ディーラー探訪でブランドの今が見えてくる:マセラティ 江東

マセラティ江東が今年4月にリニューアルオープンした。店舗はこれまでと同じ場所にあり外観は変わらないが、運営を新たに株式会社ネクステージが受け持つ。今回、15年以上にも渡るマセラティの販売経験を持ち、過去にディーラー・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞したことのある西條俊之店長に、新生マセラティ江東にかける意気込みをお聞きした。

■マセラティ 江東:店舗の魅力、ブランドの魅力
マセラティ江東は、仙台、名古屋に次ぐ株式会社ネクステージの3店舗目のマセラティ正規ディーラーとしてこの4月にリニューアルオープンを果たした。

ショールームは東京都江東区のイースト21に程近い葛西橋通り沿いに位置する。銀座などの繁華街がある中央区や下町と呼ばれる城東エリア、そして近年人口が急激に伸びている湾岸エリアなどその販売エリアは広い。

マセラティ江東の西條俊之店長に話を聞くと、ショールームには新車で4台程展示され、中古車も20台程ご覧いただくことができるという。そして何よりも特徴的なのは都内でありながら5ベイと検査ラインが備わったサービス工場が併設されているという利便性の高さである。ちょっとした点検や修理をショールームと同じ場所で行えるというのはお客様にとって大きな安心材料になる。

ショールームに足を踏み入れれば、明るく、クリーンなマセラティの世界観が広がる。「お客様には常に新しい体験をしてもらいたい」という店長の想いから、月に1度、ショールームの雰囲気を変えているという。

西條店長がマセラティのビジネスをはじめた15年前に比べ、モデルラインアップも大きく変わり、30代から40代のこれまでより若いお客様や女性なども増えているという。

「あらゆる分野に目が肥えていて、自分なりのこだわりを持ち、しかしそれをひけらかすようなことのない粋なお客様が『人と違うなにか』を求められてマセラティをご購入されるケースが多いですね」と西條店長はいう。
マセラティは、見た目の華やかさよりも本質的な製品の良さや、それが生まれたモデナに息づいたイタリア文化を実直に継承、発展させているブランドである。そんな地に足がついたブランド哲学に共感していただけるお客様が多いのであろう。

製品では、現在SUVのグレカーレが主力モデルとなるが、このモデルに代表されるように物理ボタンを極力廃したシンプルでモダンなインテリア、そしてインテリアカラーなどの選択肢の多さもお客様に支持されている理由だという。選択の幅が広いことで「人と違う」自分らしい個性も表現することができる。

西條店長にマセラティの魅力について聞いてみた。「それは、たくさんあるのですが…」と前置きしたあとに、「色気」という言葉が出てきた。どのモデルを見てもスタイリングが美しいことに異論はないだろう。それに加えて女性的な繊細さと男性的な力強さ、ラグジュアリーとスポーティネスなど相反する価値が同居していることから発せられる「色気」がマセラティの最大の魅力だという。

■マセラティ 江東:人の魅力
ショールームを訪れてまず感じるのが、スタッフの心地よい対応である。受付スタッフもたまたま居合わせたサービススタッフも気持ちよく挨拶を交わしてくれる。高級ブランドにありがちな居丈高な雰囲気はまったくない。

そして、西條店長はその笑顔と、一つ一つの質問に的確に答えてくれる姿がとても印象的だ。自分からは話さないのだが、聞けば前職のマセラティ仙台の店長時代は2年連続でメーカーの「ディーラー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している敏腕店長であるという。

マセラティのディーラー表彰制度は売上などだけではなく顧客満足度やサービスなども含み総合的に評価されるらしい。そういった意味でも、ディーラー運営のあらゆることに目配りと気配りができる店長であることがわかる。そしてマセラティジャパンからの信頼も厚い。

自身も15年のキャリアを持つマセラティのプロフェッショナルであるが、マセラティ江東ではセールス、サービスを含めて経験豊かなスタッフが揃う。仙台時代からのスタッフも多くおり、なかには西條店長を慕って転勤を決めたスタッフもいるという。絶対の自信を持っての東京進出である。

「これまでマセラティ江東でご購入いただいた既存のお客様には、リニューアルオープンしてこの店舗が大きく変わったところを知っていただきたいです」と西條店長は言う。
そして特にこれまでイタリア車を検討されてこなかった方や興味を持ってこなかった新規のお客様には、まず実際に車に触れてみてほしいとも。
「イタリア車やマセラティに持たれていた印象が変わると思いますよ」

西條店長にこれからの目標について伺ってみた。新規のお客様に対してはマセラティ江東をもっと知ってもらうために、積極的にエリア内での出張展示会などを行って認知を上げることが最初の取り組みになるということだ。

そして、これまで男性お一人での来場が多かったショールームを奥様やパートナーの方と一緒に来ていただけるような場にすることも挙げられた。「お店全体の雰囲気作り」が店長としていちばん大事な仕事だと言う。

インタビューの最後に、西條店長だったらどんな仕様の車を選ぶか聞いてみた。「あまり、目立ちたくないもので…」と悩みながらも黒のグランカブリオに、黒のホイール、そして白の内装を選ばれた。結果的にはかなり尖った仕様だが、選ばれている様子に「マセラティが好きでたまらない」という雰囲気が溢れ出ている。こんな人たちがいるディーラーから車を買えると楽しいだろうなと素直に思った。

そんなホスピタリティマインドに溢れ、プロフェッショナルなスタッフが揃うマセラティ江東にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。きっとこれまでのクルマへの価値観を変える新しい発見や出会いがあるに違いない。

マセラティ 江東
135-0016 東京都江東区東陽7-5-1
TEL:03-5665-1133
営業時間:10:00-18:00
定休日:火曜日(祝日・年末を除く)
dealers.maserati.com/koto

【取材を終えて】
今回のマセラティ江東は、ショールームの場所はそのままに運営母体が変わる形のリニューアルとなる。パソコンに例えるのは失礼かもしれないが、スタッフも一新し、新しいOSが組み込まれたとでも言えるだろうか。最強スペックに生まれ変わっている。

取材当日は店舗でのイベント初日で、スタッフ全員で前日は遅くまで準備をされたという。
「非効率であるとはわかっていますが、ひとつひとつの細かいことにこだわらないとお客様に満足していただけません。スタッフもそこは理解していて頑張って準備に協力してくれました」と笑顔で語る西條店長。

あぁ、この人は単に車を販売しているのではなくてブランドの世界観をお客様に伝える伝道師的な役割も果たしているのだなと思った。

とても印象に残る良い取材だった。そしてマセラティ江東はきっと今後多くのお客様に親しまれ、存在感のあるディーラーになっていくだろうと感じた。

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