フィアット トポリーノに「Sport」登場!見た目だけスポーティな超小型EVの実力とは?

フィアットの超小型EV「トポリーノ」に、早くも特別仕様車「Sport Special Edition」が登場した。1958年の名車にインスパイアされたというが、果たしてその走りは本当にスポーティなのか?最高速度45km/h、エアコンなし、乗り心地はショッピングカート並みという過酷なスペックを抱えながらも、なぜか憎めないこの小さな車の「ヤバすぎる」実態を英国トップギアがシニカルに斬る。


フィアットの小さなトポリーノが産声を上げたばかりだというのに、我々はすでに特別仕様車の領域に足を踏み入れている。ローンチ時には「Verdevita(青緑色)」または「Corallo(コーラルレッド)」がメインカラーとなるはずだが、その後は新バージョンの世界が待っている。

まず登場するのは「Sport Special Edition(スポルト スペシャルエディション)」だ。主に「若い層」をターゲットにしており、どうやら1958年の「Nuova Sport 500(ヌォーヴァ スポルト 500)」からインスピレーションを得ているらしい。

マーケティング部門のくだらない戯言は「紛れもないダイナミックな存在感」を謳っているが、その中身は…色とストライプである。白に赤のストライプ、青に白のストライプ、黄色に黒のストライプ、そして黒に赤のストライプだ。確かに見間違えようがない。

さらに、黒いヘッドライトフレーム(おぉ、すごい)、マットブラックに塗られたホイール、黒いミラーキャップ、そしてSportバッジが付いてくる。室内には黒いシートと、カーボン調のビニールで巻かれたダッシュボード上のボックス(彼らはこれを「Dolcevita Box(ドルチェヴィータ ボックス)」と呼んでいる)、そして新しいタイプのシートベルトが装備されている。しかし、メカニカルな部分は一切変わっていない。つまり、この「Sport」は名前だけがスポーティなのだ。

おそらく、少なくとも見た目においてより興味深いのは、フランスの海辺のブランドであるVilebrequin(ヴィルブレカン:高級スイムウェアブランド)とのコラボレーションモデルだろう(写真下参照)。エクステリアカラーはブルーの上にホワイトがあしらわれ、布製のサンルーフが備わり、ダッシュボックス全体には同社のシグネチャーである亀の刺繍が施されている。しかし、これを手に入れるのは至難の業だ。わずか200台限定で、すべてイタリアとフランス向けに割り当てられているからだ。


背景を説明しておくと、この車はトポリーノ(イタリア語で「ハツカネズミ」の意)と呼ばれている。もしあなたが十分な年齢を重ねているなら、フィルターなしのタバコをふかし、大きなサングラスをかけた底抜けにクールなイタリア人たちが、ローマの汗ばむような路地を押し合いへし合いしながら走り回る姿を想像するだろう。なんといっても、初代トポリーノが誕生したのは1936年のことで、まるでおもちゃのような見た目をしており、発売当時は世界で最も小さな車のひとつだったのだ。

しかし、最も記憶に残っているのはフィアット 500(1957年〜1975年)の方だろう。どうしようもなく小さく、今でも小型車としての巨大なエネルギーに満ち溢れている。あの車が小さかったのは、大きな車を買う余裕がなかったからではなく、イタリアの中世から続く狭い路地に合っていたからだ。そして今、新たな一台が登場した。

やはり今回も小さい。全長はわずか2.5m強、全幅は1.5mだ。無邪気な顔つきと少し漫画チックなルックスは健在だが、今回はフィアットが仕掛けるマイクロモビリティ(超小型移動手段)攻勢の先鋒である。そう、基本プラットフォームや全体的な見た目は姉妹車であるシトロエン アミと同じだが、フィアットならではのひねりがいくつか加えられている。そのすべてがポジティブなものというわけではないが。

さて、基本から見ていこう。プラスチック製のボディは、修理のしやすさを考慮して前後左右が対称になっている。つまり、シトロエン アミと同じように、前後どちらに進んでいるのかわからない「ドリトル先生の双頭の動物」のような見た目をしているのだ。さらに、ドアは文字通り同じ金型で作られているため、ヒンジの支点がすべて同一になり、運転席側のドアはスーサイド・ドア(後ろヒンジで前が開くタイプ)、助手席側は通常のドアになっている。

室内には、プラスチックのスライド式ベースにクッションを乗せただけのシートが2つあり、バー状のダッシュボードの上に少しの収納スペース、その下にはバゲットのような形をした素材が敷かれている。あとはシンプルなドライバー用ディスプレイとスマホホルダーがあるだけだ。ざっとこんなところである。少なくとも掃除は非常に簡単だが、極限まで削ぎ落とされた絶対的な質素さだ。

床下には7.4kWhのバッテリー(ただし実際に使用可能な容量は5.5kWhのみ)が搭載されており、後輪を駆動する8馬力のモーターと組み合わされている。ゼロから最高速度に達するまで10秒かかるというが、この小さな都会派モビリティは全力でも45km/hしか出ないため、信号待ちではスクーターに惨殺されることになる。この車にもシトロエン アミにも言えることだが、交通の流れの中で本当に役立つためには、発進時にもう少しパンチが必要だったのではないかという気がしてならない。現状では、常にみんなの邪魔をしているような気分になる。

また、ハンドリングは乳母車のようであり、乗り心地はショッピングカートのようだ。手持ち扇風機を取り付けるためのマウント以外、エアコンや空調設備(HVAC)は一切ない。フレームの四角いチューブの接合部には至る所にシーラントが塗られており、溶接の中には私がやったのではないかと思えるようなものもある。目隠しをして。おまけに酔っ払った状態で。ちなみに、私は溶接などできない。ほとんどの客観的な評価によれば、これはちょっとしたゴミである。

それでも、もしあなたが「ここから、すぐそこのあそこまで」といった非常に限定的な距離の通勤をしたり、近所のお店にふらっと出かけたり、狭い街の路地を早歩き程度のペースでのんびり走り回ったりするだけなら、トポリーノには若者たちが言うところの「バイブス(良い雰囲気)」がある。運転して楽しいわけではないが、人々の顔に笑顔をもたらし、謙虚さを感じさせ、その親しみやすい美学にぴったりと寄り添っている。それに、ドアを取り外して太いロープに付け替えることだってできる。ニースやアンティーブ(南仏のリゾート地)辺りでは流行るかもしれないが、ボルトン(イングランド北部の工業都市)ではそうはいかないだろう。

だが正直なところ、これもまたシトロエン アミと同様に、ある種のキャラクターを持った車なのだ。どこにでも駐車でき、ドアを壁にぶつけても平気で(パネルはすべて素材そのものに色がついているため、傷が目立たない)、ドアの隙間に常設されたケーブルを使えば、家庭用の普通のコンセントから4時間で充電できる。金属フレームにくっつくはずの「Monster」ブランドのマグネット式スピーカーも用意されており(我々が試したところ数秒で落っこちてしまったため、その後はダッシュボードの上に鎮座することになったが)、これが驚くほど軽快なサウンドトラックを提供してくれる。

1960年代のアクセサリーを彷彿とさせるリアのラゲッジラックもあり、カラーバリエーションもいくつか用意されている。ただし、車体は塗装されていないため(前述の通り、プラスチックの単一色である)、さまざまな色合いが四半期ごとに1色ずつ段階的にリリースされることになるらしい。つまり、この車は楽しく、新鮮で、環境への影響が非常に少ないのだ。

価格設定は興味深い。ズバリ8,995ポンド(185万円)である。車としては安いが、雨に濡れないこと以外はスクーターと大差ないL7規格の四輪自転車(超小型モビリティ)としては高額だ。特別仕様車となればなおさらである。しかしヨーロッパでは、この車を月額39ユーロ(6,600円)でレンタルできる。これはテレビのサブスクリプションよりも安い金額だ(ただし、頭金についての言及はなかったが)。

もしイギリスでも同じような条件になるのなら、雨の降る火曜日の朝、地下鉄やホンダのカブに乗るよりはトポリーノの方が魅力的な選択肢になるだろう。だが、その用途は非常に狭く、都市部に限定される。意図された通りに使える人にとっては、素晴らしい車になるはずだ。しかしイギリスでは、たとえ都市部であっても、この車を見かける機会はごくわずかだろう。

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=海外の反応=
「たったの月額39ユーロで何も所有せずに幸せになれるってわけか。お偉いさんからこの車もどきのサブスクを借りて、連中が乗り回すバカでかいSUVにぺちゃんこにされるんだな👌🏻」
「俺なら両足に1台ずつ履いて、ローラースケートみたいにして買い物に行くね;-)」
「いいね、これでトラクサス(アメリカのラジコンメーカー)のラジコンと勝負できるな」
「TG(トップギア)のライターたちへ(あと多分フィアットにも):Go-polino(ゴー・ポリーノ)。これで決まりだろ」
「2つの言葉を贈る。トポリーノ + アメリカ。笑うのをやめれば、例えばボストンみたいな街ならギリギリ使い物になるかもしれないぞ。中世とは言わないが、野生動物が道を切り拓いたようなコロニアル様式の街並みだからな。まあ、あれは中世みたいなもんだし…」
「見た目はシトロエン アミよりずっと良くて好きだけど、これはかなりニッチな車だよな。イギリスの購買層の多くがこのコンセプトを理解できるとは思えないけど、一家に一台のセカンドカーかサードカーとして、街中をかっ飛ばすためだけになら完璧かもしれないな」

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