世界初のF1ドリフトマシンを誕生させるべく、狂気の天才マッド マイクがまたしても規格外のプロジェクトを始動させた。なんと1986年製マーチのF1シャシーに、マツダのロータリーエンジンを搭載するというのだ。F1特有のグリップや切れ角の問題をどう克服するのか? モータースポーツファンの常識を覆す、前代未聞のドリフトカー製作の舞台裏に迫る。
マイケル ウィデットという名の紳士が、世界初のF1ドリフトマシンを製作すべく、1986年製マーチ(イギリスの名門レーシングカーコンストラクター)のF1シャシーにロータリーエンジンを搭載する計画を明らかにした。
もちろん、熱心なモータースポーツファンなら「適度な雨と、タイヤを労らない健全な無頓着ささえあれば、どんなF1マシンだってドリフトマシンに早変わりするさ」と言うだろう。だが、こいつは少し事情が違う。
「正直なところ、かなり恐ろしいよ」と語るのは、トップギアが過去に報じてきた数々のクレイジーなプロジェクトでお馴染みの「マッド マイク(本名:マイケル ウィデット)」だ。「トニと俺がこれまで挑んできた中で、間違いなく最も狂ったプロジェクトを進めているんだ」。ちなみにトニとは、マッド マイク モータースポーツのマネージャーのことである。
彼らがタッグを組んで使用するのは、1986年製のマーチ 87PのF1シャシーだ。元々はF3000用に開発され、当時のマーチのやり方らしく、後にF1にも流用された代物である。(筋金入りのモータースポーツファンなら、マーチ エンジニアリングとそのF1における歩みを懐かしく思い出すことだろう。あのエイドリアン ニューウェイ(F1界の天才空力デザイナー)も、ここで素晴らしい実績を残している)。
その87Pは元々フォード コスワースV8エンジンを搭載しており、1987年のモナコGPではシーズン最高の6位に入賞している。マイクはその由緒あるコスワースV8をポイと捨てて、代わりにロータリーエンジンをぶち込もうとしているのだ。なぜかって? やらない理由がないからだ。マイクによれば、そのためには車体のリア部分を完全に再設計する必要があるという。
マイクはロータリーパワーをこよなく愛している。少し前にもMX-5(日本名:マツダ ロードスター)やマクラーレン P1にロータリーエンジンを突っ込んでいた。プロジェクトの作業はすでにニュージーランドで始まっており、その全プロセスは有名な動画共有サイトで公開される予定だ。
「限られた予算の中、シングルマザーに育てられた俺は、古いラジコンカーを組み立てては壊し、改造を学んで時間を過ごしてきた」とマイクは語る。「その道のりが今、俺に夢のF1マシンを作り上げさせ、世界中に披露して楽しませるというところまで導いてくれたんだ」
完成次第、すぐにお知らせしよう。
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=海外の反応=
「時間の無駄だな」
「正真正銘のマッド(狂気)だよな」
「まあ改造してなんとか走らせるつもりなんだろうけど、F1マシンってステアリングラックの構造的にも、切れ角の面でもドリフトに向いてるって代物じゃないんだよな。大抵のドリフト車は、普通の市販車以上の45度くらいまでステアリングが切れるようにラックや切れ角を改造してる。ドリフト車は、ドライバーが意図的にスロットルを大きく開けながらステアリングを切り、それからスライド方向へカウンターステアを当てることでドリフトを誘発させるんだ。
F1マシンでその方法をやっても、切れ角が足りなくてカウンターを当てきれず、一瞬でスピンして終わるのがオチだろう。そもそもF1マシンは強烈なグリップを発揮するように設計されてて、限界を超えると一気に破綻(スナップ)するからな。F1の予選を見てみろよ。限界を超えたマシンは唐突かつ暴力的に挙動を乱すし、あの状況で立て直せるのは運とスキルの賜物だ。
それか、サイドブレーキを付けるか、ブレーキバランスを変えてリアブレーキをロックさせてドリフトのきっかけを作る手もある。でもやっぱり、レース用のステアリングラックと切れ角の少なさ、それにあのハイグリップのせいで、リアが流れた途端にスピンして終わりって未来しか見えないぜ。
とはいえ、マイクにそれを説明する気はないけどな。自分で試して痛い目を見たいなら、勝手にやらせておけばいいんだよ」
↑「…それとも、男が夢の車を楽しそうに作ってるのを『実はこいつはバカだ』なんて上から目線で語らずに、純粋にスゴいドリフトマシンができるのを楽しみに待ってりゃいいんじゃないか?」
↑「技術的な限界ってのは素人目にも明らかだろ。F1マシンにはドリフトできるだけのステアリングラックも切れ角もないし、グリップやシャシーの剛性が高すぎるんだよ。F1マシンが限界を超えた時にどうなるか見てみろ。切れ角が足りなくてスピンを止められないから、一瞬で破綻してコマみたいに回るだろ。
スライドを誘発させるには、ステアリングを切りながら急激にパワーをかけて、それからスライド方向にカウンターを当てるのが定石だ。それがドリフト車で成立するのは、カウンターを当てるだけの切れ角(45度)があるからだ。元々グリップが高いF1マシンなら、リアタイヤを滑らせるのにより強烈なパワーが必要になるし、より唐突に破綻してスピンする可能性が高い。リアホイールをロックさせるサイドブレーキがあれば少しはやりやすいかもしれないが、F1マシンの剛性と切れ角のなさのせいで、結局は破綻してスピンするだろうよ。
基本的な観察から得られる事実が、君にとって都合が悪かったなら謝るよ。他の誰もF1のドリフトカーを作ろうとしなかったのは、おそらくうまくいかないってわかってるからだろうさ」
↑「マッド マイクは自分のマシンにすげえ手間をかけるし、あのマクラーレン P1のドリフトカーの時みたいに大幅な改造をするだろ。F1のドリフトカーって呼ぶのはちょっと語弊があるかもしれないけど、マーチのF1シャシーをベースにしたドリフトカーになるんだろうな。なんにせよ、どんな仕上がりになるか待ちきれないぜ」
↑「ああ、問題はF1マシンがドリフトするには根本的に硬すぎるし、剛性が高すぎるし、グリップしすぎるってことだと思う。ステアリングシステムなんかをまともに機能させるだけでも、かなり大掛かりな改造が必要になるはずだ。80年代のものでさえF1マシンのグリップは強烈だから、限界域ではかなり予測不能な形で一気に破綻する可能性がある。どうせ作り上げてから、豚みたいにひどいハンドリングだって気づくんだろうよ」
↑「楽しむことを許さない自治厨のお出ましだな」
「次はケーニグセグをイジり倒すんじゃないか」



