アストンマーティンがカリフォルニアのEV企業、ルシッド グループと提携し、将来の電動化戦略を強化していく。2024年のPHEV、ヴァルハラにも期待が寄せられる。メルセデスAMGや、中国のジーリーとの関係性はどうなるのだろうか?
「ええっ、アストンがカリフォルニアの企業と提携?」意外に思った人も多かっただろう。アストンマーティンは、1,200bhpを超えるルシッド エア サファイアを製造する、カリフォルニアのルシッド グループ(Lucid Group)と提携し、将来のEVスーパーカーのラインナップを強化することとなった。
発表されたところによると、ルシッドはアストンマーティンに現在および将来のパワートレインとバッテリー技術を提供し、イギリスの自動車メーカーのまったく新しいEV専用プラットフォームに搭載する予定だ。
ルシッド エアに搭載されている現在の技術は、430psのシングルモーター後輪駆動セットアップと653kmの航続距離から、なんと1,200bhpを超えるトリプルモーター全輪駆動バッテリーとパワートレインで、2.0秒以下で97km/hを記録するものまである。やれやれ。
実際、アストンのローレンス ストロール会長は、このスピードに感心していた。「当社の戦略と要件に基づき、ルシッドを選択し、当社の将来のBEV製品のために、業界最高の性能と最も革新的な技術へのアクセスを得ることができました」
その未来の中には、2024年に登場するアストン初のプラグインハイブリッド車、ヴァルハラ(写真)が含まれ、その後、この新しいBEVプラットフォームとルシッド技術を採用した同社初のオール・エレクトリック・カーが2025年に登場する。その後2026年には、「アストンマーティンのすべての新しいモデルラインに電動パワートレインのオプションが採用される」という。
メルセデスAMGは、このすべてにおいてまだ役割を担っている。メルセデスAMGは、アストンマーティンの現行モデルと次世代モデル(ICE、ハイブリッド、フルEV)にエンジンと電気アーキテクチャーを提供していくのだ。「メルセデスベンツと並び、アストンマーティンは現在、電動化戦略を実現するための開発と投資をサポートするワールドクラスのサプライヤー2社と協力できる体制を整えました。さらに、最近発表された吉利汽車との長期的なパートナーシップにより、アストンマーティンは同社の幅広いテクノロジーやコンポーネントに加え、中国の主要な戦略市場に関する深い専門知識にアクセスする機会も得られます」と、ストロール氏は述べている。
この電動化計画は、「Racing. Green.」と呼ばれるこの電動化計画は、今後5年間でアストンマーティンを完全な電気自動車メーカーに変身させるための20億ポンド(3,700億円)規模の投資プログラムである。
完全なEVへの旅は、アストンが「本質的な挑戦」と表現するものだ。私たちは、この新しいEVの将来のラインナップが、「卓越した」バッテリー効率、4輪トルクベクタリングを備えたAWD、アクティブなエアロと空気抵抗の低減、そして「空腹な内燃エンジンに空気を供給する必要がなくなることで容易になった、風を逃がす流線型のボディワーク」を持つことを約束されている。
アストンのテクニカル責任者であるロベルト フェデリは、ルシッドとの新たな提携について次のように述べている: 「社内開発と組み合わせることで、ハイパーカーからスポーツカー、SUVまで、将来のすべてのアストンマーティン製品に適した特注のBEVプラットフォームを作ることができるのです」
「さらに、社内のパワートレイン能力を拡大し続けることで、お客様がアストンマーティンに期待し、愛しているスリリングなパフォーマンスと強烈なドライビングエクスペリエンスを提供できるようになるのです」
=海外の反応=
「両社にとって非常に賢明な動きのように思える。Lucidは信じられないほどパワー密度の高いモーターを持ち、アストンのEV製造に失敗した社内の試みを一掃するマッスルカーのスケートボードに乗ってクルマを出荷している。両社は同じような価格のクルマを作る可能性が高いが、典型的なアストンの購買層と典型的なLucidの購買層は、その価格帯で得られるのと同じくらい異なっている」
「サウジアラビアの投資ファンドがルーシッドの大部分を所有。スポーツウォッシング(スポーツカーを出すことで、悪いイメージを払拭するような活動)?」
「いやいやいや…ナシでしょ」