EV偏重の風潮に逆らい、アルファ ロメオがパリモーターショーで本物のV6エンジンを積んだコンセプトカー「アルファ ロメオ クオーレロッソ」を発表した。マツダ RX-8のような観音開きドアを備える2+2クーペは、ハイブリッドと四輪駆動を組み合わせたブランドのマルチエネルギー戦略の象徴だ。しかし、この美しいハリボテの裏には、ステランティス傘下で苦境に喘ぐイタリアの名門の冷徹な現実が隠されている。
アルファ ロメオの新型車パイプラインは過去10年間、いささかお寒い状況だった。しかし、今後3年間でついに複数の新型車発表が計画されている。
アルファ ロメオ ジュリアやアルファ ロメオ ステルヴィオは素晴らしい車かもしれないが、その年齢は今や2桁に突入している。後継モデルは2年前に完全電動(EV)として発売される予定だった。しかし、十分な買い手がいないことが明白になったため、内燃機関エンジンを搭載するために延期されたのだ。
一方、小型車のアルファ ロメオ ジュニアは旧式のPSAプラットフォーム(※プジョーやシトロエンの旧世代骨格)で製造される最後の車であり、アルファ ロメオ トナーレはたいして商売になっていない。
パリモーターショーにおいて、アルファ ロメオは「アルファ ロメオ クオーレロッソ(Cuorerosso)」(『赤い心臓』という意味だが、響きはあまり良くないな)と呼ばれるコンセプトカーを展示している。このショーのEV偏重のトレンドに逆らい、こいつには本物のエンジンが積まれている。他でもない、アルファ ロメオの恐るべきV6エンジンだ。ここでは完全にハイブリッド化され、四輪すべてを駆動する。しかしアルファ ロメオは、このアルファ ロメオ クオーレロッソが汎用性の高いプラットフォームを中心に構築されていることから、ブランドの「マルチエネルギーの未来」を予告するものだと主張している。
これはマツダ RX-8のような後ろヒンジ式のリアドア(※観音開き)を備えた2+2クーペだ。フットプリント(専有面積)はジュリアと同程度だが、より低く、際立ってワイドで力強いスタンスを与えられている。尖ったノーズから後ろへと流れるすべての表面はクリーンに削り取られ、高く逆傾斜したテール(※コーダトロンカと呼ばれる空力処理)によって切り落とされている。
素晴らしい。だが、アルファ ロメオの担当者たちはこれが新型ジュリアではないと慎重に述べている。では、我々はこれをどう解釈すべきか?
まあ、まずは片付けるべき別のビジネスがある。来年、アルファ ロメオは中型クロスオーバーを発売する。これはトナーレよりも少し大きく、より現代的なグループのプラットフォームを採用している。
続く2028年には、ジュリエッタの極めて遅すぎる後継とも言えるハッチバックが登場する。
完全なEVとガソリンハイブリッドのパワーを備えたジュリアとステルヴィオの後継モデルが手に入るのは、その後になってからだ。我々が聞いたところでは、ジュリアにはクオーレロッソのデザインはあまり反映されない予定だったという。しかし、トップマネジメントがこのショーモデルを見たことで、将来のラインナップにこのデザインをもう少し取り入れたいと考え始めたそうだ。
=海外の反応=
「確かに美しい。でも、スポーツカーのベースになるわけじゃなく、将来の(比較的退屈な)SUVやハッチバックのためのスタイリングのヒントを提供してるだけなんだから、少し的外れな存在だと言わざるを得ないな」
「ああ、見た目はいいよ…フロントは美しいし、リアもね。サイドプロファイルも驚くほど素晴らしい。でも全部を組み合わせると何かがおかしいんだ。リアがセダンのリアに見えない」
「ああ、強烈な『アルファ・デジャヴ(※既視感とアルファ ロメオを掛けた造語)』を感じるね。見事なコンセプトを発表しておきながら、その後まったく音沙汰がないか、ブレラのようなゴミみたいな失望で終わる。この繰り返しだ。期待せずに待つとするよ」
「これが丸みを帯びたハッチバックだったら、今の状態よりさらに良く見えただろうな。フロントと斜め前からの眺めは死ぬほど美しいのに、あのアヒルの尻みたいなリアとは全く調和してない」
「一番後ろの部分は一体どうなってるんだ?」
↑「しかめっ面をしたパックマンの顔のことか? 言いたいことはわかる。もしこれが市販化されるとしたら、アルファ ロメオが6桁(※数千万円)の価格をふっかけない限り、デザインのためのデザインみたいな特徴はすべて失われるだろうな。つまり、ビジネスとして成り立つほどの数は売れないってことだ。いずれにせよ棺桶に釘を打つようなもんだと思うね。ジャガーやロータス、マセラティあたりを見ればわかる」
「マツダの話題で言えば、RX-8のような観音開きのドアに、アイコニックSPやRX-VISIONのようなプロファイルと表面要素を持ってるな。全体的には悪くないが、ステランティスにガッカリさせられる心の準備はできてるよ。パッとしない現状から目をそらさせるためのピカピカのハリボテだ。未来がもっと有望であることを願うね」
「実際に本当に美しいアルファ ロメオが出てきて嬉しい驚きだ。希望を捨てて、ステランティスのSUVをコピペして大量生産してるだけだと思ってたからな」
「俺は過去10年間に新車でアルファ ロメオを買った人間だから、おそらくこの車のターゲット層なんだろう。でも、こいつを買う機会が来るとは到底思えないね。もし発売されたとしても、マセラティの価格がつけられたプジョーのバッジ違いになるだけだ」
「美しい車だが、いつかステランティスは自分たちが買ったブランドを理解するべきだ。平均的なバイヤーの手が届く範囲に、軽くて速くてスタイリッシュな車を1台か2台は置くべきなんだよ。アルファスッドやその派生のスプリントは素晴らしい車だったし、156は極上のサルーンだった。もし彼らが退屈なSUVを大量生産し続けるなら、たとえ強力な新型ジュリアが出たとしても、このブランドは破滅だ」




