スーパーカーより高額!リシャール・ミルの新作「RM 64-01」はコルナゴの魂を宿す怪物だ

リシャール・ミルがイタリアの伝説的自転車メーカー「コルナゴ」とタッグを組んだ。新作「RM 64-01 トゥールビヨン コルナゴ」は、ツール・ド・フランスを制覇する自転車のフレーム構造を、そのまま手首サイズに凝縮したような変態的(最高の褒め言葉だ)タイムピースだ。お値段はなんとスーパーカーも青ざめる800,000CHF(1.6億円)。世界限定50本の狂気に満ちた時計の正体に迫ろう。


究極の「自転車用時計」のお値段は?

車輪が2つ付いた乗り物と、手首に巻く小さな機械。一見何の関係もないように思えるが、実はこの2つの世界は「軽さ」「剛性」「素材の最適化」という狂気じみたパフォーマンスの追求において、完全に一致している。

リシャール ミルといえば、シャシーとエンジンを完全な調和のもとで開発するF1マシンの設計思想を時計に持ち込んだことで知られるブランドだ。対する「コルナゴ(Colnago)」は、70年以上の歴史を持つイタリアの伝説的自転車ビルダーである。ちなみにコルナゴは1980年代後半にフェラーリと提携し、ブランド初のカーボンモノコックフレーム「C35」を生み出した過去を持つ。つまり、両者ともにモータースポーツのDNAを呼吸しているのだ。

そんな両者が手を組んで生み出したのが、「RM 64-01 トゥールビヨン コルナゴ」である。価格は800,000CHF(1.6億円)。この時計ひとつで、最新のハイパーカーが丸ごと買えてしまう。だが、その中身を知れば、この価格設定すら(彼らの基準では)妥当に思えてくるかもしれない。

ムーブメントそのものが「フレーム」である

この時計のキャリバー「RM64-01」は、単に時計の針を動かすためのエンジンではない。グレード5チタン製の地板とブリッジは極限までスケルトン化されており、その姿はまるでレーシングバイクのフレームそのものだ。

特に注目すべきは、星形デザインのチタン製上部インナーベゼルだろう。これは、1980年代にコルナゴが剛性アップと軽量化のために開発した「マスター」フレームの象徴的なジオメトリーへのオマージュである。これらのブリッジにはホワイトラッカーが塗られ、さらにアズールブルーと5Nレッドゴールドで手作業によるペイントが施されている。

ケース素材には、極めて優れた機械的特性を持つクオーツTPTが採用されている。今回は特別に開発された新色アズールブルークオーツTPTが組み合わされており、スポーティでありながらも信じられないほどの洗練を漂わせている。サイズは縦49.94mm、横43.21mm、厚さ14.23mmで、50mの防水性を確保している。

最強のエンジン「タデイ ポガチャル」の腕に

世界限定わずか50本という希少性もさることながら、このモデルには完璧なアンバサダーが用意されている。先週、リシャール ミルのファミリーに加わったばかりのUAEチーム・エミレーツのエース、タデイ ポガチャルだ。彼は現代のプロトン(自転車ロードレースのメイン集団)において他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇り、ツール・ド・フランスを複数回制覇している正真正銘の怪物である。

彼もまた、この「RM 64-01 トゥールビヨン コルナゴ」を着用してレースに挑むという。時速数十キロでダウンヒルを駆け下り、過酷な路面からの振動をモロに受ける環境下で、1億円オーバーの精密なトゥールビヨンを腕に巻くなど、もはや正気の沙汰ではない。だが、だからこそリシャール ミルなのだ。

究極の自転車と究極の時計。この2つが交わる場所には、妥協という言葉は一切存在しない。もしあなたのガレージにコルナゴの最高峰ロードバイクが鎮座しているなら、手首にはこれが必要だ。もっとも、そのためにはまず、スイスの銀行口座に十分な残高があることを確認しなければならないが。

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