に自己主張を放っている。バンパーは力強く重厚で、強調された水平線と並行するグラフィックが、ワイド感と視覚的な安定性を生み出している。フロントライトの再解釈は特に見事に処理されている。隣接するプレスラインと相まって、オリジナルモデルと深く結びつきながらも現代的なフェイスを作り出している。さらにボンネットには、極めて目立つ空力要素が備わり、パワーと攻撃性を強調している。
おそらく、オリジナルモデルのルノー 5 ターボにおいて最も不可欠な視覚的アイデンティティは、ホイールアーチだろう。新型においても、それはドラマチックに誇張され、極端にワイドになっている。まさにそうあるべき姿だ。サイドのエアインテークはキャラクター性を付与し、デザインの他の部分と自然に調和している。機能的な面において、充電ポートをこの要素の裏側に隠すというのは、スマートかつエレガントな解決策である。
リヤに目を向けると、テールライト横のアウトレットがワイドなフェンダーと美しく連動している。ディフューザーと上部のボディパネルとの間に意図的に設けられたわずかな視覚的なミスマッチが、車に生々しさ、荒削りな機械としての誠実さ、そして本物のラリーのスピリットを与えている。誰が電気自動車はスリリングじゃないと言ったのだろうか?
よくやった、ルノー。
=海外の反応=
「14万ポンド(3,030万円)という価格は、さすがに常軌を逸しているな」



