新型VW ゴルフ GTI エディション50、ニュル新記録の舞台裏:「キャリア最高のラップだった」とドライバーは語る

”グリーンヘル”で新たな金字塔を打ち立てた直後のベニー ロイヒターに独占インタビューを行った。

外車限定の車買取サービス【外車バトン】
エンジニアファクトリー

ベンヤミン ”ベニー”・ロイヒター。TopGear.comの読者の皆様にはお馴染みの人物かもしれない。恐るべき才能を持つレーサーであり、常勝ドライバー、そしてフォルクスワーゲンの公式テストドライバーである彼が、我々の目に留まったのは2016年のこと。Mk7 ゴルフGTI クラブスポーツSを駆り、”グリーンヘル(緑の地獄)”ことニュルブルクリンクで7分49秒21という、当時のFF市販車最速記録を樹立した時だ。

その後、2022年にはMk8 ゴルフ R 20 Yearsで7分47秒31を記録し、自身のタイムを更新。そして今回、彼はそれすらも上回る7分46秒13という驚異的なタイムを、路面が湿ったトラックで叩き出してみせたのだ。ベースとなったのは、最新のMk 8.5 ゴルフ GTI エディション50である。

「最高の気分だよ」と、彼はマシンを降りた直後、興奮冷めやらぬ様子で語った。「正直、今日のコンディションでこのタイムが出るとは思っていなかった。テストでこのクルマのポテンシャルは分かっていたけど、それでも今日が自己ベストだ」

「マシンのポテンシャルを100%引き出した。最初のセクターを走って、路面のグリップが低いことは分かっていた。まともなタイムを出すには、高速コーナーで思いっきりプッシュするしかない… あのラップは、我ながら信じられないくらい phenomenal(驚異的)だったよ」

この記録をさらに特別なものにしているのは、前夜の豪雨の後、彼に与えられたアタックチャンスがたったの一度きりだったという事実だ。チームは午前中いっぱい、路面が乾くのをただひたすら待ち続け(そして祈り続け)ていたという。では、もしコンディションが完璧だったら、もっと速く走れたのだろうか?

「ノルドシュライフェ(北コース)では、いつでもタイムは削れるものさ。完璧なコンディションなら、あと2.5秒は縮められるポテンシャルがあると思う。でも、今日僕が刻んだラップは、間違いなくキャリア最高のラップのひとつだったよ」

「(車両ダイナミクス責任者の)フロリアンにも言ったんだけど、この5年間で一番ストレスレベルが高かったかもしれない。本当に、本当に全神経を集中させていたんだ」

過去の記録を打ち立てたゴルフたちと比較して、最大の進化はどこにあると感じているのだろうか?

「今振り返ると、特にステアリングの応答性とクルマの反応だね。このクルマは格段に俊敏で、ドライバーに伝わってくるインフォメーションが圧倒的に多い。だから、クルマの限界をさらに引き出せるんだ。クルマとの一体感が格段に増したよ」

「(比較すると)特にクラブスポーツSはかなり荒々しいマシンだった。このクルマはもう少し落ち着いているけれど、その分、限界域でプッシュしやすい。経験の浅いドライバーなら、クラブスポーツSよりもこのクルマの方がずっと速く走れるだろうね」

全長20km以上、154ものコーナーを持つこのコースで、ラップ中ずっと100%の集中力を保ち、毎回正しいラインをトレースする秘訣は何なのだろうか?

「楽しむこと。楽しめば、すべては自然についてくる。僕はこのクルマを心から楽しんでいる。ドライバーがクルマを楽しめれば、喜んで限界まで攻められるものなんだ」

「すべてが始まった場所を振り返ると、感慨深いものがあるよ。僕が初めて所有したクルマはMk6のGTIだったし、母もGTIに乗っていた。そしてクラブスポーツSでラップレコードを出し、今度は50周年記念モデルで記録を更新した。本当に嬉しいことだね」

となれば、当然お祝いが必要だろう。「この2週間、体重管理を徹底してきたからね」とベニーは笑う。「だから今日くらいは、美味しいピザかステーキを気にせず食べるよ! 今週末もレースがあるから、お祝いはほどほどにして、明日からはまたレースウィークに集中しないとね」

そして、また近いうちに、彼はとんでもない記録を叩き出してくれるに違いない。

【エレクトリック アワード 2025】ロータス エヴァイヤ/ルノー 4, 5/R32電動化計画:トップギア・ジャパン 067

【tooocycling DVR80】
箱バン.com



トラックバックURL: https://topgear.tokyo/2025/06/77112/trackback

コメントを残す

名前およびメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ピックアップ

トップギア・ジャパン 067

アーカイブ