アストンマーティンがル・マンの両GTクラスで優勝

アストンマーティンが、第88回ル・マン24時間レースで優勝したという嬉しいニュースが入ってきた。フランスのサルト・サーキットで開催されるこの世界的に有名な耐久レースで、2017年にも勝利を収めている。今回は、両方のGTクラスで優勝するという最高の結果を残し、3人のドライバーが表彰台の頂点に登壇した。今回の勝利により、アストンマーティンは、あと1戦を残した状態でランキング2位との差を大きく広げ、FIA世界耐久選手権(WEC)のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得した。

ワークスドライバーのアレックス・リン(英国)、マキシム・マルタン(ベルギー)、過去にル・マンでクラス優勝の経験があるハリー・ティンクネル(英国)のトリオが97号車のヴァンテージ GTEを駆り、24時間にわたってワークスチームのフェラーリと息を呑むようなスリリングなバトルを展開しながら、完璧なパフォーマンスを見せて勝利を収めた。

日曜日の午前3時10分にGTEクラスの最速ラップを記録したアレックス・リンは、次のように述べている。
「本当に感動的な勝利でした。最終ラップでは涙が溢れてきました。3年間にわたってこの素晴らしいレーシングカーのステアリングを握り、ハードワークを続けて、多くの汗を流してきました。まさに、信じられないような気分です」

TF Sportからヴァンテージ GTEで参戦したジョニー・アダム(英国)/チャーリー・イーストウッド(英国)/サリフ・ヨロック(トルコ)組は、GTE Amクラスで優勝し、ドライバーズ・ランキング1位の状態で、バーレーン
・インターナショナル・サーキットで開催される最終戦に臨む。TF Sportは、ヴァンテージ GTEでル・マンを制した最初のプライベート・チームである。

ニッキー・ティーム(デンマーク)、マルコ・ソーレンセン(デンマーク)に、リチャード・ウエストブルック(英国)が加わった95号車は、GTE Proクラスで3位となった。その結果、このデンマーク人コンビは、GTE Proクラスのドライバーズ・ランキングで、チームメイトのアレックス・リンとマキシム・マルタンに15ポイントの差をつけてトップの座をキープし、ドライバー・タイトル獲得に一歩近づいた。

GTE Amクラスでは、長年にわってアストンマーティンのレーシング・ドライバーを務め、大きな期待とともに8度目のル・マンに挑戦したポール・ダラ・ラナ(カナダ)にとって、今回のレースは残念な結果となった。ダラ・ラナとチームメイトのアウグスト・ファルフス(ブラジル)、ワークスドライバーのロス・ガン(英国)のトリオは、素晴らしいペースを保って一時はクラスのトップを快走していたが、ピットストップで大きくタイムをロスして、優勝の夢は叶わなかった。

今回のレースでダブル表彰台を獲得したことにより、アストンマーティンはWECのマニュファクチャラーズ・タイトルを初めて獲得。2位のポルシェとの差は76ポイント、3位のフェラーリとの差は97ポイントだ。

アストンマーティン最高経営責任者(CEO)のトビアス・ムアースは、次のように述べている。「本日、この偉大な勝利を成し遂げた、すべての人々を大変誇りに思います。両方のGTEクラスで優勝し、WECマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得できたことは、チームの献身的な作業、ヴァンテージ GTEの高い戦闘力に加え、このレースカーのベースとなった市販モデルのヴァンテージの優れた品質を証明するものです」

2020年のル・マン24時間レースにおいて、GTクラスで優勝したアストンマーティンの97号車は、13.8kmのコースを346周した。GTEクラスの最速ラップを記録したのはアレックス・リンで、タイムは3分50秒321であった。アストンマーティン・レーシング・ドライバーの中で、もっとも長い時間ステアリングを握っていたのは、ニッキー・ティーム(10時間2分35秒)だった。

ドライバーのコメント:
アストンマーティンヴァンテージ GTE 97号車、アレックス・リン(英国):

「本当に感動的な勝利でした。最終ラップでは涙が溢れてきました。3年間にわたってこの素晴らしいレーシングカーのステアリングを握り、ハードワークを続けて、多くの汗を流してきました」

アストンマーティンヴァンテージ GTE 97号車、マキシム・マルタン(ベルギー):
「アストンマーティンでル・マンを制することができて、最高の気分です。非常に厳しいレースでした。
フェラーリは強く、22時間以上にわたってバトルを展開していました。ル・マンで優勝することは、特別な意味を持っています。私たちは2年間、悪戦苦闘しながらここで学び、マシンを改善し、周到に準備して、ついに優勝することができました。まさに、感動的な瞬間です。アレックスは素晴らしい仕事をしました、ハリーは初めてドライブするマシンで信じられないような走りをしました。そして、チームも完璧でした」

アストンマーティンヴァンテージ GTE 97号車、ハリー・ティンクネル(英国):
「チームの一員としてこの勝利を体験することができ、非常に幸運でした。アストンマーティンと共にル・マンで優勝できて、素晴らしい気分です。ル・マンにおけるアストンマーティンの長い歴史や、自宅で応援してくれた熱狂的なファンの声援を感じることができました。本当に特別な体験です。アストンマーティンの歴史の名を連ねることができて、信じられないような気分です」

アストンマーティン副社長チーフ・スペシャル・オペレーションズ・オフィサー兼アストンマーティン・レーシング社長デイビッド・キング:
「この3年間、チームは新型ヴァンテージと共にハードワークを続け、最強のライバルを押しのけてル・マンで優勝し、チャンピオンシップのタイトルを獲得することができました。ドライバーとマシンにとって究極のテストと呼ばれるこの耐久レースにおいて、アストンマーティンヴァンテージが、名うてのライバルを打ち負かすことができたことを、大変誇りに思っています。今年は、このサーキットで、ブランド・パートナーの方々、私たちのお客様やファンの方々をお迎えすることができずに大変残念です。それでも、私たちは、皆様のサポートを感じて戦い、暖かいメッセージや声援に本当に感謝しています」

トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2020/09/25192/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 063

アーカイブ