2020年登場のゴールドフィンガー DB5 コンティニュエーションへと継承
アストンマーティンDB4 GT ザガート コンティニュエーションの第1号車が、今週末に開催される耐久レース、ル・マン24時間でデビューを飾る。このクルマは、DB4 GT ザガート コンティニュエーションとDBS GT ザガートという2台のモデルから構成されるアストンマーティンDBZ センテナリー・コレクションの1台だ。
DBZ センテナリー・コレクションの価格は、英国で税抜600万ポンド(8.3億円)。納車は、DB4 GT ザガート コンティニュエーションが2019年第3四半期、DBS GT ザガートが2020年第4四半期開始を予定している。
サルト・サーキット内のアストンマーティンVIPホスピタリティ・ブースでベールを脱ぐDB4 GT ザガート コンティニュエーションは、19台限定で生産されるこのモデルの最初の完成車で、過酷な戦いが繰り広げられる24時間耐久レースの開催期間中に展示される。
サーキット専用スポーツカーのDB4 GT ザガート コンティニュエーションは、2017年に開始されて大きな成功を収めているコンティニュエーション プログラムの最新プロダクション・モデルであり、約4,500時間もの綿密かつ厳格なクラフトマンシップの集大成となっている。
これまでのコンティニュエーションモデルと同様、DB4 GT ザガート コンティニュエーションも、英国バッキンガム州ニューポート・パグネルに本拠地を置く、アストンマーティンのヘリテージ部門で製造される。世界中のアストンマーティン・レストア・センターの中でも最大の規模を誇り、最高の設備と経験、高度な専門知識を誇るアストンマーティ・ワークスは、100周年を祝うプロジェクトの拠点として最適な場所だ。
これはアストンマーティンコンティニュエーションプロジェクトの最新作であると同時に、これまでの最高傑作として、世界でもっとも著名なイタリアのコーチビルダー兼デザインスタジオであるザガートとの50年以上に及ぶコラボレーションの歴史を物語っている。
ロッソ・マハと呼ばれるレッドにペイントされたDB4 GT ザガート コンティニュエーションは、オリジナル・モデルの塗料メーカーであるMax Meyer & ICIが調合したカラーを完璧に再現している。インテリアは、オブシディアン・ブラック・レザーを基調とし、カーボンファイバー製シート、ドアカード、ヘッドライナー、リア・エリアには、すべてこのレザーが採用された。フロアには、オブシディアン・ブラック・レザーの縁取りが施され、オブシディアン・ブラックによるマッチング・ステッチが施されたブラック・ウィルトン・カーペットが敷かれる。
このニューモデルには、DB4 GT コンティニュエーションのパワーユニットとして採用された直列6気筒ガソリンエンジンの4.7リッター・バージョンが搭載される。最高出力は390bhpだ。このパワーは、4速マニュアル・トランスミッションとリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを介してリアホイールに伝達される。コンティニュエーション仕様のインストルメントと、FIA公認ロールケージに加え、シルバーにペイントされ、リップ部に光沢仕上げが施されたボラーニ・ホイールが標準装備される。
1960年代にサーキットでフェラーリと戦うために製作されたDB4 GT ザガートは、まさにサラブレッド・マシンと呼ぶにふさわしいクルマであった。モータースポーツという過酷な環境の中で誕生し、息を呑むような美しいデザインが与えられたこのクルマは、わずか19台が製作された。アストンマーティン・ワークスの比類なき知識と専門技術によって誕生した2019年バージョンは、1960年代にアストンマーティンとザガートが実現したオリジナルのDB4 GTを忠実に再現するために、細心の注意を払って製作されている。折しも、今後アストンマーティンではミッドエンジンスーパーカーのジャンルにおいて、フェラーリをはじめとしたイタリア勢に斬り込んでいく、とジュネーブモーターショーで宣言されたのは、歴史の皮肉のようにも感じられる。
各モデルは、デイヴィッド・ブラウン卿の時代から受け継がれているクラフトマンシップ、最先端のエンジニアリングによって強化されたパフォーマンスを組み合わせ、最高の品質で組み立てられている。例えば、デジタル・ボディ・スキャン技術を採用することで、アストンマーティンのエンジニアがコンティニュエーションのボディを詳細に調べることが可能になっている。その一方で、DB4 GT ザガート コンティニュエーションのボディパネルは、1.2mm厚のフラットなアルミニウムシートから製作され、60年代当時のテクニックを再現しながら、数百時間にも及ぶ超一流のクラフトマンシップによる手作業で仕上げられており、最先端の技術をクラシカルな熟練の技が融合している。
DB4 GT ザガートは、ショートシャシーのDB4 GTの発展進化バージョンとして登場した。コンティニュエーション仕様においても、サーキット走行に最適化した軽量チューブラー・フレームを薄板アルミニウム製ボディパネルで覆うという、その当時と同じ手法が採用されている。
DB4 GT ザガート コンティニュエーションは、アストンマーティンDB4 GT コンティニュエーションの最新モデルだ。DB4 GT コンティニュエーションは、25台が限定生産され、2017年に熱狂的なコレクターの手に渡ってきた。コンティニュエーションモデルの系譜は、2020年に登場する予定の最も野心的なモデル、ゴールドフィンガー DB5 コンティニュエーションへと受け継がれる予定だ。
アストンマーティン・ラゴンダ社長兼グループ最高経営責任者(CEO)のアンディ・パーマーは、次のように述べている。「最新のコンティニュエーションモデルの開発と製造は、それだけでも偉業であり、決して過小評価してはならないと感じています。実際、私たちは、これらのニューモデルとともに新たな歴史を作っていると言っても過言ではありません。DBZ センテナリー・コレクションを発表することで、この記念すべき年に、アストンマーティン・ブランドとザガートの緊密かつ長期的なパートナーシップを祝福することは非常に大きな意義があります。個人的にも、このプロジェクトが、DB4 GT ザガート コンティニュエーションという形で結実したことを非常に誇りに思います」
アストンマーティン・ワークス社長のポール・スパイアーズは、次のように述べている。「アンディと同様、DB4 GT ザガート コンティニュエーションをいう壮大なプロジェクトを実現させたチームを大変誇りに思います。DB4 GT コンティニュエーションは、前例のないレベルの成功を収めました。これらのモデルは、アストンマーティンの歴史に再び新たな息吹を吹き込むことに成功したのです」
なお、トップギア・ジャパン028号では、ポール スパイアーズ氏が登場し、電動化したDB6について語っているので、そちらもぜひ。