ジャガーが2030年までに100%電動化に移行するというニュースは既にお伝えした通りだ。このたび、改めてその計画について日本史上に説明するオンラインのプレゼンテーションが行われた。説明者は、ジャガー・ランドローバー最高経営責任者(CEO)のティエリー・ボロレ氏、ジャガー・ランドローバーチーフ・クリエイティブ・オフィサープロフェッサー・ジェリー・マクガバン氏、ジャガー・ランドローバー・ジャパン株式会社代表取締役社長のマグナス・ハンソン氏の3名で、ジャガーのサステナビリティへの対応は大変興味深いものだった。
ボロレ氏からは、ジャガーブランドのグローバル戦略「リイマジン」についての説明がなされた。2030年までにジャガーは100%、ランドローバーは60%の電動化を計画しており、ジャガーではXJブランドが消滅するが、ランドローバーの方は従来通りレンジローバー、ディスカバリー、ディフェンダーの3モデルは維持していく。2026年からはジャガーではディーゼルを段階的に廃止し、2036年までに排ガスを実質ゼロにしていく。なおジャガーでは、水素や燃料電池についても模索中だとのことである。
マクガバン氏をリーダーとしてジャガーは、モダンラグジュアリーブランドとして生まれ変わるべく、デザインの再構築も進められている。ジャガーに関しては独自のヘリテージを持っているが、過去を振り返りすぎることがないようインスピレーションを取り入れていく。そしてかつてのXJやEタイプのように、熱望されるジャガーのクルマを作っていくのだという。Modern、Exuberant(情熱に溢れた)、Connected、Aspirational(意欲的かつ芸術的作品)という四つのキーワードをもとに実現化していく。ウィリアム ライオンズの言葉を借りれば「ジャガーは何のコピーでもない」物を作り上げて行くということで、その意志の硬さは十分に伝わってきた。唯一無二のジャガーが生まれてくるのを、楽しみにしたい。
ハンソン氏は、ジャガーがすでにEVでの地位を確立していると説明した。2016年からフォーミュラEに参戦し、2017年には市販車ベースのEVワンメイクレースである「ジャガー I-Pace eトロフィー」を発足しするなど、EVでのレース活動にいち早く取り組んでいるのがジャガーだ。その結果としてIペイスは世界のアワードを85個も受賞している。ピュアEVはIペイス、そしてXE、XF、Eペイスは2021年モデルから、マイルドハイブリッド車を投入する。
日本ではこのジャガーの電動化プランに伴い、ジャガー初のプラグインハイブリッドとなる特別仕様車「E-PACE PHEV LAUNCH EDITION」を20台限定で発売する。価格は9,334,000円。なお、5/30まで、JAGUAR POP UP ショールーム(港区南青山6-4-13 オールモストブルーC棟)で、実車を見ることが可能。なお、Iペイスの方は2022年モデルが夏頃に発表予定だという。そのほか、日本でも充電設備への投資を加速させ、提携ホテルなどと一緒に充電器の数を増やしていく予定だ。またジャガーディーラーにおいては、現在47名いるEVスペシャリストを2023年度末までに100名体制にしていき顧客への疑問や要望に専門的な知識で対応していくという。今回のプレゼンテーションによって、未来のジャガーの姿を想像するのが、より楽しみになった。