今から10年以上も昔、メルセデス AMGは750馬力を誇る電動ガルウィング「SLS AMG エレクトリック ドライブ」を世に放った。ニュルブルクリンクで市販EV初の8分切りを達成するなど、その性能は本物だった。しかし、1億円を超える価格が付けられたこの野心作は、なぜわずか9台しか売れずに歴史の闇に消えたのか。この記事では、その致命的な欠点と、時代を先取りしすぎた悲劇の真相に迫る。
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どんなクルマだったのか?
真の意味での、史上初の電動スーパーカーである。ガルウィングドアの下には4つのモーターを搭載し、合計で750馬力と1,000Nmというとてつもないパワーを捻出した。その車重はミュンヘン空港よりも重かったにもかかわらず、0-100km/h加速はわずか3.9秒でこなした。F1エンジンの名門、メルセデス ハイパフォーマンス パワートレインズが供給したバッテリー単体の重量は、実に548kgにも及んだ。
実際に製造されたのか?
AMGは、これが単なる技術的な見世物ではなく、顧客に販売するモデルだと豪語した。ただし、その価格は100万ユーロ(当時のレートで1.3億円)。需要は、ゴホン、驚くほど鈍く、2013年から2015年の間にオーナーを見つけられたのは、わずか9台だったと噂されている。
そして、現在地は?
AMGの電動化による再起動は、どうにもパッとしない。EQE 53やEQS 53といったモデルは、まるで運河のボートのように運転する楽しさに欠けており、しかもSLS エレクトリック ドライブよりもさらに重い始末だ。来年には1,000馬力を発生する4ドアの新型EVが登場する予定だが、果たして、あの雷鳴のようなV8のスペシャリストたちが、火山のごときAMGの個性を、電気自動車という器にどうやって注ぎ込むのか…ようやくその真価が問われることになるだろう。
400号記念:UK400マイルロードトリップ/フェラーリ F80/フェラーリハイパーカー:トップギア・ジャパン 069
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=海外の反応=
「ウェイブリッジにあるメルセデス・ベンツ ワールドのミュージアムには、見事な白いSLS ブラックシリーズが展示されてるんだ。あの巨大な6.3リッターV8を積んだやつがね。なぜSLSエレクトリックが売れなかったかって? 答えは簡単だ。このスタンダードモデルとブラックシリーズが存在したからだよ。静かなEVか、8000回転近くまで回り、最高の音を奏でる史上最高の自然吸気V8か。選ぶまでもないだろう。
EVがまだ黎明期で、インフラも整っていなかった時代だ。航続距離は良くても240km程度で、今のEVのように急速充電もできなかった。EVスーパーカーの興味深い先駆者だったか?イエスだ。良いクルマだったか?と聞かれれば、答えはノーだ」
↑「SLS EVの終焉には、テスラの存在も大きいと思う。モデルSは直接の競合車ではないが、EVの価格性能比の基準を打ち立ててしまった。EVという選択肢を検討する裕福な顧客にとって、SLSはどんどん割高に見えるようになったんだ。記憶が正しければ、メルセデスが諦めた頃には、SLSはモデルS プラッドより280馬力も劣っていたのに、価格は8倍もした」
↑「あんたの歴史認識は間違っている。テスラは内燃機関のSLSの終焉とは何の関係もない。SLSはAMG GTに後継されたんだ。2012年か13年にはSLSはすでにモデル末期で、メルセデスは後継車の開発に着手していた。テスラは無関係だ。
それに、SLSやAMG GTを買うような層は、直線番長で安っぽい作りのテスラには興味がない。SLS ブラックシリーズの価値は、どのテスラ プレイドも到達できないほど高騰しているし、プレイドがブラックシリーズほどエキサイティングなわけがないだろう。基本的な事実すら知らないなら、返信してこないでくれ」
↑「少し落ち着いて、私のコメントを読んでいただければ…。私が話しているのは、この記事のテーマである「電動SLS」のことであり、ガソリン車のことではない。それは明白な事実だと思ったのだが」
↑「電動SLSは、そもそもEVとして実用的ではなかった。それに、テスラ モデルS プレイドは、SLSエレクトリックの生産当時には存在すらしていなかった。SLS EVを終わらせたのは需要のなさだ。それが事実。プレイドはSLSの生産終了から何年も後に出てきた。君は自分がどのモデルについて話しているのかさえ分かっていないじゃないか」
「この怪物は葬り去られ、忘れられるべきだ。しかし、V8エンジンを積んだ傑作、SLS AMGは、永遠に称賛されるべきである」
「EVってだけで、逆にクールに感じるのはなぜだろう。普通は逆なのに。このクルマの蛍光イエローのやつ、めちゃくちゃカッコいいんだよな。メルセデスには、いつもこれくらい実験的な色を使ってほしいもんだ。うな…。そもそも出てこないか。ほとんどがメルセデスの博物館行きだろうね。この色のミニカーだけ持ってるわ」