電気自動車(EV)のゲームチェエンジャーと期待される「全固体電池」。メルセデス・ベンツが、その実力を証明するために驚くべき長距離走行テストを敢行した。市販モデル「EQS」にプロトタイプの全固体電池を搭載し、ドイツからスウェーデンまで無充電で1205kmを走破。しかし、ギネス世界記録に並んだところで走行を終了。100km以上の余力を残しながら、なぜ新記録を樹立しなかったのか? F1技術も投入される次世代バッテリーの市販化計画と共に、その謎に迫る。
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メルセデスの誰かさんは、航続距離不安についての不平不満に心底うんざりしているようだ。先週はGT XXコンセプトカーを使って「EVは24時間でどれだけ走れるか?」といった、あらゆる種類のオタクっぽい速度耐久記録を打ち破った。そして今度は、全固体電池におけるEVの耐久記録を更新したのだ。
そう、全固体電池だ。より軽量で、よりエネルギー密度が高く、より速く充電でき、我々のEVをより軽快で経済的にするとされる、あの電池である。現在主流のリチウムイオン電池が電解質に液体を使っているのに対し、固体を用いる次世代の電池技術。液漏れのリスクがなく安全性が高い、エネルギー密度を高めやすい(=小型化・大容量化が可能)、急速充電性能に優れるといった利点から、EVのゲームチェンジャーとして期待されている。一部では、それは未来の技術であり、いつまでも未来のままであり続ける技術だと言われている。しかし、メルセデスは違うと言う。
彼らは、それ以外は市販スペックのEQSサルーンに全固体電池を詰め込み、ドライブに出発した。そのドライブは、ドイツのシュトゥットガルトからスウェーデンのマルメまで――1,205km(748マイル)の距離――を無充電で走破した。そして到着した時、EQSは伝えられるところによれば、まだ137kmの航続距離を示していたという。
通常のEQSが巨大な118kWh(正味容量)のリチウムイオンバッテリーを搭載しているのに対し、メルセデスによれば、この全固体プロトタイプのバッテリーパックは、サイズと重量が同等でありながら(ブー)、エネルギー量は25%も多い(イェーイ!)。空冷式であるため、液体冷却システムの重量と電力消費を節約でき、この技術はメルセデスの市販車部門と、英国に拠点を置くAMG F1チームによって共同開発されているという。
そして、これは単なる見せびらかしのためのスタントではない。メルセデスは、このようなテストが、この10年間の終わりまでに実際に購入できる、ショールームに並ぶ全固体EVを生産する軌道に乗り続けるために不可欠だと主張している。
我々が一つ理解できないのは…なぜ、もう少しだけ走らなかったのか?ということだ。というのも、メルセデスのEQXXコンセプトカーが記録した1,202km(シュトゥットガルトからシルバーストーンまで)の記録は破ったものの、このEQSプロトタイプは、ギネス認定の無充電EV走行世界記録――(当然ながら)ルシッド エア(アメリカの新興EVメーカー「ルシッド モータース」が製造する高級EVセダン。特にその長い航続距離性能で知られており、テスラの強力なライバルと目されている)が樹立した1,205km――に並んだだけなのだ。
だから、そう、非常に賢い。よくやった、メルセデス。だが、もし「タンク」にそれほど多くの電気が残っていたのなら、どうしてあと数回、近所を一周しなかったんだ?
アルファ ロメオ 33 ストラダーレ/ランド ノリス✕R32 東京ナイトドライブ/R35日本取材:トップギア・ジャパン 068
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=海外の反応=
「どうせ市販される頃には航続距離は半分になって、値段は倍になるんだろ。知ってる」
「記録更新を狙わずに、わざとタイ記録で止めるあたりがセコいというか、いかにもドイツのメーカーらしいやり方だな。ルシッドに配慮したのか? それとも何か裏があるのか?」
「空冷ってのが気になるな。夏場の渋滞とか、急速充電の連続使用で熱ダレしないのか? F1チームが関わってるって言っても、市販車は別物だろ」
「結局、航続距離競争はもう終わりでいいよ。1000km走れても、充電に何時間もかかるなら意味ない。それより、どこでも数分で満充電にできるインフラを整備してくれ」
「137kmも残ってたのに記録更新しないって、逆にすごいな。よっぽど自信があるのか、あるいはこの記録自体に大して興味がないのか。メルセデス様の余裕ってやつか」