アストンマーティンはバーチャルでも強かった!ヴァンテージ GTEで準優勝

世界三大レースの一つとして1923年から行われているルマン24時間レース。今年は新型コロナウイルスの影響があり9月に延期されることが決定された。毎年6月に行われているこのル・マン24時間レースは、今年に限りバーチャルのレースが行われ、FIA世界耐久選手権のGTEクラスでリーダーの座を保っているアストンマーティン・レーシングが、みごと準優勝を勝ち取った。
世界でもっとも有名な耐久レースの正式オンライン・シミュレーション、第1回 『ル・マン24時間 バーチャル』では、金曜日の予選で5番手につけた95号車のアストンマーティンVantage GTE(通称“DaneTrain”:デンマーク号)は、現在GTE Proクラスでポイントリーダーとなっているニッキー・ティーム(デンマーク)、アストンマーティン・レーシングでのチームメイトであるリチャード・ウェストブルック(英国)、ラッセ・ソーレンセン(デンマーク)、そしてシムレーシング(オンラインによるバーチャルレース)のエースと目されるマヌエル・ビアンコリラ(イタリア)がチームを組み、現実世界においても宿敵であるポルシェやコルベットと熱戦を展開し、レース終盤の数時間に2番手まで浮上した。
ティームは素晴らしいスタートを切ると、トリプルスティントを走り切り、さらに上位を伺う。その後、ウェストブルックとビアンコリラの力強い走りで、レースの大半でリードを奪った。ティームのチームメイト、マルコ・ソーレンセンの弟であるラッセ・ソーレンセンが最後にステアリングを握り、日没後のサルトサーキットで素晴らしいトリプルスティントを決め、ライバルたちが脱落してゆく中で、95号車をチェッカーフラッグへと導いた。
98号車のダレン・ターナー(英国)、ロス・ガン(英国)、ジョニー・アダム(英国)、ティツィアーノ・ブリオーニ(イタリア)組は、レース序盤に発生したトラブルによる遅れを後半で取り戻し、トップ10でフィニッシュ。97号車のアレックス・リン(英国)、ハリー・ティンクネル(英国)、チャーリー・イーストウッド(英国)、ティツィアーノ・ブリオーニ(イタリア)組は、オープニング・ラップでのクラッシュから着実にポジションを挽回し、クラス14位でチェッカーを受けた。
『ル・マン24時間バーチャル』は、ACO、FIA WECおよびパートナー企業であるMotorsport Games社によるもので、コロナウィルス感染拡大防止への取り組みとしてル・マン24時間レースが9月19日~20日に延期されたことを受け、熱狂的なファンのために開催された。今回のバーチャルレースでは、LMP2とGTEという2つのクラスが設定され、合計50チームが参戦し、現実世界およびシムレーシング界のスーパースターが集結した。各チームは4人編成で、そのうち少なくとも2人はFIAライセンスを保有するドライバーであることが条件だ。レースのプラットフォームはrFactor2だが、ドライバー交代は実際のレースと同様に行い、マシンにダメージが発生した場合は、ピットに戻って修理することができる。
「本当にすばらしい体験でした」と、ソーレンセンはコメントしている。「過酷なレースでしたが、終盤には運が向いてきました。私の仕事は冷静さを保ち、マシンをフィニッシュラインまで導くことでした」
ティームは次のように付け加えている。「チームにとって、これは素晴らしい成果です。プロのシムレーシングの世界のことはよく知りませんでしたが、関係者全員が信じられないほど熱心に働いてくれました。ラッセはハイペースで走り続け、マヌエルはチームメイトとしてすばらしい仲間でした。次は9月に行われる実際のレースです。私とリチャード、それにマルコで優勝を狙い、Vantage GTEにとって完璧な年にしたいと思っています」

アストンマーティン・レーシング社長のデイビッド・キングは、次のように述べている。「この新しいプログラムに参戦するにあたり、チームは完璧な準備を行い、戦略的なノウハウを適用して、素晴らしい結果を得ることができました。彼らの努力が結実し、2位という栄誉を得ることができました。技術的な問題が山積していたにもかかわらず、大成功を収めたこのイベントの関係者全員に感謝の意を表したいと思います。彼らは、偉大なことをやってのけました。チームがレースに素早く適合するための経験をもたらし、プロのレーシングクルーとの緊密な連携を支援してくれたシムレーシングのプロの皆様には、とくにお礼を申し上げます。今後は、WECおよびル・マン24時間のタイトルを獲得することに集中したいと思います」

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