ゴードン マレーが送り出した3シーター、車両重量1トン切り、V12エンジン搭載の傑作が、生産台数100台をもってその歴史に幕を下ろす。
外車限定の車買取サービス【外車バトン】
エンジニアファクトリー
現代最高のパフォーマンスカーと称されるGMA T.50が、来る7月をもって生産終了となる。2023年初頭から始まった100台の限定生産が、こうして完了するのだ。
T.50がその姿を現したのは、今から約5年前のことだ。その後、2021年10月に開催された第78回グッドウッド メンバーズ ミーティングにて一般公開された。
そして2023年11月には、我々トップギアによる世界独占試乗が実現した。担当したオーリー マリアッジは、次のように結論づけている。「他のいかなるクルマも到達し得ない領域に達した一台だ。純粋なエンジニアリング、徹底した軽量化、そしてメカニカルな芸術性が織りなす交響曲。これを超えるクルマは、まず間違いなく現れないだろう」
実際のところ、唯一の欠点はカップホルダーがないことくらい。世界最高のドライバーズカーという称号の前には、些細な代償である。
ここで改めて、その驚くべきスペックをおさらいしておこう。コスワースが手掛けた3.9リッター自然吸気V12エンジン、997kgという驚異的な車両重量、そしてどこまでもピュアな6速マニュアルトランスミッション。最高出力664bhp、最大トルク479Nmを発生し、最高速度は226mph(364km/h)に達する。電動アシストの類は一切ない。これこそ、読者投票で「現行最高のV12市販車」に選ばれた大きな理由なのかもしれない。
しかし、GMAのファクトリーが静寂に包まれるのはほんの束の間に過ぎない。同社のスペシャル ビークル(GMSV)部門が、8月に開催されるモントレー カー ウィークにて、新たな2台のスーパーカーを発表する準備を進めているからだ。
ゴードン マレー グループのCEOであるフィリップ リーは次のように語る。「GMSVのデザインおよびエンジニアリングチームと共に、お客様が夢に描いたビスポーク スーパーカーを創造する機会を提供できることを大変嬉しく思います。また、GMSVという形で、ゴードン マレー オートモーティブの理念を最もユニークに表現したモデルを世界の自動車ファンにお見せできることにも、大きな期待を寄せています」
さらに、今年のグッドウッド フェスティバル オブ スピードでは、ゴードン マレーのデザイナー人生60周年を祝う特別展示も行われる。南アフリカ出身の伝説的デザイナーである彼のキャリアを象徴する、ブラバム BT46B ファンカー、マクラーレン F1 GTRロングテール、そしてT.50の兄弟車にあたるT.33といった主要モデルが一堂に会する予定だ。T.33については、さらに過激なバージョンの登場も噂されている。
ゴードン マレー本人も、こうコメントしている。「レースカーとロードカーの設計とエンジニアリングに携わってから60年が経ったとは、にわかには信じがたい思いです。グッドウッド フェスティバル オブ スピードで、何千人ものファンの皆様と往時を振り返るのが待ち遠しいですね。そのわずか1ヶ月後には、GMSVから2台のニューモデルがデビューします。これは、長年のお客様にも、新しいお客様にも、我々と共にクルマとドライビングの歓びを分かち合っていただく、新たな機会となるでしょう」
【エレクトリック アワード 2025】ロータス エヴァイヤ/ルノー 4, 5/R32電動化計画:トップギア・ジャパン 067
【tooocycling DVR80】
箱バン.com
=海外の反応=
「たぶん世界最高のクルマなんだろうけど、間違いなく見た目は良くないよな…」
「控えめなルックスに、超越的なドライビングプレジャー(だと思う…)。こういうクルマがなくなったら、クルマへの情熱なんて冷蔵庫への情熱と同じレベルになっちまうよ」
「次はT.50S ニキ ラウダが生産されるのかな? それとも7月に終わる100台に含まれてた?
このクルマ大好きだ。本当にピュア。2.5トンもある電動やハイブリッドの巨大SUVとは対極にいる存在だよな」
「このクルマには一度も心を動かされたことがないし、サウンドも良いとは思えない。ヴァルキリーの方がよっぽど魅力的だね」
「見た目は主観的なものだし、叩かれるのを覚悟で言うけど、T.50のスタイリングは好きじゃない。フロントなんてMR2みたいだ。ごめん、でも本音」