【MotoGP 26】名物実況ギャビン エメットが語る!新作ゲームの進化と波乱の2026年シーズン

人気モーターサイクルレーシングゲームの最新作『MotoGP 26』が、PCおよび各コンソール向けにリリースされた。今回トップギア ジャパンは、MotoGPの公式実況としておなじみの名物アナウンサー、ギャビン エメットへのインタビューを敢行した。実際のプロライダーたちもコース学習に使うというゲームの驚異的なリアルさから、絶対王者マルク マルケスの苦戦など波乱含みとなっている2026年シーズンの展望まで、モータースポーツ界を代表する「声」が熱く語ってくれた。


今年、MotoGPは1989年以来初めて、ブラジルのゴイアニア サーキット(アウトドローモ・インテルナシオナル・アイルトン・セナ・デ・ゴイアニア。ブラジル中西部にあるサーキット)へと戻ってきた。ベテラン放送作家兼実況アナウンサーのギャビン エメットが、レースウィークの金曜日の午後、TNT(イギリスのスポーツ専門チャンネル、旧BT Sport)のチームと一緒にコースサイドを歩いていたところ、一人の子供が彼に歩み寄ってきた。

「そしたらその子が、『ゲームの声をやってるおじさん?』って言うんだ」とエメットは語る。「笑っちゃったよ。だって、ここはブラジルだぜ。俺たちは80年代以来ここ(ゴイアニア)に来てなくて、どんなカルチャーが根付いているのか気になっていたところだったんだ。それなのに、サインをねだってくるガキんちょがいるんだからな。当然、そのあとスタッフには散々からかわれたよ」

これは、Milestone(マイルストーン:イタリアのゲーム開発会社)が手掛ける『MotoGP』ゲームシリーズが、Dorna(ドルナ・スポーツ:MotoGPの商業権を持つ企業)と新たなオーナーであるLiberty Media(リバティメディア:F1の親会社でもあるアメリカのメディア企業)が企む「真の国際的なオーディエンスに向けてこのスポーツを成長させる」という壮大な計画において、いかに重要であるかを示している。エメットは2000年代初頭からMotoGPに関わり、公式の国際放送フィードとBT Sport/TNT Sportの週末中継の両方で「声」を務めてきた。若いファンが、彼のその甘美な北部訛りの声を主にゲームから認識したという事実は、多くを物語っている。

そして、それが重要なのはファンにとってだけではない。このシリーズはモータースポーツ界では異端な存在だ。というのも、シミュレーター偏重のF1の世界とは異なり、ライダーたちは実際にこのゲームを使ってコースを学習しているからだ。

「マジなんだよ」とエメットは言う。「ブラジルにいた時、ジョー ロバーツ(Moto2クラスのアメリカ人ライダー)とコースを歩いていたら、彼が『ああ、ゲームやってるよ』って言うんだ。そんなのしょっちゅうだ。去年のハンガリーのバラトン・パーク(2025年からカレンダー入りした新サーキット)でデビッド アロンソ(Moto3クラスのコロンビア人ライダー)と話した時も、彼は基本的に『間違いない(ゲームで練習している)』って言ってたね。そりゃあ、そうするだろ?

「彼ら(ゲーム開発陣)が作っている3Dレンダリングのクオリティは驚異的だ。超絶リアルなんだよ。それに、俺たちの世界にはF1のようなシミュレーター文化がない。『Motoトレーナー』(バイク型の本格的なシミュレーター)みたいなシミュレーターも悪くはないけど、レーサーたちはそんなの使っちゃいない。彼らはペドロ アコスタ(若き天才と称されるスペイン人ライダー)と同じことをしている。ムルシア(スペイン南東部の都市)にあるちっぽけで薄汚れた小さなサーキットを、ボロボロの古いKTMの800ccバイクで走り回るんだ。でも、実際のレーストラックは学習しなきゃいけない。そして、それができる唯一の場所が『MotoGP』のゲームなんだ」

現在PCおよびコンソール向けに発売中の『MotoGP 26』は、エメットがその声の才能を貸し出した13作目のゲームとなる。「最初の頃の作品をやった時は、ロンドンで収録したんだ。すべての台詞を読み終えるのに2、3日かかったよ」

コロナ禍以降は、リーズ(イギリス・ウェスト・ヨークシャー州の都市)の自宅での収録が増えたという。エメットによれば、そこはレース当日の彼の実況ブースと驚くほどよく似ているそうだ。

「多くの人は、俺たちがグランドスタンドのてっぺんに座って、フィニッシュラインの真上からフロントストレートを見下ろしていると思ってる。

「でも実際は、窓のないブースの中にいるんだ。ポータキャビン(仮設のプレハブ小屋)、基本的にはそういうものの中にいる。窓なんて一つもない。あるのはモニター画面だけ。おまけに暑いし、防音のために周りは毛布だらけだ。だから、ロンドンだろうがリーズだろうが、防音ブースにいるのと大して変わらないんだよ」

『MotoGP 26』ではいくつかの注目すべき変更が導入されているが、これらは「今回はどのように、そしてなぜ、バイクから放り出されて月まで吹っ飛ばされるのか」というカテゴリーに分類できる。ライダーベースのハンドリングは物理モデルを見直し、プレイヤーをプロトタイプマシンの、より即時的でダイレクトな、革ツナギを汚すようなヒヤヒヤするコントロールへと引きずり込む。一方で、カスタムキャラクターを作成する代わりに実在のライダーを選べるようになったり、ダウンタイム(レースの合間のオフの時間)に市販のロードバイクでレースできるようになったりと、新しいキャリアモードのオプションが、従来のやり方にさらなるマイレージ(寿命)を与えている。

しかし、今年のゲームの最大の魅力は、間違いなくそれが描写している実際のシーズンそのものだ。

順当にいけば、2026年シーズンは今頃すでにマルク マルケス(8度の世界チャンピオンに輝くスペインの英雄)に支配されているはずだった。2025年のファクトリー ドゥカティ チームでの彼の最初のシーズンは、エリートライダーとエリートマシンの幸福な結婚を象徴しており、完全に、いや、退屈なほど圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。今年はそれと同じことの繰り返しになるはずだった。ところが、マルケスは日曜日の決勝レースでまだ一度も勝てていない。最も力強く見えるのは、マルコ ベッツェッキのアプリリアと、新たに再構築された「マルティネーター」ことホルヘ マルティン(スペイン人ライダー、ホルヘ マルティンの愛称)だ。トップのドゥカティは誰かって? もちろん、ファビオ ディ ジャントニオだよ。

「この先何が起きようとも」とエメットは言う。「俺たちには語るべきストーリーがある。マルティンのラザロ(キリスト教で死後復活したとされる人物)のような奇跡の復活劇になってもいいし、ドゥカティから見放された男ベッツェッキが、アプリリアで現れてチャンピオンシップをかっさらっていってもいい。

「もしマルク マルケスが、またしても怪我から復帰してチャンピオンシップを勝ち取ったとしたら、それも最高だ。ペドロ アコスタがKTMで『ミスター コンシスタント(安定感の塊)』になるのもいい…。何が起きようと、俺たちの手には最高のチャンピオンシップがあるんだ」

ささいな細部を楽しみ、オタクレベル(イギリスのスラングで「アノラック」)の熱狂が伝染してくる『MotoGP』のゲームそのものと同じように、エメットはこのスポーツに対して情熱的だ。もし頼まれていたなら、彼は3日間どころか6日間だってあの録音ブースにいただろうし、それでも彼から語るべき言葉が尽きることはなかっただろうと実感させられる。

「俺たちは、このスポーツについて語り、その物語を伝える立場にいる幸運な人間だと分かっている。それが伝わればいいんだけどな」
心配しないでくれ、ギャビン。ちゃんと伝わってるよ。
ところで……あなた、あのゲームの声をやってるおじさんだよね?

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