ニュージーランドが生んだ唯一のF1ワールドチャンピオン、デニー・フルムの名を冠したスーパーカー「フルム Can-Am スパイダー」は、ゼネラルモーターズ製V8エンジンを積む2シーターオープンスポーツとして開発された。2010年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにデモカーが姿を現し、世界中の自動車ファンの注目を集めたが、その後プロジェクトは頓挫。市販化は実現しないまま今日に至る。栄光のチャンピオンへのオマージュは、なぜ幻に終わったのか。

これは何?
ニュージーランド唯一のF1ワールドチャンピオン、デニス「デニー」フルムへのオマージュとして企画されたマシンだ。フルムはオープンホイール〔※タイヤがボディで覆われていないレーシングカースタイル〕、ゼネラルモーターズ製V8エンジンを搭載した2シーターが発表される前に世を去った。今思えば、それはおそらく彼にとって不幸中の幸いだったと言えるかもしれない。
実際に作られたの?
少なくとも1台は存在する。パパイヤオレンジ〔※マクラーレンの伝統色であり、デニー・フルムゆかりのカラー〕のデモカーが2010年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード〔※英国で毎年開催される世界最大規模の自動車の祭典〕に登場し、ジャーナリストたちによって短期間テストされた。その後、より多くの国での販売を実現すべくプロジェクトは見直された——ただし、厳格なクラッシュテストと排ガス規制のせいで、アメリカとオーストラリアへの進出は断念せざるを得なかった。
今はどこに?
Can-Am〔※1966年から1974年にかけて北米で開催されたスポーツカーレースシリーズ「カナダ・アメリカン・チャレンジカップ」の略称。デニー・フルムはここで活躍した〕は結局、市販化には至らなかった。ウェブサイトは今もひっそりと生き続けているが、中身はAIが生成したとしか思えないスラップダッシュな文章〔※「slop=粗悪なAI生成コンテンツ」の意〕と、でっち上げのレンダリング画像のスーパーカーで埋め尽くされている。極めつけに、投資家募集の案内まで掲載されている。
本物のキウイ〔※ニュージーランド人の愛称〕製ハードコアスーパーカーという夢は、今やリアム ローソン〔※ニュージーランド出身のF1ドライバー。2025年シーズンよりレッドブルのレギュラーシートを獲得〕がタイトルを手にし、「ローソン ハイパーカーズ Ltd.」でも設立する日を待つほかなさそうだ。完全に不可能とは言わないが……まあ、望み薄であることは否めない。
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=海外の反応=
「キウイ製ハードコアスーパーカーの夢は、ロダン〔※ニュージーランド発のサーキット専用ハイパーカーブランド「Rodin Cars」。FZeroなど極めてエクストリームなマシンを開発している〕のところでまだ生きてると思うんだよな」
↑「そうなんだよ!」
「そのクルマ(今はアクリル製のウィンドスクリーンに換装されてる)、俺の車庫にあるよ。作られたのは本当にその1台だけだ」





