リシャール・ミルがマクラーレン スピードテールをイメージした時計を限定106本発売

リシャール・ミルは、マクラーレン・オートモーティブとの5年目のパートナーシップにあたり、最新かつ最も野心的なコラボレーションRM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテールを発表した。

トップギアの読者なら誰もが耳にしたことがあるであろう、マクラーレンがこれまでに手がけた最速かつ最も完成度が高く、そして最も卓越したロードカー、スピードテールへの賞賛を示しているモデルだ。スピードテールは、世界限定106台で、175万ポンド(2.7億円)だったが、即完売した。こちらの時計も、106本の限定で、予価は119,900,000円。クルマよりは安いけれど、時計としたら、目をみはる価格ではある。

自然界に存在するフォルムからインスピレーションを受け、空力学的に最も効率的なティアドロップ形フォルムのスピードテールは、流線形スーパーカーの真骨頂で、マクラーレンアルティメットシリーズ第3弾の3人乗りのグランドツアラーだ。スピードテールは1,070馬力のハイブリッドパワートレインを搭載し、最高速度250mph/402kphを記録する、これまでのマクラーレンにおいて最速のロードカー。マクラーレンの空力学に対する絶え間ない探究が、RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテールの設計の出発点となった。

マクラーレン・オートモーティブのデザインディレクター、ロブ・メルヴィルは、2つのブランドが理想的なパートナーである理由を、RM 40-01が見事に体現していると述べている。「重量を軽くすること、振動の影響を減らすこと、抵抗を最小限にすること、など様々な問題に取り組む姿勢は、両社の大きな共通点でしょう。RM 40-01の設計に際し、スピードテールの特徴とその背後にあるフィロソフィーを共有するべく、多くの情報を提供しました。スピードテールにおいては、芸術作品のようなクオリティを持つ車の製造を目指していました。それはRM 40-01にも確実にあらわれています。妥協のないデザインや素材、フィニッシングにおいて、スピードテールの様々なディテールを本当に美しく反映しています」

テクニカルディレクターのジュリアン・ボワラが率いるリシャール・ミルの外装開発チームは、18ヵ月にわたり、過去最長となる2,800時間をかけて、完璧なフォルムを完成させた。

スピードテールと同様に、ウォッチのフォルムもティアドロップを模している。ベゼルの刻み目がボンネットの吸気口を、プッシュボタンがフロントホイール後部の排気口を彷彿とさせる。

「スピードテールのティアドロップのフォルムからインスピレーションを得ただけでなく、既存のリシャール・ミルとマクラーレンの各パーツをシームレスに組み合わせるという課題にも直面しました」

「このウォッチは、リシャール・ミルで最高レベルの仕上げを施しています。面取り加工職人や研磨職人とも多くの研究開発を行いました。さまざまなパーツの鏡面仕上げ、ブラスト仕上げ、サテン仕上げ、およびチタンとカーボンTPT®の組み合わせなど、ディテールへのこだわりは格別です。ケース自体は69個のパーツで構成されています」
リシャール・ミルテクニカルディレクタージュリアン・ボワラ

かつてないほど複雑なデザインのため、最適な形状に至るまでに5つの試作品が制作された。課題は6時側よりも12時側のケース幅がはるかに広いことでした。カーボンTPT®製のミドルケースと長さの異なるチタン製ピラーによって分離されているチタンベゼルとケースバックの間は、テーパーを施している。

リシャール・ミルは、RM40-01のアートともいえるムーブメントを守るために、ベゼルのテーパーと厚みの変化を考慮した3次元曲面構造を特徴とする、独特な表面クリスタルガラスを開発した。なお、この開発には18ヶ月を要した。

ストラップもユニークなデザインで、上下非対称になっている。ラバーバージョンにはBiwi社のVulculor®テクノロジーが採用されている。これは、カラーラバーを成形加工することができる特殊なプロセスだ。これにより、ムーブメントの6時位置にあるマクラーレンのアイコンであるオレンジ色のアクセントカラーを手首までまっすぐにつなげることを可能にしている。

このような並外れたケース構造にもかかわらず、リシャール・ミルのテクニカルディレクター、サルヴァドール・アルボナは、スペースを余すところなく使い、洗練された時計の「エンジン」であるムーブメントを作り上げた。これにより、RM40-01は、スーパーカーのスピリットを受け継いだスピードテールの理想的なパートナーとなり得たのである。

グレード5チタンは、ブリッジ、ブリッジネジ、地板、ローター芯などの主要パーツに使用されてきた。RM 40-01のムーブメントCRMT4には、自社製トゥールビヨンでは初めて、パワーリザーブ表示、オーバーサイズデイト、ファンクションセレクターを搭載している。

完璧を追求するために、3つのパワーリザーブシステムが開発され、時計に搭載される最終版が完成した。

このまったく新しいムーブメント構造の開発には8,600時間もの作業を要し、その多くが極めて高度なディテールの完成のために費やされた。

各パーツの複雑さ、無数のディテール、そして何よりもフィニッシングに対するこだわりに関して、RM 40-01は、スイスメイドウォッチの頂点に君臨している。例えばリムはバフ研磨が施され、アングルやべべリングは何段階もの手作業で仕上げられている。

忘れられがちなディテールだが、仕上げは目に見える部分だけでなく、内部の部品の表面にも施されている。歯車は、スピードテールのボンネットを飾るマクラーレンのロゴの形に型抜きされている。また、トゥールビヨンのブリッジに見られるように、スピードテールの曲線を表現するために、ふくらみを持った新しい表面形状をしたパーツが採用されている。

時計の全体的なバランスとラインの滑らかさを維持するために、デイト用のプッシュボタンは8時位置に配置された。これは、一般的な11時位置よりも技術的には複雑だが、見た目の美しさを重視したもの。

プラチナとレッドゴールドの巻き上げローターはスピードテールのボンネットから、バレルはルーフラインからインスピレーションを得ている。また、12時位置から6時位置にかけての緩やかな曲線は、車のコックピットと車体の間にあるブラッシュドメタルの仕切りを連想させる。この仕切りは、マクラーレンがこれまでのリシャール・ミルのウォッチからインスピレーションを得て採用したものだ。その一方で、ムーブメント下部からストラップまで続くオレンジラインは、スピードテールの後部スクリーンに取付けられているブレーキランプからの着想である。

そして、プロモーション動画のかっこよさが素晴らしい。スピードテールの疾走感と、RM 40-01 オートマティック トゥールビヨン マクラーレン スピードテールのウォッチが一体となり、見る人の五感に訴えかけてくる。強いブランド力を持った2社がタッグを組むと、時としてとてつもない怪物を生み出すのだ。

https://www.richardmille.com/ja

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